こんばんは、福岡市長の高島宗一郎です。

 今日は今年最後のブログ更新ですので、時々質問される内容や一部マスコミの報道で明らかな間違いがある部分についてお答えします!


①「借金増大」って本当?
→借金増大は誤りです。市の借金である市債残高は毎年着実に縮減させています。
参考:ふくおかしの家計簿(福岡市HP)


②「ハコもの続々」って本当?
→「ハコもの」というと無駄な施設というイメージがありますが、現在整備計画を議論しているのは、市民会館や市民体育館、少年科学文化会館、小中学校、市営住宅など、市民に必要とされる施設の老朽化に伴う建て替えです。
 福岡市にその機能自体がもういらないならそのまま廃止にすればいいのですが、どれもすでに多くの市民が利用をしています。これらの機能が今後とも必要なのであれば、山梨のトンネル崩落のような事故が起きないためにもメンテナンスや建て替えが必要です。もちろん長寿命化(アセットマネジメント)は現在でも行っています。しかし長期的にみると多額の費用をかけてこれ以上古い施設をメンテナンスするよりも、建て替えた方が効率的な場合もあります。
 もちろん施設の建て替えについては全て議会での議決を経ています。


③少年科学文化会館の「ホール」は何故なくすの?
→ホールの機能を福岡市内に確保することが大切で、新しい青少年科学館の「隣に」絶対なければならないわけではありません。福岡市全体で考えた時に、須崎公園で建て替え予定の市民会館のホールや東市民センター移転に合わせてホール機能を拡充することで、低コストで福岡市内全体のホール機能の維持を図ります。


④「思いつき」で観光振興にお金を使っている?
→従業員ベースでも生産額ベースでも9割を第三次産業が占める福岡市は、消費が増えると潤うまちです。観光コンベンションに力を入れているのは、福岡を訪れる人(消費者)を増やし、経済を活性化して、市民サービスを維持・向上していくためです。少子高齢化や長引く不況の影響で社会保障費は増え続け、一方で税収の大幅な増加は期待できる状況にない中で、行財政改革を進めると同時に、経済を活性化し財源を生み出す取組みの一つとして、観光コンベンションに力を入れています。


カワイイ区に一千万円は高い?
→まずは判断材料として行政の広告宣伝費の相場をお話しします。広告宣伝費の比較対象としてですが、ローカル新聞のたった一紙の一面を買い取るだけでも数百万円します。福岡県が今年も取り組んでいる「めんたい豚骨旅行社」やAKBの柏木由紀さんの鹿児島県、うどん県は数千万円、おしい!広島県は2億円以上と言われています。広告宣伝を全国規模で行えばその程度の費用が掛かります。
 カワイイ区は篠田麻里子区長が郷土福岡のために協力してくれたので出演料はゼロ。一方全国のテレビ、雑誌、全国紙などが取り上げてくれたので、広告代理店の計算によると2億5千万円相当の広告効果がありました。
 また、いわゆる観光大使ではないので必ずしもご本人に出演してもらう必要がなく、地元の100社以上の企業やお店がカワイイ区の「ロゴ」を使ってキャンペーンや商品開発を行い、ソラリアや岩田屋三越などでもカワイイ区関連のイベントが開催され、地元の活性化に役立っています。この全国規模のシティプロモーションで一千万円なのです。


⑥海外出張が多く市役所の業務がストップしている?
→海外も含め出張する際には当然、各局が出張の必要性をきちんと精査し、市にとって重要な事案について、私本人が参加しています。委員会で「市長の出張が多いので、市の業務が滞っているのではないか?」と質問した議員は、スマートフォンなども無い時代に市長室長をしていたことのある元市職員の議員で、今は彼の時代とは仕事の仕方が全く違います。出張期間中も手元のiPhoneやMacBookに通常通りメールが届きますし、業務に関してはそもそも各担当の副市長が責任を持って進めています。
 また今年はボルドーとの30周年、オークランドとの50周年など、姉妹都市との周年事業や会議が多く、結果的に海外出張が多かったのですが、例えばインドで行ったアジア文化賞の現地表彰は、日本で想像する以上に首長のトップセールスへの注目度が高く、現地ではメディアでも大きく取り上げられるなど、大きな効果がありました。


⑦行財政改革って市民サービスを削減することが目的なの?
→行財政改革は市民サービスを削減するというマイナスイメージで報道するメディアもありますが、それが目的ではありません。持続可能な成長を図り、また住民サービスを維持していくための「新たな行政のかたち」を作っていくことが目的です。10年、20年前には必要性が高かった事業の中には今の時代に合っていないものもあると思います。右肩上がりの時代が終わった今、経済を活性化し財源を生み出す取組みを進めると同時に、「施策の優先順位の最適化」を行い、限られた財源の中で、より必要性の高い、市民のニーズにあった施策を展開していくことが重要だと思っています。