窓、開けっぱなしで帰るんだよ、

ここの保育園の人達。



そんなもんなのか..?保育園って。



日本でもそうなのだろうか。




理由は、換気の為とか、教室のニオイを籠らせない為とか。





ある日、窓を閉めて帰ったら、翌朝、



スマ "ジャパ子、あんた昨日窓閉めて帰った?"



私 "あれ、開けっぱなしだった?? ごめん"



スマ "違う違う。閉まってたんだけどさ、

        開けといてほしいのよ"





私 "エ?"




てな事があった。




まあ玄関はオートロックで暗証番号を入力しないと入れないが、それなら中は開けっぱなしでもよい、という感覚なのだろう。



とは言え、玄関以外から侵入しようと思えばいくらでも侵入できるが。






本当、色々雑なんだよなぁ。


フム。面白い。



これは私の事である。


はっきり言って、この国のこの保育園で、いわゆる上下関係もないボスに対しての接し方が未だわからない。


しかも、私の保育園のボスは相当変である。


私は基本的に変な人が好きなのだが、このボスの変さは私が好まない方のものだ。



つまり、



- 感情的で、


- 全く自分を省みる事を知らず、


- 他責思考で、


- 弱者を搾取する



そんな変な人である。



まあ普通に考えたら、"性格悪い" という以上に、"ヤバい人" というところだ。




以前、他保育士の事で我慢がならず、堪らなくなり、ボス園長・リリーに不満を伝えた事があった。


(当時、私はこのボス園長・リリーこそが、諸悪の根源だとはまだ気付いていなかった。)



その時、日本には上下関係があり、私はまだこの国の"上下関係がない"環境に慣れていない。それ故に、年上や先輩という存在に対して、自ずと気を遣いがちであると伝えた。


そして、リリーに言われた。


"ジャパ子、ここでは貴方は誰も怖がる必要はないの。


ボス園長の私にだってそう。


私の事も怖がる必要なんてないの。"



と。



だがしかし、ボス園長・リリーにしろ、他の保育士にしろ、とにかく感情的だし、愛想悪い時はとても悪いし(ただ感情に素直なだけ)、言い方もキツいし、私にはやはり時々怖いのである。



まあ彼女達は、本当に"気を遣わない"と言うか、気を遣う事を知らない人達なので、只々、猿やチンパンジーの如く、感情のままに生きているのだ。



ムカつくなら、ムカつく態度。


疲れているなら、疲れた態度。


気に入らないなら、気に入らない態度。


面倒臭いなら、面倒臭い態度。


怠いなら、怠い態度。



相手が誰であれ、只々、感情=態度なのである。




そして、その"感情"には、理性や忍耐の入る隙が殆どない。


うむ。だから本当に猿やチンパンジーみたいなのだ。


只々、感情のままに生きる。


動物であれば、それは普通だ。


しかし、猿やチンパンジーの様な人間は、人間としてどうなのだろうか。






はい。




そして、私はこのボス園長・リリーには、


"ああ。もう完全に都合よく使われてるな"


と思っていた。



しかしそれでも、ボス園長・リリーを信じ(たかった)、私の真面目さを只の利便性だけでなく、少しは認めてくれている面もあるのではないか、と期待していた。




そして、ある出来事をきっかけにその想いは粉砕した。





マジで、ガチでコイツ、私の事を便利ロボットみたいに思っていやがる。




と、痛感した出来事があった。







それ以来、ボス園長だろうが何だろうが、彼女の人間性に心から失望し、救いようのない堕ちた人間だと哀れむようになった。



ありゃァ、相当である。





あのような人間性では、生きていても苦しさだらけだろうと思う。


そして、その苦しさを呼び込んでいるのは己自身であり、しかし自分に非があるとは一生気付かないのである。



だから、いつも不機嫌そうだし、疲れているし、怒り気味だ。





さぁて。それから私はもうボス園長・リリーに何を言われようが、どんな態度を取られようが、もういいわ、と思うようになった。





だから、来週病院の予約があるけれども、それも事後報告。



"こんにちは。リリー。

 来週水曜日に病院の予約があるから、

 早退して14時に帰るね。"




以上。



又は、


"こんにちは。リリー。

 来月しばらく旅行に行くから、

 ●●日から仕事に戻るね。

 疲労やジェットラグがあるからすぐ働けないの。"




以上。





しかしだな。



多分、これがこの国の"普通"なのだ。





"すみませんが.."


