Eborinko Rider Blog -3ページ目

黄砂に吹かれて

黄砂に吹かれていたのはどうやら富山までのようで、白馬岳周辺は若干茶色いものの気になりませんでした。前日、空は白く霞んでたので行こかどうしょか迷ったんやけれど。


2016.4.26.
晴れ

一週間早い林道オープンの恩恵に与る。



5:15 猿倉出発

9:20 旭岳山頂

東面滑降。
下から見上げたらあらら、わざわざ雪庇の上から降りんでも右の岩の間を一直線に降りた方がスムーズでキレイなラインやった。やはりインスペクションは真正面からやらないと難しい。シュルンドも結局避けてしまったが、あそこを跳んでこそなんぼやね。











11:35 杓子岳
予想外に時間が掛かってしまった。白馬から杓子までは結構キョリあんのね。


杓子岳北面ハイレグルンゼ滑降。
固!
そして、短!








直ぐにトラバースして登り返し。

12:40 再び杓子岳山頂
この日は珍しく欲張って3本目。吉と出るか凶と出るか。
狙いは杓子尾根北東ルンゼのさらに西、ひねくれてるオレはまともには行きたくないので北東ルンゼ一つ西狙い。

山頂から杓子尾根の東側を降りる。
雪ズブズブ、うへっ、これはあかん、滑ったとこから100%の確率で湿雪雪崩を誘発する。しかも高速のやつ。
斜面もちょっと割れてるし、ここ行くのヤバいかも。でも、尾根を辿るのは雪少ないし面倒臭いし行くしかない。
ギャーッと突っ込んだら足を取られて転倒。ヤバッ、なんとか立て直して横へ逃げる。雪崩はゴォーゴォー谷間に吸い込まれて滝のよう。流されたら確実に死んでしまいます。
ずいぶん下に落とされて、尾根に登り返すのは激渋で、下は雪崩の滝、トラバースも危険。うーむ、NOT GOOD。
しばし、沈黙。いやむしろブツブツ何か独り言を言っていたような。尾根へ登るか、かなり急やぞ、ズブズブやし、思い切ってAB間ルンゼの方へ尾根乗り越えてみるか、向こうも滝やったらアウトやな、このまま前進トラバースの先は切れ落ちて見えません。

登り返しはより危険と考え前進トラバースして向こう側を覗いてみることに。
そろりそろりと進むけど、雪はどんどこ流れて谷底へ。
落ち込みの向こうはなんとか降りれる斜面でセーフ、流されなければやけど。



紙一重の危うさで杓子尾根に戻ることができた。あーしんど。
尾根から北東面を見ると、狙ってた北東ルンゼさらに西の上部は尖った岩稜帯でアクセス至難、どっちみち無理やったかな。
なんとか北東ルンゼには入れるので素直に北東ルンゼを降りて、落石多し、避けつつ、当てつつ大雪渓。

もう、マジで今年は終わりにしよ。

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鑓ツアー

2016.4.2.


4:00 猿倉台地ツエルト 起床


5:30 出発


6:30 おびなたコル

昨日の杓子と今日の鑓が目の前に。

湯の入沢への滑りは豊かな地形とちょうどいいカリカリ具合でおもろー!


8:00 鑓温泉

滑走とハイク前にひとっ風呂浴びるのがオレ流。

予想通り熱過ぎて、スコップで大量に雪を放り込んで冷ましてから入る。

30秒が限界で雪を足しつつ、下半身のみ、足は真っ赤で茹でタコ状態。

それでもさっぱりしました、整備してくれた人ありがとうございます!







