(2)全体の抵抗

 複数の豆電球(抵抗)が接続されている場合、全体の抵抗という考え方をすると便利です。
下図は直列つなぎの場合の例で、電流は配線のどこでも1/2です。破線で囲んだところ、すなわち、直列につながった2つの豆電球をひとつの塊としてみると、その塊の外には1/2の電流が流れていますから、この塊の部分の抵抗はその逆数の2と考えることができます。


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下図は並列つなぎの場合の例で、分岐した部分の電流は1で、電池の付近の電流は2です。破線で囲んだところ、すなわち、並列につながった2つの豆電球をひとつの塊としてみると、その塊の外には2の電流が流れていますから、この塊の部分の抵抗はその逆数の1/2と考えることができます。

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 補足) 
 異なる2つの抵抗Ra、Rbを直列につなげた場合の全体の抵抗Rは3つの基本より、

   RI=RaI+RbI=(Ra+Rb)I → R=Ra+Rb

 すなわち、2つの抵抗の単純な和になります。これは小学生にも直感的にも理解しやすいでしょう。一方、並列につなげた場合のR=RaRb/(Ra+Rb)は小学生には理解しにくいかもしれません。この場合は全体の抵抗ではなく、電流にもどって考えたほうがよいでしょう。


(3)直並列つなぎ

a)タイプ1
並列つなぎで豆電球の数が異なる下図の回路を考えます。


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 ・上の豆電球1個の両端には1の電圧差があるので電流は1になります。
 ・下の豆電球2個の両端にも1の電圧差があります。この部分は普通の豆電球

  の直列つなぎと同じですから、電流は1/2となります。
 ・電池の近くの電流は2つの電流を足して3/2となります。
 ・また、この3つの豆電球全体の抵抗は電池の近くの電流の逆数、すなわち

  2/3となります。


 電流の分岐に着目すると、分岐前に3/2の電流が上(豆電球1個)には1、下(豆電球2個)には1/2に分かれると見ることもできます。すなわち、電流は並列つなぎで、電流が豆電球の数(抵抗)に反比例するような割合(算数の逆比でしょうか?)になるように分岐します。


b)タイプ2
タイプ1にさらに豆電球を追加した下図の回路を考えます。

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 ・豆電球を図の茶色の破線で囲まれた2つの部分に分けます。
 ・左の部分は豆電球1つですから抵抗は1です。
 ・右の部分はタイプ1と同じですから、抵抗は2/3です。
 ・2つの部分は直列につながっているので、全体の抵抗は1+2/3=5/3です。
 ・したがって、電池の付近に流れる電流は逆数の3/5になります。
 ・分岐がないので、左の部分の豆電球に流れる電流も3/5です。
 ・右の部分ではこの電流は前述の逆比の割合で分岐しますので、上側に2/5、下側に1/5

  となります。

 

別解)全体の抵抗を使わず、基本から考えます。
 ・右下の2つの直列つなぎの部分に流れる電流を仮に1とします。
 ・右上は豆電球が1つなので、2の電流が流れます(逆比の関係)。
 ・電池の付近、及び、左の豆電球には合計の3の電流が流れます。
 ・電池の-極の電圧を0とすると、右の並列つなぎの右端の電圧は0、左端の電圧は

  2となります。
 ・左の豆電球の電流は3なので、両端の電圧差は3であり、その結果、左の豆電球の

  左端の電圧は2+3=5となります。
 ・+極の電圧はこの電圧に等しいので、5となります。
 ・電池の電圧差を1にするため、全ての数字を5で割り、各場所での電流が求まります。


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電流の絶対値ではなく、相対的な比較だけする場合はこの別解の途中まででも十分です。




2.応用編


 繰り返しになりますが、電圧の考え方は「おまけ」であり、中学受験で必要なわけではありません。深く理解したい子どもや、教科書の説明で納得していない子どもに、試しに教えてみてもいいかもしれません。ただし、算数の比の単元を理解していることが前提になります。また、電流と電圧は混同しやすいので、中途半端な理解になるようであれば、電圧のことを忘れるようにアドバイスしましょう。