"ご迷惑をお掛けしますが.."


"早退したいのですが.."


"よろしいでしょうか?"




不要。




下手に出て、そういう伺いを立てるものなら、搾取されかねない。ボス園長・リリーなら、搾取するだろう。





- たまに病院に行く事 = 当たり前


- よって早退する = 当たり前


- シフト調整が必要になる = 園長の仕事

  = 当たり前




だから、誰も謝らない。

迷惑かけるだなんて微塵も考えつかない。






ここまで心底失望ショックを経て、

やっと私もこの国の "普通" に近づけたようだ。





ここはそういう国。


へぇ。面白い。










日本では、4月〜翌年3月が学校等での一年だが、この国では、9月〜翌年8月である。


という事で、私は無事今年度を終えた。



色々と感無量。


チームや子供達に対してと言うより、

まあ、マジでよく最後まで働いたな、と。


よく耐えたな、と。



凄いわ、ジャパ子!!!


と思っている。



日本にいた頃、さして自分を褒める私ではなかったが、こんな全く文化も言葉も、何もかもが違う中東の国に来て、何もかもが新しく、驚きと発見、困惑と学びでしかなく、そんな中でお金を稼いで生きている自分に、本当に拍手しかない。



私は、"真逆"とも言えるこの国に移住して、よかった、と思っている。


真逆故に難しい事も多い、が、真逆故に何もかもが新しく面白い、とも言える。



人生でこのような経験ができるのは幸せだ。



飯山陽さんが、以前動画で言っていた言葉が今も心に残っている。



何となくの記憶だが、


どこで生きても、貴方次第、という様な事だった。



その国が嫌でも、出て行く選択をする事ができるなら、それは貴方に"自由"がある。


その仕事が嫌でも、辞める選択をする事ができるなら、それは貴方に"自由"がある。



世界には、その"自由"のない国がある。




だから、どこで生きたって、自分次第なのだ。

その"自由"があるならば。



幸いにも、日本にも、この国にも、"自由"がある。





私は、何不自由なく、満足していた日本の生活を手放した。失った。


人生の環境が180°変わった事で、本当に第2の人生を生きている。






さて、保育園の最後の日。


やっぱり保育士達は遅刻してきた。



そして、それから数日後、保育士達のためのパーティの日が設けられていた。




園長クラスの人達が主催で、保育士達と共にパーティで今年度を締め括る、というものだ。


保育園で皆で集まってパーティするのかと思いきや、数日前に詳細が送られて来て、


みんなでプール!とのこと。





マジか。



私は、日本時代、職場の人達と休日に集まるなんて大嫌いで、1回参加したかしないかで、とにかく断ってきた。


職場の人達は好きだった。しかし、まず集団行動が大嫌いだ。わざわざ休日に集まるというのも価値が分からなかった。




そして、まさかこの国でそんな事が、、


あり得て不思議じゃない。



何かとパーティ好きだからな、ここの国の人達。





日本なら500%断っている私だが、この国では、そういう事も何かと参加する様にしている。


なぜなら、私はこの新しい国で、新しい人生を生きているからだ。



日本の経験から苦手そうな事でも、真逆文化のこの国では苦手じゃないかもしれない。



そんな事が多々ある国なので、取り敢えずは気が進まなくても参加するよう試みている。





で、まあ、結果。



まずまず楽しかった。




全員女なのだが、それでも楽しかった。




何つーか、マジでみんな気遣わない。



上司、先輩、同僚、後輩、


そういうのが、ナイ。




ハグして、食べて、飲んで、水遊びして、はしゃいで、踊って、シーシャ吸って、ダラダラして、



ま、家族に近い感覚なんだろうな。





11:00スタートだったのだが、私は少し遅れてしまった。



もう始まってんだろうな〜、と思いつつ、

11:15に到着したら、



園長クラス(主催者達)しかいなかった。







エッ。






メイ "ジャパ子、みんなどこ?"






ヲイ。笑




そうしてその後、まとまった人数が来たのは、



12:40。1時間40分遅れだ。




園長クラスが何から何まで準備してくれて、彼女達を待たせておいて、だ。





ま、かと言って、園長クラスもそれに対して大して怒らないと言うか。


"悲しいよ、アンタ達の為に用意してるのに"


くらいは口にしてるが、まあその程度。



もしくは、


"アンタ達ー!!どこなのよー!!