8:45 再出発

芯から温まった体と、緩みきった筋肉でハイク再開。

快晴無風、春の陽気、ちょうどいい斜度。


10:40 稜線

最後の登り、山頂に向かっていたら先に登頂する人影が見えた。

まさか、、、。


11:07 鑓山頂

素晴らしい景色。

白馬岳と杓子岳の東斜面はやはりいかつい。

杓子CDルンゼへの入り口も見えた。昨日登ったとこより一つ下を登り返せばより簡単でベストな場所に出られるだろう。





赤ラインが実際行ったCDへの登り返し  青のラインがベストかな



ドロップポイントの鑓の先へ進む。

あー、やっぱり、行っちゃってる。

中央ルンゼに今朝までシュプールはなく、下から観察した様子でも雪面はきれいな状態だったのに、今は一筋のラインが。がっくし。

この人は杓子沢から登って、山頂も早々に、中央ルンゼに消えていったようだ。

のんびり温泉に浸かっている場合ではなかった。チーン。



右のシュプールは外して奥の向こう側へドロップ



11:30 ドロップ

前の人から30分は間隔が開いたからもういいだろう。

少しラインをずらしていくしかない。

尾根の先へトラバースを始めたら、雪が崩れてけっこうな湿雪雪崩発生。雪面が荒れていく。

ドロップしたところからも崩れ始めるが、おかまいなしにぶっ飛ばして、尾根を越えて広い方へ。

こちらも切ったらセンターが流れ始めてデロデロ湿雪雪崩誘発。あまりに大きかったので一応大声で叫んで下に知らせる。どうかご無事で。





鑓ヶ岳の中央ルンゼは、オレにとって初の山頂ルンゼ滑降になった思い出深いラインだ。それまでこんなとこ滑れるかなという感じだったが、今思えばここはルンゼ滑降にはちょうどいい入門ラインのような気がする。もちろん厳冬期にはアクセスの遠さ、雪崩のリスクで相当難易度は高いSランクだが、この時期の滑降の難易度自体は高くない。その後の自身の山頂滑降につながっている。


帰り道、杓子と鑓を見上げる。

やっぱり来て良かった。

杓子のセンターラインには今日のものと思われる新たなシュプールが残されていた。

何もない雪面に、誰も行かない斜面に自分のラインを引く、そんなことになぜこんなにも人は魅了されるのか。


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杓子岳東壁 CD間ルンゼ

この二日間は無風快晴の予報ときた。パッと浮かんだ計画をあまり気乗りしないままズルズルと実行に移していた。厳冬期に叶わなかった杓子岳登頂と東壁の滑降。これをすでに春のこの時期になってやろうというのは半ば意地というか心のつかえを少しでも取っておきたかったのだろう。これと合わせ技で鑓の中央ルンゼも行っとこう、どうせなら泊まりで。毎年1回は雪山で泊まっとかんとな。



山行日:2016.4.1.
快晴 無風


5:00 二股出発
重い荷物を背負って猿倉林道を歩いてると、すでにやめといたら良かったという悔恨の念がどんどん膨らんでいく。林道にはスキーやモービルの跡と一緒にクマさんの足跡も猿倉へ向かっている。早起きなこって。
そんなことおかまいなしに猿倉荘の前で15分の仮眠をとる。眠すぎた。

7:00 猿倉発
どこに泊まろうか歩きながら考えるつもりで、猿倉台地にしようと速攻決めていた。それ以上は今日は無理。

7:30 猿倉台地テン場
宿泊道具など要らないものをデポして長走沢へ。1回目は追上沢から、2回目はおびなたコルの双子尾根から、今回は長走沢から右へ、直接杓子尾根に乗り上げる。荷物デポしたら随分楽になった。それまではもうやめて引き返そうと何度も思ったのに。

杓子尾根に乗るとトレースがあった。この時期この界隈は賑わいを見せている。2月に来た時は2回とも激ラッセル、そりゃあもうしんどかった。あのラッセルを克服しなければふかふか東壁は滑れないと思うとゲンナリする。ある意味それで延命させられているのかもしれないが。
なんせ今日は過去二回よりルートも短く、時間も短縮、楽?ではないが、憂慮してたより順調にきた。

11:00 JP
少し手前でピッケル、アイゼンに替えた。これで正午までに登頂できそうだ。トレースは先へ続いている。そしてスキーのラインは山頂から尾根をかすめて戻って来ている。
ここから見るに東壁の真ん中を降りるのはどうも厳しそうだ。今年はどこも雪庇の張り出しが大きい。この時点ではABにしようとラインのイメージを作りつつフラフラ歩を進めた。


JP付近より杓子東壁を見上げる


12:00 杓子岳山頂
無風。
まさかここまで届くとは。スタート直後のあきらめムードから7時間、やればできるものだ。いつも前半が山場で、1/3を越えればもう行くしかないモードに切り替わり気持ちは楽なものである。





