賞味期限をすぎて古くなったパンやもちなどに、
緑色の斑点がついていて、
「カビが生えた」とくやしい思いを
したことが何度かあります。

正しいカビの知識で、
くやしい思いをしないために、
こんな記事を読んで
対カビ武装してみました。
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●家の中のあらゆるものを栄養にして、
 カビは発生する

カビは、食物にとどまらず、
家中のあからゆる場所に生えます。

押し入れ、
北向きの部屋の壁、
風呂場や洗面台の黒い斑点、
衣類や革靴の白い斑点などはすべてカビです。


カビは、
キノコと同じ「真菌」に分類される生物で、
細長い糸状の形(菌糸)をしています。

この菌糸が枝分かれをしながら
どんどんのびていき、
網目状にからみあって、
私たちの目にもみえるような大きさに
成長していきます。

カビは6万ほどの種類が知られていますが、
室内で問題になるのは十数種類です。


カビは、
見た目に不快な感じをあたえ、
生えた場所を腐敗、劣化させていきます。

さらに、
水虫、日和見感染症、真菌過敏症
(過敏性肺炎、鼻炎、アトピー性皮膚炎など)
といった病気まで引きおこす、
実にやっかいな“よごれ”なのです。


●本、石けん、眼鏡まで食べて、
 冷蔵庫の中でも発生する

カビが成長するためには、
適した温度と湿度、
栄養、酸素が必要です。

最も重要なものは湿度です。

カビはその種類によって、
湿度
90%以上(風呂場、炊事中の台所など)、
80%台(押し入れ、雨降りの玄関の内側、
しめ切った北側の部屋など)、
70%台(寝室など)の
どの条件でよく生えるか?がことなります。

60%以下ではどんなカビも生えません。


カビの発生に適した温度は、
20~30度Cです。

40度C以上になるとほとんど生えなくなり、
60度C以上の環境では短時間で死滅します。

その一方で、
カビは低温には強く、
0度C以下になるまで生えることが可能です。

つまり、
冷蔵庫の中にもカビはいて、
ゆっくりと生えています。

また、
マイナス20度C以下の環境では、
カビは冬眠状態に入り、
暖かくなるとふたたび成長しはじめます。

このため冷凍食品を解凍したら
カビが生えたということが
おこる可能性もあります。

ところで、
カビはどんなものを栄養にして
生きているのでしょう。

実は、
カビが生えているその場所自体が、
カビの栄養となっているのです。

食物はもちろんのこと、
壁紙、木材、ゴム、塗料、繊維、革、
石けんの残りかすなど、
カビはあらゆるものを食べます。

ただし、
栄養とするものは
カビの種類によってことなります。

眼鏡のレンズ、
本などの紙を栄養とするものもおり、
家中のものがカビのえじきになります。


●カビは“バタフライ泳法”の動きで成長する

そもそも部屋に生えているカビは、
いったいどこからやってきたのでしょうか。

カビはもともと、
土壌で生まれる生物です。

土壌1グラムあたりに、
1万~100万個のカビがいるといわれます。

カビは、
成長した菌糸上に、
たくさんの胞子をつけます。

多くの種類の胞子の大きさは
4~10マイクロメートル
(マイクロは100万分の1)です。

この胞子が空気中を飛び、
私たちの体やペットの体について
家の中に持ちこまれます。


家の中に入った胞子は、
家の中のさまざまな場所に落ちます。

このとき、
そのカビの種類にとって
適した温度、湿度、栄養のそろった場所に
落ちた胞子のみが成長できるのです。

ただし、
胞子の寿命は数か月から数年にわたるので、
たとえ落ちたときに、
その場所が生えるのに適した環境でなくても、
寿命がつきる間に適した環境にかわれば、
胞子は発芽します。


ここで、
繊維の上に落ちた胞子が成長するようすを
追ってみましょう。

まず、
胞子はまわりから水分をとってふくらみ、
発芽します。

発芽すると栄養の方に菌糸をのばします。

カビは繊維をとかす物質を分泌して
繊維の中にもぐりこみながら、
とかした繊維を栄養として取りこんでいきます。

こうして、
菌糸は枝分かれしながらのびていき、
繊維は劣化します。

ところで、
カビはこのようにして
菌糸をのばして成長していくときに、
私たちに実に不快な“おまけ”を残します。

それが、
カビの体から発せられる、
「カビくさい」においです。

カビは、
落ちた場所の下に菌糸をのばすといっても、
奥深くまでもぐっていくことはしません。

表面だけにとどまり、
まるで、
水泳のバタフライをするかのような動きをして、
空気中では酸素を取りこみ、
繊維中では栄養を吸収しながら成長していきます。

このため、
カビは発見されやすいです。


やがてカビは、
空気中にのびた菌糸の先端に胞子をつけ、
飛ばしていきます。

こうしてふたたび、
部屋にカビがまき散らされるのです。

たとえば、
アオカビは目でみえる程度に生えると、
1回につき1000万~1億個の胞子を飛ばします。

ちなみに、
赤、黒、緑など、
カビの生えた場所にみられる斑点の色は、
ほとんど胞子の色です。


●押し入れの下にすのこをしくなどの
 細かい換気が重要

私たちの大切な家が、
カビのえじきとならないためには
どんなことをすればよいのでしょう。

カビの発生をおさえるためには
湿度を下げることが重要なポイントです。

部屋の換気はもちろん、
押し入れの下にすのこをしいたり、
家具を壁から少しはなして置いたりして、
湿気がたまりそうな細かい場所の
換気にも気をつけることが大切です。

また、
カビを高温にさらして死滅させるために、
台所や浴室の小物を天日干ししたり、
エタノールや塩素剤など
カビを死滅させるカビ防止スプレーを使ったり、
家を建てるときにカビの発生をふせぐ薬剤を
塗料に塗りこんでおいたりする方法もあります。

カビ対策
・窓を開けたりエアコンをつけたりして
 温度と湿度を調節
・家具は、壁から5cm、床から2cmほど
 はなして置く
・押し入れや下駄箱、流し台の下に
 除湿剤を置く
・掃除機やエアコンのフィルターは
 こまめに掃除する
・衣類や靴はよごれを
 よく落として収納する
・観葉植物は
 あまり室内に入れない
・押し入れの下には
 すのこを置いて収納する
・浴室や台所の小物は
 天日干しをする
・カビの生えそうな場所は
 カビ防止スプレーなどの薬剤で消毒する

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冷蔵庫内でも生きているカビって
なかなか手ごわいです。

カビ防止スプレーって身体に悪そうだし、
湿度を低くするのも喉に悪そうだし、
簡単に対策するのは難しいかも・・・

とりあえず、清潔にして換気しとこうかな。