 用意してやってんのに、何なのよー!!"


と、キレキャラ園長もいるが、



遅刻保育士達 "もーすぐ!もーすぐー!!

                    問題ないよー!アハハ〜!"


キレ園長 "ハァ〜?!許さーん!!"



"アハハ〜"


と、保育士達、そして双方の悪ノリで終わる。




園長含む彼女達の特徴は、


"悪ノリ" である。




これは私の、彼女達の特性、習性を研究する中で辿り着いた大きな気づきである。


私には到底信じられないのだが、彼女達の日常は"悪ノリ"でできているのだ。



悪ノリなのか、冗談なのか、本気なのか、よく分からない中で、彼女達はギャハギャハ笑って生きている。



多分、不真面目故の感性だと思う。



結構真面目な私には、まだまだ理解が追いつかないのだ。




本部長、部長、課長、主催のパーティに、

社員達が1:40遅刻してきてキャハキャハしてる。



日本だと有り得ないだろ、、!





それが普通に有り得る国、私の保育園なのだ。




ふむ。面白い。




マイが、

"あたし、キッチンで朝食(作って)食べてくるわ!"

と言って教室を出て行った。


私 "オッケー。大丈夫だよ"



そして、私は教室内に一人になった。


いつもの事。




だが。


大体いつも15-20分で戻ってくるのだが、今日は30分経っても戻ってこない。


子供達は椅子に登ったり、机に登ったり、ままごとキッチンに登ったり、友達を叩いたり、噛んだり、髪の毛や服を引っ張ったり、押し倒したり、泣いたり、お腹が空いて泣き出したり、


ハッキリ言って、30分間一人って、時になかなか大変である。



 

30分を超えてもどうにもこうにもマイが戻って来る気配がなく、教室のドアをガチャッと開けて、廊下に向かって声を出した。



私 "マイーーー?"


私 "スィフのミルク持って来て貰えるー?"






私 "...........?"




数秒無言のあと、



マイ "........今、今、(戻る)!"



と、キッチンの方から声が返って来た。




30分以上私を放置している事を確信している様子で、珍しく微妙に焦る雰囲気での返事だった。





ごめんごめん、とか謝る事は勿論なく、マイはタカタカと教室に戻って来た。


そして、戻るなり、私にこう言った。



マイ "キッチンでパン焼いてたの!"


私 (ハ?)


マイ "時間かかっちゃって!"


私 (パン焼きに30分、だと?)


マイ "ジャパ子、あんた食べてないんでしょ?!"


私 "うん。まあ珈琲飲んだけどね"


マイ "あんたも食べて来なよ!パン焼いたし!

        ソースも作ったからさ!"


私 "いや、別にお腹空いてな.."


マイ "いいからいいから!食べてきなって!

        ほら早く!食べて来なよ!美味しいから!"


私 "オ、、オッケー。ありがとう"




多少反省の気持ちがあるのか、私に半ば無理矢理時間をくれた。


キッチンに行くと、確かに焼かれたパンと、いかにも中東らしい謎ソースが作られて置かれていた。

あと、ゆで卵も。


そして、ドンもいた。



ドンは友人と電話で話しながら、食べてる。


テーブルを挟んで向かいには、さっきまでマイが座ってたであろう椅子が置かれている。





うん。30分以上、自分たちの朝食を作りながら、二人で楽しく喋りながら食べていたのだろう。




いや、まあ、さあ。


もう分かってんだけどね、この人達の習性は。





そして、私も食べ始めた。


謎の中東ソースが美味しい。



は〜 一服、一服。 




と思ってたら、





"ジャパ子ー?!"






と、廊下の向こうからマイの呼び出し。





エッ。



まだ、キッチンに来て5分くらいなんですけど。





パンを加えたまま教室に戻る。



マイ "あたし、おむつ替え始めるから"

       (=他の子供達見てて)



私 "............おけ"




