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Naoto's Blog  ~法廷の合間に~

岡山の弁護士のブログです。
法廷の合間に考えたこと気付いたことを不定期につづっていきます。

私が司法試験を受験していた頃、家族法(親族・相続)の分野は余り試験に出ませんでした。短答式試験で、民法60問中2~3問出るか出ないかといった程度。


ですから、当時の受験生は家族法を詳しくは勉強しませんでした。表面をさらっとなでる程度です。私も正直いうと…、お茶を濁す程度の勉強しかしていません。(^_^;)


もちろん、実務に出れば、離婚、離縁、遺産分割などなど、否が応でも、家族法が日常的に顔を出しますから、その都度勉強するわけです。


条文・判例といった基本的事項や実務的な取扱いなどは随分と詳しくなったつもりですが、やはり理論的なバックボーンをみっちりと勉強できていないことは今なおコンプレックスとなっています。


同じ民法でも財産法の分野と比べて、何となく理解がフワフワとした感じ、というか…。上手く表現ができないのですが、多くの弁護士が同じように感じているところではないでしょうか。


で、この度、(相続法に関してのみですが)少しく勉強しなおすことにしました。テキストは、随分以前に購入したなりになっている伊藤昌司『相続法』(有斐閣、平成14年)。


著者の立場は少数説に位置していますが、それだけに問題意識が鋭く、かえって通説の側の立場もよく理解できるように思われます。


ま、ぼちぼちやるつもりです。



最近、医療法人、社会福祉法人、時には宗教法人のM&Aの相談を受けることが多くなりました。


資本主義社会はすべてのものを取引の対象にしようとします。医療、福祉、宗教といった公益的な分野も例外ではなく、事業再生・事業承継に絡んでM&Aの話が持ち上がります。


相談を受けた際、これら分野のM&A実務書をひもとくわけですが、会計士さん、税理士さんの書かれたものがほとんどですね。


決して悪いわけではないのですが、法律論からしっかりと書かれた文献も欲しいところです。


誰か書いてくれないでしょうか?それとも私が知らないだけか?




法律学は、よく「大人の学問」だと言われます。別名、「パンのための学問」。


理系のような天才性が要求されるわけではなく、円熟した価値判断、穏健妥当な結論を導ける理論が優れているとされています(永遠の真理を求める若者にとってつまらない面を持っているのは否めません。)。


ただ、そのような法律学においても、時折、論者の天才性に戦慄するような場面に遭遇します。


その一つとして、平井宜雄『損害賠償法の理論』(東京大学出版会、昭和46年)を挙げることができるでしょう。間違いなく、我が国の損害賠償理論にとってエポックメイキングな著作です。すべての法分野において読むべき本を一冊だけ挙げるとしたらという質問に、本書を推す法学者も多いのではないでしょうか。


本日は、少し(いや、かなり)マニアックなお話でした…。