危機管理業務について・その1 | 猫好き警備員の○○な日常

猫好き警備員の○○な日常

S&T OUTCOMESの代表であり、猫好き警備員でもあるRenyaが、日常の安全の事や、猫の事や、防犯やネコの事をつづります。

●危機管理業って?

 

警備業務の中には、危機管理という業務が含まれます。

 

一概に危機管理というと幅が広すぎるので、一例として過去に受けた業務を例に挙げてみようと思います。

 

 

始まりは保安業務でした。あるスーパーにおいて常習的に窃盗を繰り返す集団がいる。

 

最近では、窃盗行為が見付かると、スタッフを威嚇して来るという話でした。

 

業務に就いてみると、脅威対象は未成年の少年グループでした。

 

少年達も初日から我々の存在に気付いたため、現行犯での逮捕は困難な状況となりました。

 

ここで方針の変更が行われます。

 

少年らの現行犯逮捕ではなく、店舗に立ち入れない、近付けない状況をつくる、という事を最終目標として業務を遂行します。

 

 

 

●何処まで、何をするのか?

 

目標達成のためには、出来うる限りの全ての事を実行します。

 

その中には、例えば脅威対象の行動確認、時には住所や氏名の特定も行います。

 

探偵みたいですね!?などと言われる事がありますが、実は警備業と探偵業は似ている所があります。

 

欧米の警備業は、もともと探偵がその付帯業務として顧客の安全確保を行う所から始まっているのです。

 

 

脅威対象に対する調査を行うのは、脅威を正確に把握する為です。

 

上記の例の場合がまさにそれで、脅威対象の少年グループは反社会的組織の準構成員と関係がありました。

 

こうなって来るとリスクのレベルが変わります。当然ながら、業務に就く担当者も誰でも良いという訳にはいきません。

 

この様な事があるので、脅威対象に対する調査は欠かす事が出来ないのです。

 

 

●顧客を守るために

 

スーパーなどのサービス業では客を選ぶことは出来ない、という誤解を抱いている方々がいます。

 

この時のご依頼主さんも同様で、脅威対象の少年グループとは言え、客として来店する事を拒否する事は出来ないと思い込んでいました。

 

そこで我々から施設管理権についての説明を行い、立ち入り拒否が出来る事を提案しました。

 

店舗も私有地ですので、客とはいえ迷惑行為があれば十分立ち入りを拒否出来るのです。

 

勿論、この事を脅威対象の少年達に伝える時は、反発も考えられるので私達が対応しました。

 

この時は、少年達が反発して更に店舗内で騒いだ為、これ幸いと110番通報をして警察の臨場を求めました。その上で、警察の方々がいる目の前で、改めて少年達に立ち入り禁止の通告をしました。

 

立ち入りの拒否を伝えるに当たって、法的に警察官の立会いなどは不要です。

 

しかし、当の少年達に対しては警察の前でも言った、と繰り返し言える状況を作った訳です。

 

その後、少年達の出入りはなくなり、暫くして少年の一部が転居したり、別の少年が別件で逮捕されるなどした事もあり、グループは自然に解散する事になったようです。

 

一時は、帰宅時に尾行を警戒するなど最大限の警戒をした程でしたが、最終的に顧客の利益を確保する事が出来た危機管理の一例と言えると思います。