そして、謎ソースの美味しさについて嬉々として話してくれた。




ふむ。


やはり、マイはマイなのである。



中東は面白い。


12:30-14:30は子供達の昼寝時間。


その2時間で保育士達の休憩を回す。

各自教室を離れての休憩は30分ずつだ。



なんだが。

何度も書いてきている通り、その30分を守るのは私一人くらいなもんで、他の保育士達は1時間近く戻ってこない。


私がもはや文句を言わないし(過去に言ったが彼女達はなおらない)、隙あればサボる習性の人達なのでそんなワケである。



では、私以外の人、つまり現地民はどのようにこう言う場合に対処するかと言うと、



マジで怒る。


感情的に、マシンガンのように怒る。



何回でも、感情的に、声を荒げて、怒る。




私はそういうのが本当に好きじゃない。


かと言って日本では、会社で特に大人しい人でもなかったし、必要があれば自分の意見を述べていた。



まあ、しかしこの国では、デフォルトが違い過ぎるのだ。何か問題(不満)があった時に、"冷静に、淡々と、静かに、理路整然と"、話して解決するような人達ではない。



前にも書いたが、私の友人が、


"この国の人達は、貴方の"優しさ"を"弱さ"と捉え、それを利用する"


と、教えてくれた。



それには続きがあり、こうも言っていた。


"この国の人達は、

   "強く、戦い、勝つ人"だけを尊ぶ"


とな。




そう。私は、この国では、


"弱く、戦わない人"、だ。


だから利用され易い。



もう知ってるぞ。





だがな、私自身は私を弱いとは全く思わない。


寧ろ、ある意味、彼女達より強いと思う。


感情的に、声を荒げてガーガー怒って、相手を黙らせて、"こいつは利用し難いな.."、と思わせる事、それが "勝ち" か?



私は全くもってそうは思わないんだな。



そもそも、勝ち負け、と言うより、心の強さだろう。


つまりは、忍耐、受容力、という事かも知れない。


また、物事を大きく捉える力、だろう。




彼女達は怒りや不満に対する沸点が驚く程低いのだ。私からすりゃ、常に90度くらいで生活している感じだ。


何かありゃ、すぐブクブク沸騰して、ガーガー!!騒ぎ立てる。


まあでもその分、静まるのも超高速だ。

(しかしそれは90度だ)



今怒ってたよね?!


と思ったら、もうその相手と普通に喋ってたりする。




私は、日常で感情的に声を荒げて怒ることなんて、まずない。その代わり、家族に対して不貞腐れる事はたま〜にある。そして、それは10分では治らない。



うむ。


ほぼ正反対なのだ。





文化の違いだ。





私は、


"感情的に激しく、戦い、相手を黙らせる人"、でもなく、


"弱く、戦わず、勝たない人"、でもない。



"強く、戦わずして、勝つ人"、を歩む。




彼女達みたいに、毎日怒りや不平不満にエネルギーを注ぐ事ができない。


それが、人間として美しいとも思わない。




いや〜、あんなに感情的に毎日を生きていたら、疲れるだろう。


現に、彼女達は毎日、疲労を口にしている。




私には信じられない。



疲れてる、頭が痛い、喉が痛い、肩が痛い、お腹が痛い、背中が痛い、腰が痛い、足が痛い、寝られてない、、等々。






いや。それ、何かもう、自分の精神がそれを引き寄せてるでしょ、と心の中で呟く。




常に高温度90度で生きている彼女達なので、楽しむ時も感情的だ。


ポジティブな事にはそれでもいいと思う。




が、何にせよ、感情的に生きれば生きるほど、人生は、都度感情に振り回される事になる。



それは、苦しい生き方だと私は思う。



人間は、感情の生き物であると同時に、いかにその感情を上手く制御して生きてゆくのかが、人生に於いて大事だと思う。






そう。そして、タニは、


朝教室に入ってくるなり、"あたし今日疲れてるの"を連発し、


"仕事キツい"、を絶え間なく口にし、


子供達には、"いい加減にしなさい!"と言い続け、


泣く子供達には、"私の頭が痛くなる!"と文句を言い続け、


昼寝中の子供達がムクッと目が覚めたら、

"寝なさい!あたしが寝たいのよ!

 私が寝てるのよ!"と怒り、


当の本人は、その日休みの子供の寝具を使って昼寝をしている。





12:30-14:30の2時間、タニは寝ていた。


多少、起きてきた子供達の世話はあったにせよ、しっかり寝ていた。



だから私は、教室外での30分休憩を、教室内の昼寝に使ったのだと思っていた。




そしたら、14:30にタニが言った。



タニ "ねぇ、ジャパ子。知ってる?"


私 "ん?"


タニ "あたし、今日休憩取ってないんだよ?"





