2014年のNHK大河ドラマが「軍師官兵衛」に決定しました!

 主役の黒田官兵衛は初代 福岡藩主の黒田長政の父親であり、福岡城の築城にも携わった人物で、福岡には福岡城跡をはじめ黒田官兵衛が晩年を過ごした「御鷹屋敷跡(おたかやしきあと)」、菩提寺の崇福寺(そうふくじ)、福岡市博物館の収蔵物など、数多くの黒田家ゆかりの場所・史料があり、それらにスポットが当たる絶好の機会です。国内の観光客を集める工夫を今から準備して、このチャンスを逃すことなく活かしていきたいと思っています。

 さて、観光というと、外の人だけが対象に見えるかもしれません。しかし私の考えは違います。観光として市外の人にアピールするということは、自分たちのまちの魅力は何なのか、どんな歴史・背景を持って成長してきたまちなのかをしっかり認識しないと出来ないことなのです。私は福岡に足りないのは、自分たちのまちの歴史を市民が知ることではないかと思っています。
 例えば、私が「観光」という話をすると、福岡は見るところや行くところがないと言う福岡市民の方も多くいます。しかし、2000年を超える歴史を持つ福岡には、うどんや饅頭、お茶の発祥の地、最初の禅寺、などなど、歴史的にもきわめて重要なスポットがたくさんあります。野球、サッカー、バスケ、相撲など、プロスポーツがあふれ、毎日コンサートが多数開催され、博多座やシティ劇場などでは舞台も毎日鑑賞できます。全国の4割の屋台が福岡市にありますし、しかも世界30都市にダイレクト路線で飛行機がつながっています。
 コンパクトな中にこれだけの宝が詰まっている地域なんて、ほかにありません。

 私が言いたいのは、観光を振興するということは、自分が暮らしているまちをよく知り、誇りを持ち、みんなでまちの魅力を磨き上げて、外に発信していくことなのです。それが大切なのです。

 もちろんこれまでブログで書いてきたように、福岡は9割が第三次産業に従事する商業のまちですから、訪れる人が増え、消費者が増えることがまちの活性化にとっては最も大切です。でも、観光の振興とは、自分のまちのことをよく知らないとできないことなのです。

 福岡市は今年度を観光元年と位置づけて観光に力を入れています。

 今年はまず自分たちのまちの歴史がわかるように、福岡城ではデジタル技術(AR)を活用した当時の情景を体感できる新しい展示の導入を進めたり、福岡城についての知識を得ることができる休憩所として「福岡城むかし探訪館」を新設したり、また、福岡城跡の整備方法などを検討する有識者会議も立ち上げました。
 さらに、「福岡・アジアしっとーと検定」を作り福岡のこどもたちに、もっと郷土福岡のことを知ってもらおうと思っています。また、2階建ての「福岡オープントップバス」を福岡城跡や寺社仏閣がある地域にも走らせ始めたりしているんです。

 この「軍師官兵衛」をきっかけにして、市民の郷土愛をさらに高め、また、より多くの人たちに観光で訪れていただくために、福岡の魅力を発信していきたいと考えています。