(1)直列と並列

電流と電圧の基本から、ひとことで言えば、


 直列つなぎ:電流が一定で電圧をわけあうつなぎ方
 並列つなぎ:電圧が一定で電流をわけあつつなぎ方


です。予シリのように「豆電球を直列にすると長さが増え、抵抗が増えるので、電流が減る」などと考えても良いですが、ここでは、わざわざ、電流と電圧の基本と対称性により説明します。


(a)豆電球の直列つなぎ

  その1)電圧からの説明
  ・電池の+極の電圧を1、-極の電圧を0とします。
  ・配線で電圧は変わらないので、左の豆電球の左端の電圧は1、
   右の豆電球の右端の電圧は0になります。
  ・左の豆電球の右端、右の豆電球の左端の電圧は同じ配線で
   つながっているので等しくなります。
   2つの豆電球は同じものなので、ここの電圧は1/2になり、
   左右の豆電球の両端の電圧の差は共に1/2となります。
  ・従って、どちらの前電球にも1/2の電流が流れます。
  ・分岐が無いので、電池の付近にも1/2の電流が流れます。

    中学受験をサポートしているつもりですが...  緑(→付き)が電流、下線付きが電圧


  その2)電流からの説明
  ・分岐がないので電流はどこでも等しくなります。この値を仮に1とします。
  ・-極の電圧を0とすると、右の豆電球の右端の電圧も0になります。
  ・右の豆電球の両端の電圧差は、仮の電流が1で抵抗も1なので1になります。
  ・従って、右の豆電球の左端の電圧は1になります。
  ・左の豆電球の右端の電圧はこの1に等しく、左端の電圧は2になります。
  ・電池の+極の電圧は左の豆電球の左端に等しいので2となります。
  ・電池の電圧差本来1なので、全体を2で割って、電圧差が1になるように調整します。
  ・結局、左右の豆電球、及び電池に流れる電流1/2となります。


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  小学生向きにまわりくどく書いていますが、電流からの説明が一般的と思います。
  (中学生であれば、I(R1+R2)=Vから電流を求めます)


(b)豆電球の並列つなぎ

  その1)電圧からの説明
  ・電池の+極の電圧を1、-極の電圧を0とします。
  ・配線で電圧は変わらないので、左の分岐の電圧は1、右の分岐の電圧は0になります。
  ・従って、どちらの豆電球もその両端の電圧差は1になります。
  ・豆電球の抵抗は1なので、豆電球に流れる電流は1になります。
  ・分岐で電流は足されるので、電池の付近での電流は2になります。

 
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  その2)電流からの説明(図は省略)
  ・2つの豆電球は同じですから、同じ電流が流れます。これを仮に1とします。
  ・電池の-極の電圧を0とします。
  ・上(あるいは下)の豆電球の両端の電圧差は、仮の電流が1で抵抗も1なので1になります。
  ・従って、上(あるいは下)の豆電球の左端の電圧は1になります。
  ・電池の+極の電圧は豆電球の左端の電圧と等しく、1となります。
  ・電池の電圧差が1となりましたから、調整は不要で、豆電球に流れる電流は1になります。
  ・分岐で電流は足されるので、電池の付近での電流は2になります。


  並列つなぎは電圧で考えたほうがわかりやすいですね。また、並列つなぎにおいて豆電球は別々に電池につながっていると考えてよいのは電圧が分岐しても変わらないという性質があるからです。


(c)電池の直列つなぎ
 電池に関しては電流で考えるのは遠回りなので、電圧のみで考えます。

  ・右の電池の+極の電圧を1、-極の電圧を0とします。
  ・左の電池の-極は右の電池の+極とつながっているので、その電圧は1となります。
  ・左の電池の+極の電圧は電池の+極と-極の電圧差が1なので、2となります。
  ・配線上で電圧は変わらないので、豆電球の左端の電圧は2、右端の電圧は0となります。
  ・豆電球の両端の電圧差は2なので、電流は2となります。
  ・分岐がないので、各電池の付近でも電流は2となります。

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(d)電池の並列つなぎ
  ・上の電池の+極の電圧を1、-極の電圧を0とします。
  ・2つの電池は+極同士、-極同士がつながっているので、下の電池の+極の電圧は1、