エッ。





ぐっすり寝てたじゃねーか。




だし、私が教室にいる1時間半のどこかで、いつだってアンタの判断で休憩に出られた筈だ。






と、心の中で思いつつ、




私 "なんで?"


タニ "だって、子供達は起きてくるし、何やらかんやら。あたし疲れてるの!仕事キツいよ!"






ほ。



ほー。






彼女(達)にとっての休憩、とは。




そして、教室外に休憩に出たら、1時間以上戻ってこないタニである。






腹が立つこともあるが、余りに自分と違い過ぎる性格に興味深くもある。





ふむ。変な人。


面白い。












休憩時間、保育士達は皆大体サロンのソファでくつろぐ。


サロンのすぐ傍には、2-3歳児の教室がある。



最近、そのクラスの保育士達が、遂に休憩時間中に教室で過ごさなくなった。


基本は、1-2人の保育士が教室に待機し、休憩を回す。


だがいつの頃からか、子供達がよく寝る子達ばかりだからか、そんなに人数が多くないからか、遂に保育士達全員が、寝ている子供達だけを教室に残して、サロンで休憩し始めるようになった。


ドアを開けている時もあれば、閉めている時もある。


"泣き声が聞こえたら、駆けつければOK"


という事だろう。


本来、教室外で過ごす休憩時間は各自30分だが、保育士達が一斉に教室からいなくなる訳だから、複数人で一緒に長時間休憩を取れる訳だ。



ずっとサロンでベラベラ楽しそうに喋っている。



そうそう。この国の人達は基本的に、"集まって喋る" のがすごく好きだ。


でも日本みたいな"友達グループ"とかそういうのとはまた違って、オープンな感じだ。


とにかく喋るのが好きだ。



静けさを好む私とは違う。



日本にいた頃、私は休憩やランチは一人派だった。ゆっくり静かに穏やかに、自分の時間を過ごすのが好きだからだ。


この保育園で働き出した頃も、最初は一人で過ごしていたが、何だかそれがここでは浮いてる感じがして、今ではサロンで皆と過ごすようになった。


それはそれでいいもんだとも学んだ。



何というか、ここの人達はオープンにベラベラ喋るし、話題が尽きたら無言で各自好きな事をする。


家で家族と過ごしているような感覚だ。


喋っていても無言でも、誰にも気を遣わない人達なので、一緒の空間にいても何だかそんなに疲れないな、と気づいたのであった。




さて。話は戻り。


そう。遂に昼寝中の子供達を教室に放置して、自分達は1,2時間サロンで休憩するのだ。



そして、それを誰も注意しない。

ボス園長リリーでさえ。





まあ、この変な保育園の元凶はボス園長リリーなのだと、私はもうことごとく知っている。







昼寝中の子供達が、泣かなければオッケーなのだろうか?



泣く様な事を未然に防ぐのが、保育士達の仕事ではないだろうか。




とにかく、ここの保育士達は、

"超最小限の労働で、一日を終えたい"のだ。


いかに毎日、働かずに、働くか。




今日も変な保育園である。



面白いと言えなくもないが、

哀しくもある。



もし何かあったら? を考えないのだろう。



何もないだろう。と。





楽観主義と言えるのかも知れない。


ふむ。




ミルク用哺乳瓶は、毎日親に持ち帰ってもらい、毎日持ってきてもらう。


それがルールだ。


家での洗浄、それがどうしたってベストだ。


しかし、1/3くらいの親はそれをしない。

毎日、保育園に置きっぱなしにする。





この保育園を信じているんですか?


本当にそれでいいんですか?

お母さん、お父さん?



と、私は心の中で唱えている。



哺乳瓶を毎日持ち帰る親は、これら↓の理由からだと推測する。


1. 単にまともな感覚。家で洗浄したい。

    それが一番の安全だから。


2. この保育園の闇に何となく気づいている。

    (信頼し切れない)


3. 上記両方




保育園に残された哺乳瓶はどうなっているか?



恐ろしい事に、子供達がミルクを飲んだ後、




"水洗いして、終わり"




だ。




何日も、何日も。それが繰り返される。




私には恐怖でしかない。


最初の頃、どんだけ驚いた事か。



"エ? 



水洗いして終わり?"





"エ..?"




