月と音の丘の放送局

月と音の丘の放送局

宝塚歌劇の使用楽曲を紹介しているサイト「月と音の丘の仲間たち」のブログです。
音楽に関することを中心に思ったことを書いていけたらいいなと思います。

こんにちは。
今日は長年気になっていたけどナゾだった曲が判明したのでそのお話。
その曲とは1986年星組「レビュー交響楽」で峰さを理さんが羽根を持った娘役さん達に囲まれて歌う曲(通称羽根扇の場面)
この時代はまだファンになる前ですが、かなり前にWOWOWで放送されたときにこの場面が入ってまして、その時から好きだった曲です。
スカステではこの場面はカットされてるのでしょうか?なんかショー場面がかなりカットされていたと聞いたのでもしかしたらそちらには入ってないかもしれません。

今回判明したのは「ローズ・パリ」と同じくレコードの歌詞カードからです。
先日の成功体験でメルカリをちょくちょく覗いていたところ、峰さんのさよならショーが収録されたレコードが出品されてまして。
歌詞カードの画像もついてたんですよね。
峰さんはさよならショーでもこの曲を歌っていたため、そこから判明したという感じです。
が、今回はそこからすんなり特定とはいきませんでした。

歌詞カードに書かれていたのは以下だったのですが。

Gi Gi L’Amoroso
Michaele Lana & Paul Sebastian
日本語詞 植田紳爾

Dalidaが歌っていることがわかり、Spotifyで早速確認したのですが、どう考えても似ても似つかぬ別の曲だったのです。
作詞作曲はあっているし、劇団誤爆か?と思いながらさらに調べているとこの曲について説明したページで以下の記述を発見。

ちなみに日本で発売されたダリダのDVDではこの曲のディスコ・バージョンである“Gigi Paradisco”を見ることができる。
ただしメロディは全くの別物である(歌詞も違うのかな・・・)。


もしやこっち?とダメもとで調べてみたところ、こちらが正解でした。

Gigi In Paradisco/Dalida
https://recochoku.jp/song/S1003833587/single?ds=1011155764

劇団のクレジット情報が違うことはごくまれですがあります。
別の戦前の上演作品の原曲を調べていた時にクレジットの作曲者が戦後生まれの人になっててどう考えても違うでしょうといったことがありました。
そちらは同じ疑問を持った別の方が正解を調べてHPに載せてくださっていたのでそちらから特定できたんですけどね。

ちなみにこのGigi In Paradiscoですが、1984年花組「ジュテーム」の中詰でも使用されており、こちらはナツメさん(大浦みずき)が歌ってます。
峰さんのは植爺が宝塚独自の歌詞をつけてるけど、ナツメさんのは日本語ですが原曲に近い歌詞になってます。
とりあえず長年のナゾが解けてすっきりしました!

話は変わりますが、私フジテレビの「新しいカギ」という番組でやっている学校かくれんぼが好きで。
かくれんぼがある回は必ず見るようにしているのですが、こうやって原曲探してるとほんとにかくれんぼだなと思う今日この頃。(劇団は隠密か!?)
原曲探しもTwitterだったりSoundHoundだったり歌詞カードだったり歌劇などの刊行物だったりいろんなアプローチで探しているので。
HPをご覧になった方からの情報で判明することもありますし。

たまに探すの大変ですよねと言われるのですが、中の人は趣味でやっていることなので結構楽しんでやってます。
今回のように長年ナゾだった曲が判明した時のスッキリ感が快感です(笑)
昔の作品もこうやってわかる都度のせてますので、時間をおいてみて頂くとHPを覗くと思わぬ曲の原曲がわかるかもしれません。

長くなりましたが、ではまた。
 

宝塚の原曲探しをしていて、一番探す側泣かせな案件。
それは劇団が原曲とは無関係の独自の邦題をつけているケースです。
直近だと花組「アルカンシェル」のプロローグやロケット、パレードで使用された「魅惑のパリ」がこのパターン。
原曲はMistinguettのC'est Vraiですが、C'est Vraiの和訳は「その通りだ」で「魅惑のパリ」とは無関係。

「アルカンシェル」の上演当時、「魅惑のパリ」だけ原曲が特定できず難儀しました。
「魅惑のパリ」で色々調べても全く情報が出てこない。(そりゃ原曲とは無関係のタイトルだから出てこなくて当たり前なのですが・・・)
「アルカンシェル」はル・サンクを持ってますが、そこにも「魅惑のパリ」としか書いておらず、これはもしやオリジナル楽曲なのか?とも思ったり。
結局「アルカンシェル」のライブCDの曲目リストに原曲名が載ってたのでそこでやっと特定できました。
(今はライブCDの曲目リストは時間差でWebで公開されますので・・・)

で、なんでこんな話を書いたかというと、戦前の宝塚の楽曲がこのケースが多いのです。
宝塚のショーはパリのレビューを参考につくられたため、当時ヨーロッパで流行していた楽曲が多く使われたというのはよく知られた話ですが。
「モン・パリ」「サ・セ・パリ」など原曲名そのままで使われているものもありますが、その多くは原曲とは無関係の宝塚独自の邦題がついています。
現在東京公演中の宙組「ル・グラン・エスカリエ」で使用されている戦前の楽曲を見てもこんな感じ。

C-O-N-S-T-A-N-T-I-N-O-P-L-E(おお宝塚)
C'est Une Chemise Rose(花詩集)
Ah! Pourquoi mens-tu?(黒きバラ/黒ばらのタンゴ)

