はじめに

 四谷大塚の2月1日女子の偏差値表では、渋渋、フェリスまでの6校とそれ以下の学校にギャップが存在しています。偏差値表は偏差値の定義上、上位になるほど疎に、50に近づくほど密になるはずですから、このギャップは奇異に感じられます。また、子供の成績がちょうどこのギャップに位置した場合、上下どちらの学校を受験するかに迷うかもしれません。そこで、昨年度の入試結果から全体的な傾向を概観し、このギャップの背景と対応を考えてみました。


方法

 最初に、女子上位層の受験する学校を以下のように分類しました。最上位の基準は1日校に関しては前述のギャップより上の学校、2日以降については仮に1日に試験をおこなったとしてもギャップより上になる可能性が高い学校を選びました。上位の基準はギャップの下であり、最上位と併願する方が多い学校としました。いずれも、筆者が勝手に分類したもので、コンセンサスがとれているわけではありません。


 最上位
  桜蔭、女子学院、雙葉、早実、フェリス、渋渋
  豊島岡、慶應SFC、青学、白百合、渋幕
  慶應中等部、筑波大附属、お茶の水、学芸大世田谷

 上位
  立教女、横浜雙葉、洗足、横浜共立、吉祥女子
  鴎友、学習院、頌栄、東洋英和、明大明治
  鎌倉女学院、湘南白百合、晃華、学芸大小金井
  学芸大竹早、東邦大東邦、市川、浦和明の星


各校の募集人数、受験人数、合格人数を公開データで調べ、入学人数、辞退人数、不合格人数を以下のように推定します。


  入学人数=募集人数
  辞退人数=合格人数-募集人数
  不合格人数=受験人数-合格人数


なお、共学校で男女共通に募集している学校については、公開されている男女比から女子のみの人数を推計しています。

 
結果

 各グループについて試験日程毎に入学人数、辞退人数、不合格人数の推定値をまとめたのが次のグラフです。



中学受験をサポートしているつもりですが...


 ここでは、赤枠で囲った最上位の1日校を中心に結果を見ていくことにします。入学者は約850人、辞退者は約100人、不合格者は約1650人です。入学者は1日(発表は2日)で受験終了ですが、不合格者と辞退者の合計約1750人はどうなるのでしょうか。実は最上位の2~5日校の入学者約650人、上位の2~5日校の入学者約1100人を合計すると、ちょうど約1750人になります。これらの学校には1日の最上位の不合格者の他に1日の上位の不合格者も入学するはずですが、2つのグループの学力差や千葉、埼玉の1月受験にも400人の入学者がいることを考慮すると、1日の最上位の不合格者には2日以降の最上位+上位に十分な枠が用意されていると考えることができます。

 これまでは、漠然と1日は80%以上の合格圏にある第1志望を受験し、2日は95%以上の第2志望を受験すると考えていましたが、上記の全体像からもう少しいろいろなケースを考えておいたほうがよさそうです。例えば、来年の今頃の偏差値がギャップ領域にあり、上位ならば、80%以上の合格率だが、最上位グループだと50%程度になるという場合、思い切って最上位を受験するというのはありかもしれません。もちろん、本人の志望の強さが前提ですが。
 逆に言うと、このように2日以降に受験するチャンスがあるから、1日校にチャレンジする人が増え、結果として偏差値のギャップが生じるのかもしれません。


補足)
 図の1/14の上位は浦和明の星のみの数字です。一校で、2/1の最上位や上位に匹敵する合格者がでるとは、本当に多くの人が受験するのですね。

 先月の統一テスは組分けと似たような偏差値であり、母集団の違いを考慮すると、出来は悪かったようです。テストからだいぶ時間がたちましたが、算数の解きなおしをフォローしました。


 トライしたのは大問5の内角が120度である六角形の辺の長さに関する問題です。正答率は(1)が32.6%、(2)が14.3%でした。問題用紙には役に立ちそうにない対角線のような補助線が引いてありました。


先生: さて、どうやって解こうか。

生徒: 頂点を結ぶ補助線を引いたんだけど、全然わからない。

先生: そうだね。あまり役にたちそうにないね。図形の問題では何を

     使えばいいのだっけ?塾で習ったよね。

生徒: 補助線、それから、移動、全体から引く、公式を使う...

先生: いろいろ勉強したね。ヒントはここまで。

(しばらく考える)

生徒: 120度っていうのが面倒でわかりにくいんだよね。

先生: そうねえ。他に図形で何を勉強したか思い出してごらん。

生徒: 確か多角形も勉強したよ。内角の和とか、外角の和とか...

先生: ふむふむ。

生徒: あっ。外角が60度だ。外角がでるように補助線を引くと、

     正三角形になる。ここも、正三角形だ。

先生: パチパチ。もうできたね。


サポート付きではありますが、何とか自分の引き出しから解法を見つける練習ができたようです。

6年生になると、120度→60度→正三角形、あるいは、補助線→内部、外部などというのが反射的にでてくるのでしょうか?