   -極の電圧は0となります。
  ・配線上で電圧は変わらないので、豆電球の左端の電圧は1、右端の電圧は0となります。
  ・豆電球の両端の電圧差は1なので、豆電球に流れる電流は1となります。

  ・電池のところで配線は2本に分岐しているので、各電池の付近での電流は1/2となります。

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(e)豆電球と電池のつなぎ方の組み合わせ
  同様にして、(a)から(d)を組み合わせた回路(予習シリーズ4年下参照)で、各部分での電圧や電流を求めることができます。下の表に(@豆電球、@電池)として電流をまとめました。豆電球の明るさは豆電球に流れる電流を比較すれば良いので、最も明るいのは豆電球が1個(または、豆電球2個並列)で電池2個直列の場合であることがわかります。また、電池の消耗は電池に流れる電流で比較できますので、豆電球2個並列と電池2個直列の組み合わせが最も早く電池が消耗します。

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注:ここで述べた電流の算出では豆電球の抵抗が温度に依存し、この温度が電流が大きくなると上昇することを無視しています。実際に実験すると、電池1個豆電球2個直列の電流は1/2にはなりません。


応用編つづく

はじめに

 夏期講習でほとんど理解していないことが判明したのが電気の単元です。ただし、予習シリーズ4年下ではあまり詳しい説明がされていないので仕方ありません。5年下第4回「豆電球の回路」において、少し複雑な回路も含めて、解説されています。予習シリーズの説明で十分わかりやすいと思うのですが、折角ですから、さらに基礎的なところから理解しておいても良いかと思い、中学教科書レベルの内容も取り入れ、子どもに説明してみました。


1.基本編
(1)電気に関することば

  電流:電気の流れる量
  電圧:電気を流そうとするはたらき
  電気抵抗(抵抗):電気を通しにくくするはたらき
  配線:電気の通り道、抵抗が小さい(小中学校レベルではゼロと仮定)
  回路:電池や豆電球などを配線で結んだもの
  豆電球の明るさ:豆電球に流れる電流が大きいほど明るい
  電池のもち:電池に流れる電流が大きいほど速く消耗する


  補足)
   ・電流を詳しくいうと、電気を持つ粒の「速度」×粒の量です。
   ・電圧は電気の圧力ではありません。予習シリーズでは「電気を流そうとする”力”」

   と書いてありますが、”力”というと”電力”と勘違いされそうなので、”はたらき”としました。
   ・中学の教科書では次のようなイメージが使われています。
     電流・・・川の水の流れ
     電圧・・・水が落ちようとする様子(高さの差)
     豆電球・・水車
    電池、配線、豆電球から構成される回路は水をくみ上げるポンプ、水路、滝+水車に

    例えられることもあります。ただし、あくまでもイメージです。

   ・豆電球の明るさと電池のもちに関しては少々ややこしいので、後で説明します。


(2)電気の基本   

  a)電流の基本
   ・分岐がなければ、電流はどこでも等しい
   ・分岐では、電流の和は一定



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   補足)
    ・電流が湧き出るところはないということです。
    ・川の水の流れのイメージからも理解しやすいところです。


  b)電圧の基本
   ・配線でつながったところの電圧は等しい
   ・電圧は差が重要
   ・電流が流れている抵抗(豆電球)のところで電圧は変わる
   ・電池の+極と-極の間には電圧の差がある



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   補足)
    ・電圧の性質について「予シリ5年下」では詳しい説明はありません。電流と比べて

     とわかりにくく、電流の性質と混同してしまう可能性があるためかもしれません。

     少しハードルは高いですが、電圧を用いた考え方を知っておくと理解は深まるはずです。
    ・配線の抵抗はゼロとしていますから、配線では「電気を流そうとするはたらき=電圧」を