さっきまで高度を上げることにあんなにヒィヒィしてたのに、広い山頂に出た途端、元気に動き回る。雪庇の先へ。ムムム、山頂直下はやはり完全な崖やな。




BCルンゼへの降り口には足跡が乱れ、少し切り崩した跡が。這いつくばって覗いて見ると、一本ラインが入っていた。尾根上の登りのトレースはおそらく3人。確保しながら1人だけ雪庇の下へ降ろしたのかな?それとも自力で降りられないこともないが、これは怖い。デッドマンはデポ地に置いてきてハナから使う気なし。しかし斜面に降りてしまえば、やはりココはそれ程恐怖心は感じなさそうだ。雪質のせいもあるだろうけど、地形的にジャンプ台のようなアップ形状で全体が見渡せるし、止まれるポイントも多いせいだろう。ただ、パウダーの時期となると命懸けかな、やっぱり。





B尾根から覗き込む 右のBCルンゼにラインあり



もう一つ先の雪庇へ。ここも一人じゃ厳しいが、確保してもらえば降りられそうだ。ちょうどBCルンゼの真上に出れる。パウダーの時、ここからのラインを引くことができれば杓子でもっとも美しいラインになるだろう。

さらに先(南方)へ進むと雪庇の付け根が地面から剥がれそうになって小さな穴が開いている。穴を大きくすれば雪庇の下の斜面に出れそうだ。ピッケルでガツガツやってみる。でも、どうせ怖くていけないのですぐやめた。あとで確認したらここは完全な崖の上だった。

さて、ABルンゼへ戻るかと思いながら視線は反対のCDの方を向いている。CDルンゼの真上は前述の崖だが、その南側を少し下ったところからCDへ繋がる白い斜面が何本かある。2月に尾根から見たときから、あそこは良さそうだなと考えてはいた。しかし、そこへ至る道筋が切り立った岩とガレの尾根の先で、裏側は全くの不明。入り口を探しているうちに進退極まる気配プンプンで補欠候補にもなっていなかった。

見上げると太陽は真上に。そしてこの気温。氷ではなさそうだ。ちょっと探りに行ってみることに。回り込むと裏側への降り口のガリーはすぐに見つかった。誰か来た跡があるが、降りてはいない。ガリーはそのまま杓子沢へ合流していそうなので、エスケープは問題なさそうだ。ABルンゼに未練はなく、迷わずここを降りてみようと決断した。


頂上標に置いてきたザックを取って戻った。慎重に降りる。雪は緩みまくっているが、幸い流れていきそうな気配はない。さて、ここで問題はどこで登り返すかだ。遠くから見た山と実際に立った山では距離感、位置関係が往々にして合わない。登る崖を間違えたら、そこを降りるのは何倍も危険だ。カメラで以前撮った画像を見て後ろの地形やら何やらで当たりを付ける。まあ、行ってみるしかない。ここにしよう。登ってみたら、思ってたのより一つ上の場所に出た。下へ降りるのは際どい。雪は繋がっているのでここから滑り出すことにした。


ドロップポイント



13:30 ドロップ
SONYアクションカムはリモコンの充電が切れていて終了。今回も撮影できず。
狭くアイシーな岩場でかなりビビリながら板を付けてガリガリッとドロップ。よかった、おもったよりは出だし柔らかい。右の緩いとこへ一度逃げてからそのままシュートに突っ込む。雪煙が上がりビックリ、ドラパウです。そのあと1番急なとこはほぼ崖のアイス、トゥーエッジでゴリゴリと下ってCDルンゼに出てあとはブイブイ、BCルンゼからのシュプールと合流して杓子沢をルンルン。樺ノ平へと登り返し、こっからの長走沢がサイコーです。2月はガスの中、雪崩恐怖とデブリ地獄やったけど、今日は長さ、斜度、地形ともにばっちしやね。途中でズッコケてストックが折れて、あーこれでもう今日は泊まらずに帰ろう、満足したし、と内心ホッとしたけど、なんとか修理できてしまったので、デポ地でラーメン食べてツェルト張って宿泊。暖かい夜でした。

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