それでもこれらの戦前の曲は何かと使用されることが多い(白井レビューは偉大ですから)ので、大半はブックレットなどから判明してます。
が、一方でその中でずっと特定できずにいた曲がありました。
それが「ローズ・パリ」
直近だと「ピガール狂騒曲」の初舞台ロケットで使用されていた曲です。
作曲者が外国の方で原曲があるのはわかっていたのですが、Rose Parisでいくら調べても情報皆無で長らく「わからない原曲リスト」行きとなってました。
「ピガール狂騒曲」の時は併演の「WELCOME TO TAKARAZUKA」がライブCD発売となったのでアルカンシェルの時のように曲目リストを確認するという手も使えなかったんですよね。

今回判明したのはほんと偶然で。
たまーにですが、メルカリなどの画像に歌詞カードが写りこんでいることがあり、そこから曲名がわかることがあるのでたまに覗いていたのですが。
ある時戦前のトップスター・葦原邦子さんのレコードがメルカリに出品されてたのです。
葦原さんは春日野先生と同期で歌を得意としており、戦後もたびたび宝塚時代の曲をリサイタルを開いて歌っていたらしく、そのレコードでした。
ちょうど先日戦前の作品の原曲を調べた所だったので、何か情報があるかもとみてみると歌詞カードの画像がついています。
「お、これはこれは・・・」と見ていた私、ローズ・パリのところでしばしフリーズ。
そこにはこう書いてありました。

ローズパリ
PARIS,SOLEIL DU MONDE

Rose Parisではないフランス語が書いてあるではないか!
これ、原曲名じゃね・・・?

・・・。

さーがーせー!!!

「天皇の料理番」で周りにザリガニを探せと命じる徳蔵さん状態と化した自分、画像をスクショしたのを確認すると速攻でPCを立ち上げ調査を開始。
果たして、ビンゴ。
Google先生により、以下のYoutubeに辿り着きました。

Paris Soleil du Monde/Alibert
https://www.youtube.com/watch?v=OemZyk0HhX8

やっぱり原曲名はRose Parisではなかった。。。
実はもう1つ、たびたび使用されているけど原曲が特定できていない戦前の楽曲があるんです。
「アルミタ」という曲なんですが。
1982年の愛読者大会では矢代鴻さんが、1992年のTMPでは久世さんが歌ってました。
作曲者はC.Payneと複数の資料に書いてあるので原曲があるのは間違いないのですが、アルミタで調べても情報皆無です。
これも私は「アルミタ」は宝塚独自の曲名で原曲名はアルミタとは全く関係ないものではないかと疑ってます。
何か情報知っている方いましたらご一報ください。

最後に一言。

劇団様、難易度高いからこのケースやめてください!
原曲名がわからんと無理ゲーです。

 

こんばんは。
暑い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

察しのいい方はお気づきのことと思いますが、最近実況レコードの歌詞カード(主に昭和50年代)を複数入手しましてその内容から原曲情報を更新しています。
レコードといえば時代で言えば昭和末期まで、私もファンになる前の時代です。
ボリュームがそこそこあり、今後手の空いた時に調べてあげていく感じになりますのでよろしくお願いします。
昭和50年代の楽曲情報も少しは充実するかと思います。

これで全部解決ですね!・・・そう思った方、ちょっとお待ちください。
そんなに世の中甘くないです。
というのは、レコードによって歌詞カードに書かれている原曲情報がばらばらで、以下の3択であることがわかりました。

①作詞・作曲者も含め原曲情報の記載あり
「ラ・ラ・ファンタシーク」「ザ・ビッグ・アップル」「クレッシェンド!」など。

②作詞・作曲者名はなく、原曲名のみ記載あり(原題ではなくカタカナ・邦題の記載のケースもあり)
「ビューティフル・ピープル」「ボーイ・ミーツ・ガール」「ザ・レビュー」など。

③原曲情報の記載なし
「エコーズ」「Non Non Non」など。

かつ、レコードの歌詞カードの場合、現在のライブCDのように全場面の情報が書かれているわけではないです。
結構ざっくりすっとばされてたりします。
松さんの初演の「夜明けの序曲」など、フィナーレの記載が一切カットされていて衝撃を受けました。
というわけで、原曲情報の書かれていない作品や箇所については今まで通り、地道に調べていくしかありません。
まぁそれでも、「ラ・ラ・ファンタシーク」でツレさんがノーノー歌ってる歌とか、「フル・ビート」の教室の場面でターコさんが歌ってる歌とか、「ハート・ジャック」で大地さんがManiacの前に歌ってる歌など長年ナゾだった曲が複数判明したので前進はしているのですが。

最近HPの知名度があがってきたのか?メールフォームで情報を頂くことが増えており、本日1987年花組「ショー・アップ・ショー」の間奏曲A(ヤンミキがダルマで歌ってる歌)の情報を頂きまして、HPに載せました。
原曲探ししてる人多いんだなぁ、と思う今日この頃です。

最後に最近原曲が判明して驚いた曲を1つ。

Tatouee/Enzo Enzo

1996年月組「プレスティージュ」の「デルニエ・ラムール」の原曲です。
某所に𠮷田優子先生の楽曲と書いてあって、私も長年そう思っていたのですが。
先日宝塚原曲戦前編を公開しましたが、戦前の原曲を調べている過程で偶然見つけました。

この曲大好きだったんですよ~。
聞いた瞬間、銀のスパンコールの衣装で踊ってる久世さん&風花さん@姿月さんの歌声つきが脳内で展開されましたわ。