 




しかも、水洗いした哺乳瓶の乾かし方も変なのだ。


私の極普通の感覚からすると、哺乳瓶が乾く様に、水切りラックに、哺乳瓶を逆さにして置く。


そうすれば、容器内の水は下に落ちてゆくし、空気も出入りし、乾いてゆく。



だが、何故か他の保育士達は、


・キッチンテーブルに直に、

・哺乳瓶を逆さにして置く、のだ。



なぜ、数センチ隣にある水切りラックに置かない?



つまり、水は下に落ちるが、水の逃げ場がない。

空気も出入りしない。


どうなるか?


哺乳瓶の内側には、小さな水滴が長時間つく。




エ?


おかしくね??




どう考えても理解に苦しむ。



哺乳瓶の中はずーっと湿ったままだ。

しかも、水洗いしかされてない。


菌🦠が喜ぶ環境でしかない気がする。




こ、この人達はバカなのか??






そんなもんだから、私は時々こっそり哺乳瓶チェックをしている。




・ヌメヌメしている



・クサい(すっぱい系)



・クサい(吐き気を誘う系)



・カビ、、?





こういうのがたまにある。



しかし、他の保育士達はそんな事には1ミリたりとも気づく事なく、それにミルクを入れては子供達に与えている。


そしてまた、水洗いをして、変な乾かし方をする。



いや。


これはもはや、"洗浄"でもなければ、"乾燥"ですらない。


菌を増やしている作業、だろう。




コ、コワイ。




なので、私はヤバい哺乳瓶を見つけたら、食器洗剤とボトルブラシで洗う様にしている。




なぜこんな事が起きているのか?



多分、彼女達は自分の子供や兄弟にはこんな事をしないだろう。


単純に、保育園で他人の子供の為に洗うのが面倒臭いだけなのだ。



また、彼女達の言い分としては、


"哺乳瓶をルール通り持ち帰らない親が悪い。

 私達の仕事じゃない。"


だろう。



ふむ。これはこれで正論だと言える。



"だから、それ以上の事はしない" のだ。



日本のように、サービス提供者側は顧客にいちいち優しくない。


そういう、この国らしさを感じる断片である。




ふむ。恐ろしい保育園だ。



ふむ。。面白い。








チームで動くなら、役割分担があって当然。


チームでなくとも、複数人で動くなら。


そんな事をわざわざ考えた事がない程、役割分担するのが当たり前だと思って生きてきた。


学校でも、仕事でも、イベントでも、家でも。


効率がいいからだ。

そして、誰かに負担が偏るのを防げるからだ。




私がこの国の保育園で働いてきた経験から言うと、基本的に役割分担がナイ。


私は、これが好きじゃない。


サボり癖のある保育士達(殆ど)がサボり易いし、何となく役割が固定化してくるからだ。


それ故、私の仕事は他の保育士達より多くなっている。


・朝時間通りに来る: ジャパ子

・朝の用意: ジャパ子

・朝の水ボトル(子供達の)洗い&水入替: ジャパ子

・昼食後の掃除: ジャパ子

・椅子の出し入れ: ジャパ子

・哺乳瓶洗い: ジャパ子

・子供達に靴を履かす: ジャパ子

・子供達のストック(おむつ,服等)確認: ジャパ子

・閉園時のゴミ捨て: ジャパ子


等々。



フム。


書き出すんじゃなかった。

やはり明らかに私だけがしている作業が多い。



初めの頃は他の保育士達もやっていたように思う。

だけどいつの頃か、彼女達が手を抜き始め、私がいちいち未完了のタスクに気付いてやってしまう故、最終的にはほぼ私の仕事、みたいになってしまった。


不満も大きかったが、今では、まあいいか、と思っている。


諸行無常と、色即是空だ。




そう。


で、"今日は誰が何をやるか?"、なんて、チームで決めたらいい話なのだ。


簡単な事だ。曜日毎に担当を割り当てたらいいだけの話だ。


それをここの保育士達、そしてボス園長リリーもしない。


その割に、自分に負担がある時は、


"私はキッチンの掃除をしたの!大変!"


"私はトイレ掃除をしたの!疲れたわ!"


と声を大きくして言う。



何度かチームで話し合った。どういう風に役割分担をするか、負担が偏らないようにこうしよう、とか。




だが。




3日もすれば、その取り決めは誰からの頭からも消え去る。


覚えているのは私だけ、だ。




な、、、、なぜ?



え? 決めたよね? この前?




