うたねえ、ほら、雲。君を捕まえるために、世界をガチガチに固定したんだ。電線でとらえて、うなだれた言葉を探す。腹の立つほど白く大きく自由な雲。太陽まで隠すことないのに。君には隠したい嘘すらないのだから。朝勤務を終え、一睡もしないまま一晩中彼女にスパイダーマンの素晴らしさを語ってた男とは思えぬ感傷。