    使わなくても電流は流れます。そのため、配線上ののどこでも電圧は同じ大きさに

    なります。
    ・豆電球では抵抗に逆らって電流を流すことになるため、「電気を流そうとするはたらき

     =電圧」が使われ、電圧が変化します。
    ・そのため、豆電球の両端で電圧が異なることになります。このとき、電圧の値そのもの

    よりも両端の電圧の差が重要になります。
    ・電池とは化学のエネルギーなどにより、+極と-極の間に継続的に電圧の差を生じ

     させることができるものです。ここでも大事なのは電圧の差です。


  c)電圧、電流、抵抗(豆電球)の関係
   ・抵抗(豆電球)に流れる電流は
     抵抗(豆電球)の両端の電圧の差に比例
     抵抗に反比例


   補足)
   ・オームの法則です。予習シリーズにも法則や式としてはでてきませんが、

   電流、電圧、抵抗の関係については説明されています。電流を中心に考えれば、

   ことばの定義から、直感的にも理解されます。
   ・式を変形すれば、豆電球での電圧の変化が電流と抵抗に比例することがわかります。



  以上の3つを基本にすると、最も簡単な回路は次のように説明されます。なお、電気に関する単位は5年下ではでてきませんので、電池ひとつの電圧差を1、豆電球ひとつの抵抗を1とします。


中学受験をサポートしているつもりですが... 緑が電流


 ・電池の両端には電圧差1があります。電圧は差が重要なので、具体的な数字は自由に選べますが、ここでは-極の電圧を0、+極の電圧を1とします。
 ・配線における電圧は一定ですので、豆電球の左端の電圧は1で、豆電球の右端の電圧は0になります。
 ・豆電球の両端の電圧差が1ですので、豆電球には電圧差1に比例して、抵抗1に反比例する電流が流れます。この電流を1とします。
 ・電流は分岐がなければ回路のどこでも一緒なので、この回路のどの部分にも1の電流が流れることになります。
 ・これは電池の+極から豆電球の左端まで1であった電圧が、豆電球において、抵抗と電流の積に比例する値だけ使われて0になって-極に戻ると考えることもできます。
  


応用編(直列、並列、直並列)につづく

久しぶりの組分けが終わりました。

夏休みはほとんど学習面のフォローができず、夏期講習におまかせ状態だったのですが、宿題なども自力で頑張っていたようです。実力相応の結果(難しい問題はできず、ケアレスミスがやや多い)なので、褒めてあげてよいでしょう。ただし、課題(苦手分野、ケアレスミス)に関しては少しサポートしていく必要がありそうです。


さて、第4回組分けのコース分けの結果を集計してみました。



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 表の見方は下記のとおりです。
・横が前回のコース(旧)、縦が今回のコース(新)です。
・例えば、旧Sの列と新Sの行のクロスしたところにある
61%は「前回Sだった人の61%が今回もSになった」ことを
意味し、いわばSの残留率(キープ率)を示しています。
その他の見方は5年第3回組分 けを参照ください。


イレギュラーな時期の実施になったためか、第3回と比較して入れ替わりが5%ほど大きくなっているようです。


概要:

 併願の目安は持ち偏差値とY80の差が6以内


はじめに:
 前回の続きで、進学者平均偏差値とY80の関係より、わかりやすい併願の目安を導出します。


方法:
 四谷資料より、いくつかの学校について80%偏差値(Y80)と進学者平均偏差値の差を2月1日と2日以

降の分けて整理すると下表のようになります。ここで、Y80としては試験回毎の値を用いており、進学

者平均偏差値としては各回の定員で重みをつけた平均値を用いています。例えば、吉祥女子第2回の場

合、Y80は61、各回の平均としての進学者平均偏差値は57.7ですので、差は-3となります。



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結果:
 求めたいのは併願校の目安ですので、1日校を第1志望とした場合を想定し、2日以降の偏差値の差に

着目します。2日以降の場合、Y80と進学者平均偏差値の差は概ね-4、-5に集中しています。代表値とし

て-4を採用すると、併願校の目安は「持ち偏差値とY80の差が6以内」となります。

結論としては巷で言われている目安とあまり変わらないようです。


補足:
 表で2月1日の洗足のY80と進学者平均偏差値の差が同程度の難易度と思われる鴎友、吉祥女子と比較

して大きいことに気づかれると思います。また、香蘭も同様に差が大きくなっています。洗足、香蘭共

に、算国2教科で80%の合格者を決めるという選抜方法を採用していると関連していると考えられますが

それだけでは説明できないようです。