010500 ABU1750 | ガラパゴス雷魚マンの釣りブログ

ガラパゴス雷魚マンの釣りブログ

雷魚釣りを主軸とした釣りブログです。軸はブレませんが釣りからは程遠い読者置いてけぼりのオナニーショー展開中。


久しぶりにリールネタです。ABU1750。のちに1750Aに名前が変わるリールです。アンバサダーとは呼ばないんですかね?クレストマークはありません。

第一印象は「貧弱だねー」って感じ。カバーゲームは到底無理ですね。ナマズでも掛けてみようかなー。なんて思ってましたが、足場が高い所は御法度かも。


フットナンバーは010500。ABU1750に関しての予備知識が全く無いのでフットナンバーの解析もままならぬ感じではありますが、スムースフットは72年以前、番号の並びが「MM/0Y/XX」だとすると1965年1月製造となりますが、60年代のフットナンバーはちと良く分からないので、もう少し予備知識を入れてから記事にした方がホントは良いのかも。ままま、1960年代のリールなんだと思われます。


追記:ちょっと気持ち悪いので調べました。ABU1750は1964年と1965年のみ。以降はABU1750Aと名称変更され、最終的にはアンバサダー1750Aになって行ったらしい。なのでこれは64年か65年のモデルだって所までは特定。


このリールをバラす事で王道アンバサダーが当時、如何に革新的で偉大なリールだったかを紐解くヒントになるのでは?と言う気持ちとお姉さんに使えば分かるさ。と誘われたので今回の記事となりました。


ここも追記:レコードアンバサダーの誕生が1952年とされているそうです。そうなるとABU1750の誕生はその12年後。系譜を辿るにこれはレコードアンバサダーと同列に語られる物ではなく、ABU1750は1941年にタクシーメーターを製造していた会社がフィッシングリールを初めて作ったレコード1500の系譜を辿った歴史に準えたリールと考えた方がしっくり来る気がします。

アンバサダーの下位モデルなのか?ABUリールのスモールサイズシリーズの位置付けか?レコード1500の正常進化はレコードアンバサダーとは切り離して考えても良いのでは?と思います。


戻ります。部品構成はたったこれだけ。至ってシンプル。ドラグのないダイレクト機構なのとコグホイールがメインギヤと一体化しているのが起因しているものと思われます。雷魚釣りに使われるオールドアブというも「シンプルな構造」なんて言われますが、それとは比べものにならない程にもっとシンプル。魚と闘うツールなんだけど、繊細さすら感じてしまう。


レベルワインダー周り。パイロットガイドの構造は同じながら、スクリューキャップは無く、代わりに脱落防止ネジでパイロットガイドの底を抑える構造。


このレベルワインダーの形状は正にレコードのそれとリンクします。


取り付け状態。ウォームギヤのハウジングはフレームに固定されていて非分解。ウォームシャフトの受けもパーミング側のサイドプレートに固定されています。メンテナンスしにくいです。この辺の構造もレコード1500などと同じです。


ギヤ周り。ギヤ比は3.3:1との事。ウォームギヤを回すのはメインギヤと同軸上に配置された小さいギヤ。メインギヤポストは細く、真ん中のクビレに小さな駒が落ちてハンドルとギヤを切り離す仕組み。デカいハンドルは禁止ですね。曲げてしまいそう。


ポストの一番下にはプラのカラー。次にメインギヤ。


そして駒の入ったシャフトが乗って


ハンドルナットのネジが切られたカラーが上から被ります。


んでその上に入れてないけどハンドルナットが付いてバネを挟んでクラッチボタンがねじ込まれて構成されています。中の駒までバラせば作りがよく分かったかもですが、ちょっとシビアな部品に見えたので今回はバラさず。



サイドプレートを介すとこんな感じ。クラッチボタンを押してクラッチが切れてもメインギヤとピニオンギヤが切り離されるのではなく、ハンドルとメインギヤが切り離される仕組み。なのでキャスト時はハンドルの逆回転は起こらないけれど、メインギヤとピニオンギヤは繋がったまま。当然同軸上にあるレベルワインダーは同期して動きます。



不具合発見。奥に見える三日月型の白い樹脂のパーツはラインクリッカーの切り替えスイッチになっていますが、割れたかすり減ったかでスカスカ。ふとした時に押し込まれてカリカリ言い出します。


実釣に使うに支障をきたすと思われるので輪ゴムでクリッカーが勝手に動かないよう固定。

ココはABU1750のアキレス腱か?樹脂の細いパーツなので壊れた個体は多いのかも。非分解構造なので交換不可。まあ私は輪ゴムで対応。


スプールにはピニオンギヤが固定されており、フリースプールにはならない構造。

こちらも頑張れば分解出来そうですが、クリップが小さいのでやめておきました。当たり前のように装備された遠心力ブレーキですが、レコード1500にはこの機構はまだ無く。



スバングスタスウェーデン。打刻の雰囲気も60年代を感じます。




バラして組んでみて。


アンバサダーではないですね。まま、大きさも違いますが、アンバサダーが堅牢ならばこちらは繊細。


この赤と薄ベージュのコントラスト。リールのアルマイトは赤にしようと決めた60年前のスウェーデンの誰か。この強烈なアイデンティティを纏ったABUのリール。60年後の日本人がコレをニヤニヤして愛でる未来を彼らは想像していただろうか?

ABU1750。これをバラす事でABUの源流が見える位置に立った気持ちになりました。レコード1500と言うワードを何度か打ちましたが、アンバサダーを何台バラしてもレコード1500と言うワードには辿り着かなかった歴史の原点。

見てみたい。レコード1500がどんなリールなのか。そうなるとレコードスポーツ2100、レコード3000フライヤーなんて今まで知りもしなかったモデルへの興味も沸いてくる。

こうなってくると魚を掛けてどうこうはもうどうでも良いなんとも本末転倒な事態になって来てしまうけれど、私のペースでようやく見えたABUの源流。

糸巻きがアンバサダーになるまで。
そこにはフリースプール機構、ドラグシステム、遠心力ブレーキなどなど、様々な技術と経験の積み上げがあって成し遂げられている歴史がある!

そして今日の私はボウズ。

アツいね!色んな意味で(^^)