そんな感じで、話し合いは何事もなかったかのように瞬く間に消えてゆく。




ここで面白いのは、彼女達が "本気で" 忘れている事だ。


多分、ズルさで忘れたフリをしてる、とかそういうもんでもない。




私は、ドンに何度か言った。


役割表を作ろう。作業が偏って公平じゃないよ、と。




ドンは、何回 "そうだね" とか、"今、ちょうどボス園長リリーとその話をしてるの" とかって答えてくれただろうか。


そして、私はその言葉を信じ、諦め、何ヶ月が経ったのだろう。




まあ、本当に、平均的な日本人には信じられないくらい、彼女達はルーズなのである。



・時間に対して、とてもユルい


・決め事に対して、とてもユルい



これらを、私は言い切れる。



はっきり言って、私には到底信じられないレベルでユルかったり、忘れたりしている。


もしかして記憶に問題があるのか?


と本気で思う事もしばしばあった。




ま、ある種思うのは、日本人ってやっぱり地頭がいいのか?という事だ。


満遍なく色んな事を覚えられる記憶力があるのではないか、と思ったりしている。


それに比べ、彼女達は特定の事は覚えるが、それ以外はパスッと抜け落ちているように思う。



これまた良し悪しはお互い様で。


彼女達の持つ、ラフさ、ユーモア、はそんな所に関係しているとも思う。




いや〜。それにしてもあのユルさは日本では許されない。学生アルバイトでも何だろうが、即クビになるだろう。


そんな人達と働き、不満を抱き・爆発させ、それを遂には乗り越え、心から受け入れられつつあるところまで精神の成長を遂げる私自身を褒める。



何度周囲から "辞めたら?" と言われた事か。



現地の人に聞いたら、私の働く保育園は、

"相当珍しい環境" と言っていた。


この国の普通じゃないらしい。




ハハハ。



私の人生らしいと思う。




大変だけど、だから面白い。


この国に来て驚いたことの一つに、掃除機文化がないこと、がある。


今でもよく覚えている。


ある日、病院の部屋にいた時、


"パシャッ"


と音が聞こえた。


何?? と思って振り返ると、掃除のおばちゃんがバケツから水を、病院の入院患者部屋の床に撒いているのだ。


"パシャッ、パシャッ"


えっ?と思った。


暑い日の外の打ち水の如く。


とにかくお客(患者)がいようといまいと関係なく、パシャパシャと床に水を撒く。



何を始めるのかと思ったら、掃除だった。



1. 床に水を撒く(洗剤入)

2. デッキブラシで擦る

3. 布で水気を取る



これがこの国の掃除の普通なのだ。


と、分かったのはそれから1年後くらいだった。



病院、店、保育園、家、どこもこのやり方が基本だ。



日本で、、確かやならいよな??


家の床に水なんか撒いた事ないぞ。


学校でも、アルバイト先でも、職場でも、、ナイナイ。


ふむ。記憶が、、



1. ほうきで掃く or 掃除機

2. モップ+バケツ(脱水可)


が、一般的じゃなかろうか。



私には水をバシャバシャと床に撒くのが信じられなかった。


"モップを濡らす

 → 絞って水気を切る

 → 床を拭く"


という概念(ツール?)がこの国の掃除にはないようだ。



だから、床は水まみれになる。


ビーチサンダルや、裸足で掃除する人もいる。


水がバシャバシャして足が濡れるからな。



まあ、室内でも靴を履く文化を持つ国は、こういう掃除方法が取られるのかも知れない。



それにしても、ダイナミック。



ああ。想像で例えるなら、


プール掃除や、銭湯の掃除、みたいなものだ。


日本だと元々濡れてる場所でするような感じだ。





場所によっては、床をブラシでゴシゴシした後の汚水をそのまま外に流したり、深めのチリトリに流し込んで排水溝に捨てる、なんてやり方もある。


私の園の保育士達は、排水溝を魔法のブラックホールだと勘違いしているようで、掃除中に水に紛れ込んだゴミや何かも全て排水溝に流している。


もちろん流れない大きさのものもあるが、お構いなしに排水溝の上に蓄積してゆく。


こういうところは本当に不思議だ。


何も考えていないのか、

"いつか私以外の誰かがゴミを取り除くだろう"、と思っているのか。



保育園の教室によっては、子供達の昼寝中に掃除が行われる。


驚くのは、子供達がマットレスで床にズラリズラリと寝ているにも関わらず、パシャパシャと水を撒き、洗剤を撒き、ブラシでガシガシ擦るのだ。


え。子供に水かかってんじゃね?


