こんばんは、福岡市長の高島宗一郎です。


 先日、平成25年度予算の記者会見を行いました。
 これから何回かに分けてこのブログでもご説明したいと思います。


 市長に就任してこれまでの2年間は、特に都市の成長と暮らしの質、この好循環をつくることを基本的な市政の運営方針としてきました。やはり都市が成長し、税収が増えないと、暮らしの質を向上するための財源も確保できません。


 そのために今年度は特に観光に力を入れてきました。なぜかというと、福岡の産業構造においては、従業員ベースで見ても生産額ベースでも、9割が第3次産業が占めているからです。そのため交流人口を増やしていくことが福岡にとって一番の成長戦略だと考え、施策に取り組んできました。大型コンベンションを次々に開催したり、2階建てオープントップバスの運行を開始したり、様々なことを実施してきました。
 その取り組みの甲斐もあって、この1年間で税収が47億円も増えました。個人市民税、法人市民税、合わせてこれだけ税収増があったのです。やはり第3次産業が中心の福岡にとって、交流人口増の効果が非常に現れていると思います。
 また市民の皆さんにも、福岡市が力を入れて取り組んでいるのは観光だということをご理解いただけるようになったと思います。そして、各企業も独自に動き出しました。また観光についての動きは、九州全体にまで波及し、観光が非常に大事なんだということが多くの皆さんに認知されるようになってきました。今後この動きが軌道に乗れば、非常に良い流れになっていくと思います。


 施策はそれぞれ種をまいても芽が出る、成果が出てくる時期には差があります。都市の成長分野においては、観光など比較的短期間で成果が出るものもあります。しかしこれまでも地道に力を入れてきた「地域」や「子ども」といった分野のように、短期間で明確な成果が表れにくいものもあります。


 新年度は地域と子どもにさらに力を入れて、効果を大きく出していきたいと思っています。そこで、平成25年度予算を「住みたい福岡」と名付け、これまで力を入れてきた都市の成長で増えた税収を暮らしの質の向上に振り向けていきたいと考えています。

 「福岡に住んでいてよかった」、そして「これからも福岡に住み続けていきたい」と思ってほしい。今回はそのための予算を編成しました。その「住みたい福岡」の中でも、まず大切なのは、やはり子どもについての施策だと思います。子どもの未来=福岡の未来。その子どものための施策に、今年一番力を込めて、気持を込めて予算を組みました。



○待機児童ゼロ

 この1年間で、福岡の待機児童をゼロにしたいと思います。特に平成25年度は過去最大の1,900人分の保育所整備をしたいと考えています。これまで、就任1年目で1,100人分、就任2年目が1,400人分の保育所整備をしてきました。就任2年間で過去9年間と同じだけの整備をしたのですが、平成25年度の1,900人分を加えると整備の数は4,400人となり、これはおよそ過去の4倍の速さで整備をしていることになります。

 さらにこの保育所整備だけでなく、福岡のすべての区に保育コンシェルジュを配置します。これは保育園だけでなく幼稚園、また一時預かりをしている幼稚園など、それぞれのニーズに合わせた様々な選択肢を提示するというものです。
 福岡市ではもちろん認可保育施設を中心に置いて、待機児童解消に取り組んできましたが、夜間勤務のある方々に対応できる保育園は非常に少ないのです。今までは認可保育所に申込んだものの空きがなく、待機児童とされた方々が認可外保育所を利用するときにのみ助成をしていたのですが、夜間の利用の場合には、認可外の保育所の利用者に対しても助成を拡大します。

 こうした、保育所の整備それから保育コンシェルジュ、さらには夜間の認可外に対する助成など、あらゆる取り組みを進めることで、平成26年度当初には待機児童ゼロを実現します。


~ 続く ~