うた眠りにつく前に、そっと浮かべる歌がある。誰に聞かせたいわけでもない歌。その歌は僕の口からはいでて、空を舞う。『風見鶏はもう眠っただろうか。明日は早い。太陽が、驚くほど早い。だからおやすみ。嫌なことは忘れてしまいなさい。無垢と無知の天秤。』星座のすべり台雨のドロップ雲の浮島を経てそっと浮かべる歌がある。眠りにつく前に、必ず歌う。誰に聞かせたいわけでもないような、気がしないでもない、そんな、感じの、歌。