と思わなくもない。


時には漂白剤を撒いて掃除をする時もある。



エ。危険じゃね?


と思うのは私くらいなのだろう。




今日ナットが教室掃除をしてたが、床に残ってる昼食のかけらとかゴミとかを気にせず、その上に水をパシャパシャ撒いて、布(デッキブラシの布版)でザワワワァ〜と全てを巻き込んでいた。


私なら固形のゴミは水を撒く前に取り除く。


やはりあの汚水(ゴミ入)もどこかの排水溝にザザーッと流されたのだろう。



私にとっては色々が大胆(雑)過ぎて、目が点になる事がしばしば。




そして、やっぱりナットやシマは園児用トイレで用を足しているのだった。




ああもう。面白い。




慣れとは面白くて、私はこの保育園で事あるごとに "え?"、"ハ?"、"ウソでしょ??" と思うことだらけだったのに、何ヶ月も経ってくると "普通" になってくる。


段々と日本人の一般的な感覚を失ってきている、と自分でもやんわり自覚している。




ドンは、私のクラスのリーダーだ。


いつも明るく笑顔で、その場をパアァァ!っと照らす太陽みたいな人。誰からも好かれる人とはこういう人なのだな、と教えてもらえる存在。


全くもって "完璧" な人ではない。


結構大雑把で、時にはルーズとも言える。

だが、そのユルさがまた人に好かれる理由だ。

彼女のユルさには嫌味がないのだ。




以前からドンは急にクラスから消えてはしばらく戻ってこない事がしばしばある。


"リーダーだし、色々やる事があるのだろう"、と特に気にしていなかったのだが、


ある時から分かった。



ドンは、時々クラスから消えて、キッチンで趣味のお菓子作りを始めるのだ。笑




最初は驚いた。


"ジャパ子〜!ケーキ焼いたよ〜!"


と言ってニコニコしながら、クラスに戻ってくる。



園児達の分のおやつ、という訳でもなく、私達保育士仲間達のおやつをキッチンで作っているのだ。笑


もちろん、勤務中。


園長も知っている。食べている。




最初の頃は、"えぇ。。嬉しいけど、それより普通にクラスで仕事手伝ってよ。笑"、と少し思っていた。



まあ、そういうところもドンらしさであり、この保育園らしさである。


色々、自由。




さて、整理する。


・保育士(リーダー)が、勤務中に教室から消えて

・キッチンで趣味のケーキ作りを始める

・ケーキは、保育士達のおやつである



多分、日本ではなかなかないんじゃないだろうか。



まあ、他の保育士達も、朝ご飯や昼ご飯、そんなのも自分達で好きに、園にある食材を自由に使って作っている。


私は園児用のご飯を食べるので十二分に満足している。だから、彼女達がそれを食べずに、自分の食べたい物をわざわざ作るのが私には不思議だ。

私にとったらわざわざ作る方が面倒である。


その間、自分はクラスから離れる訳で、つまり、誰かがクラスで子供達を見ることになるからな。


まあ、彼女達は"お互い様"という感覚だろう。


私は、わざわざ食事を作る気もないし、クラスから自分都合で離脱するのも気が進まないだけだ。





ドンのケーキ。



ハッキリ言って、めちゃくちゃに美味しい。


普通にお店開けるレベル。



お菓子作りが好きで、専門的に習ったらしい。



通りで、めちゃくちゃに美味しい。


味も最高なんだが、それを上回るのが、食感だ。


フワフワ+若干モチっとしていて、本当に美味しい。



ドンは、"雲みたいでしょ♪" と言った。





日本では米/餅文化から、モチモチ食感が好まれる。それ故にお菓子やパンにもモチモチ食感が豊富だ。私もモチモチ食感が大好きな一人である。


しかしこの国に来てからは、まずモチモチ食感とは疎遠になった。



だから、ドンの作るケーキを初めて食べた時、感激した。



"あぁ、モチッだ。。(泣)"




そして、今またキッチンからバナナケーキの甘い香りが漂ってきているのだ。


今日はココナッツ入りだそうだ。




美味い。。

ふむ。やはり変な保育園は面白い。