電気って目には見えないけど、
そこらじゅうに満ちていて
人や物に帯電という形で常に作用しています。

帯電現象を利用する技術の歴史を
過去から現在に至るまで
簡単に説明してくれている記事がありました。

時代毎にブレークスルーがあったようです。
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江戸時代にオランダから渡来したエレキテルは、
帯電体としてガラスを利用した摩擦起電機です。

発明の才があった平賀源内は
エレキテルを初めて模造したことで知られますが、
滑車を利用した簡便なエレキテルを考案して、
さまざまな物理実験を試みたのは、
日本の実験電気学の祖といわれる橋本宗吉です。

当時の人々はエレキテルを
からくり仕掛けの怪異な装置と考えていましたが、
彼はガラス棒を摩擦するだけでも
電気を発生できることを
実験的に示しました。

科学館などに展示されている
バンデグラーフ装置は、
持続的に摩擦電気を発生させる
モータ仕掛けのエレキテルです。

合成樹脂のローラで
特殊なゴムベルトを高速で摩擦させ、
金属球にたえず蓄える仕組みとなっています。


摩擦電気を帯びる物質は電気絶縁体であり、
電界内に置くと電荷分布に偏りが生じて
正負に分極します。

これを誘電分極といい、
誘電分極を起こす物質は誘電体と呼ばれます。



誘電体を2枚の金属板ではさんで電極とし、
直流電源につなぐと、
片方の電極側に正、
もう片方の電極側に負
の電荷が誘起されて
電荷を蓄えることができます。

これがコンデンサ(蓄電器)の原理です。

比誘電率
(真空の誘電率との比で表した物質の誘電率)
の高い誘電体を用いると、
コンデンサが蓄える電荷の量
(静電容量)は大きくなります。

琥珀や雲母、
ガラス、
プラスチックスなどの比誘電率は
10以下にとどまりますが、
酸化チタンでは
約100にも及び、
初期のセラミックコンデンサの誘電体として
使われました。


この酸化チタン系誘電体の改良の過程から、
第2次世界大戦中に
アメリカ・日本・旧ソ連で、
それぞれ独自に発見されたのが、
チタバリと通称される
チタン酸バリウムで、
その比誘電率は
1000~数万にも達します。

組成を変えることで
さまざまな特性をもたせることができ、
フェライトとともに
エレクトロニクス社会を支える
主要な電子セラミック材料となっています。

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仕事では常にお世話になった
コンデンサ、二次電池を
当たり前のように使っていましたけど、
先人のヒラメキや実験の積み重ねがあって
性能や特性が文書化されていて
安心して使えていたことに
今更ながら感謝する次第です。