日曜午前中に5年下の「計算と一行」でミスしたところを見直し、「ケアレスミスには注意しようね」と念を押してのぞんだ組分けでしたが...暗算ミスから見間違いまで、統計的に十分に有り得る4問ミスでした。


さて、第6回組分けのコース分けの結果を集計してみました。


S

C

B

A

S

68%

10%

0.4%

0.0%

C'

30%

54%

9.9%

0.1%

BA

1.8%

36%

90%

99.9%


 表の見方)

数字は縦にみてきます。例えば、旧Sの列と新Sの行のクロスしたところにある68%は「前回Sだった人の68%が今回もSになった」ことを意味し、いわばS残留率(キープ率)を示しています。また、旧S30%がC’に、1.8%が新BA他に移動したことがわかります。


全体的な傾向は前回とあまりかわりませんが、Sの残留率が若干増加しています。たまには、別の方法、すなわち、横で見るように集計すると次のようになります。



S

C

B

A

S

68%

30%

2%

0.0%

C'

13%

67%

20%

0.0%

BA

0%

10%

42%

46%


この表は新Sのうち68%が旧Sで、30%が旧Cで、2%が旧Bであることを示しています。2つの表で数字が異なるのは、各コースの人数が異なるからです。

 なお、Sコースの女子比率は31.8%(前回32.4%)であり、S1は約1/4と推定されます。

はじめに

 組分けなどでケアレスミスを連発して、目を覆うような点数をとってしまったとき、「習い事、学校行事が忙しかった」、「体調が悪かった」などの言い訳をさがしてしまいます。しまいには、「あなたが2日酔いだったから」、「おまえが珍しく妙なプレッシャーをかけたから」などと罵倒しあい、夫婦喧嘩になることすらあります。そこで、ケアレスミスの連発が本当にこのような特殊要因によるものなのかを統計学的に考えてみました。


考え方
 1時間に特定の交差点を通過する車の台数、1日に受け取る電子メールの件数のように、離散的でランダムに発生する現象はポアソン分布に従うことが知られています(Wikipediaより)。具体例として、ある小説家が平均して英文1ページあたり3個のスペルミスをするとします。この小説家の100ページの作品の各ページのスペルミスの数をカウントしていくと、この分布は理想的にはポアソン分布に従い、下図のようになります。すなわち、実際に2個、あるいは、3個のミスをしているページが最も多く、それぞれ22ページあり、ミス数が平均ミス数から離れるほど、ページ数は減っていきます。

中学受験をサポートしているつもりですが...
平均的なミスの数を変えた場合に、この分布がどのように変化するかを示したものが下図です(縦軸は確率にしてあります)。ポアソン分布にはその平均と分散が等しいという性質があり、平均的なミス数が増加すれば、ばらつきが増えるという傾向があります。

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 ケアレスミスを分析する際、ポアソン分布は離散的なデータを扱うものなので、ケアレスミスの頻度として、ケアレスミス率ではなく、週テスト1回あたりのケアレスミス数を指標とします。組分け、学判は問題数が約2倍ですので、ケアレスミス数を2つに分割(例えば、5→2+3)して週テスト2回分としてカウントしました。週テスト1回あたりケアレスミス数の平均値(5年)は1.53でした。


結果

 下図が実際のケアレスミス数の分布とポアソン分布(平均1.5)を比較したものです。完全に一致しているわけではありませんが、かなり似た分布になっています。すなわち、週テストあたり4個というケアレスミス連発も現状の平均ミス数から統計的には十分あり得るものであり、この程度であれば、特殊要因による突発的なミス連発ではないことが推定されます。

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結論
 週テスト換算で4問程度のケアレスミス連発の原因は特殊な要因ではなく、ポアソン分布から統計的に予測される範囲であった(うちの場合)。従って、本番でのケアレスミス連発を防止するには、地道にケアレスミス率を下げていくのが基本である。


補足
 上記は体調不良などの要因がケアレスミスを多くする可能性を否定しているわけではありません。うちの場合、そのような要因の影響が明確にあらわれないほど、平均ミス率が大きいのかもしれません。
 


 

はじめに

 ケアレスミス低減も、何か目標があると、やる気になるかもしれません。5年になってからのケアレスミスは標準よりも大きいと思われますので、まずは平均を目標にするのが良いと思ったのですが、平均的なケアレスミス率というのはどこにも書かれていません。そこで、かなり強引ですが、この平均的なケアレスミス率を見積もってみました。


方法

 週報で最も簡単な(正答率が高い)問題の誤答率(1-正答率)を計算し、これをケアレスミス率と仮定します。最も簡単な問題を間違える原因はケアレスミスに違いないだろうというわけです。このケアレスミス率を各週テストについて平均したものを平均的なケアレスミス率とします。


結果

 受験したテストコース(必ずしも同じコースではありません)における平均的なケアレスミス率は約5%でした。週テストの問題数は14前後ですから、1回のテスト当たり0.7問のミスになり、3回で2問程度のミスとなります。組分け、学判の問題数は25なので、テスト当たり1.25問のミスになります。ケアレスミス低減の第1目標をざっくりまとめると、


  現状の約半分

  ケアレスミス率、5%

  1回のテストでは1問まで


となりました。