電子回路設計者として37年間の試行錯誤で得た
様々な経験や出来事を思い出しています。


中国で製品を生産委託するようになってから、
3社の工場に見学に行く機会がありました。

1社は、自社で設計した製品を
生産のみ委託した工場でした。
香港に近い経済特区で、日系資本でしたが、
工場の仕組みは中国寄りでした。




日本ではセル生産と言って、多能工化が主流に
なっていましたが、
中国工場では、長いラインでの流れ作業でした。

工賃が上がるに従って、日本のように多能工化が
進んで行くように思いました。


2社目は、国内他社で設計を依頼した製品で、
生産のみを委託した工場でした。

ここも先ほどの工場と同じく、長いラインでの
流れ作業でした。

日本メーカーが生産委託する工場って、
似たような工場を選ぶことになるようでした。


3社目は、海外メーカーに設計を依頼した製品の
生産を、海外メーカーが委託した工場でした。

ここは先ほどの工場とは全く違いました。
長いラインは無く、自動化された工程で、
人は工程の機械エラーや、段取り替えの時に入る
だけの、自動化工場でした。

海外メーカーが生産委託する工場は、
設備投資を山盛り注ぎ込んで、
人件費を圧縮していました。

働く中国人も、高学歴が多く、
プライドも高い人達でした。


この工場の周囲には、iphonの巨大工場があったり
EU圏、特にドイツ資本の工場も多くあって、
競争が激しかったのかも知れません。


面白かった光景は、
朝の出勤日、iphonの工場正門の直ぐ横に、
朝食の屋台が並び、工員が出勤前に、
ここで朝食を食べていたことでした。

日本ではありえない光景で、ビックリしました。
中国には、外食文化が根付いているようでした。