電子回路設計者として37年間の試行錯誤で得た
様々な経験や出来事を思い出しています。


電子製品は、様々な環境で使われます。

一番環境の良い所は、一般家庭の部屋の中で、
一番環境の悪い所は、宇宙になります。


電子製品の場合も、使われる場所によって、
求められる環境性能が変わります。

一部の電子部品では、
同じ仕様の部品でも耐環境性能に
差があるものがあります。

主な部品として、メモリ、トランジスタ、FET
等の半導体部品があります。




これらの部品には、
価格・性能の高い順に以下のレベルがあります。


宇宙用半導体:(量産製品には不向き)
 放射線耐性強化品

ミリタリー品:(量産製品には不向き)
 軍用規格準拠品

オートモーティブ品:(車メーカー向き)
 車載用規格準拠品

インダストリアル品:(産業製品向き))
 一般仕様品より耐熱性向上品

コマーシャル品:(家庭用品向き)
 一般仕様品


半導体は、ゴムや液体などの寿命が短い部材を
使っていないので、寿命は長いです。

しかし、
微細な構造で作られている為、
小さな不純物の混入で、内部抵抗が増えたり、
構造欠陥が出来たりして特性にバラツキが出ます。

このバラツキは、通常環境で動いているときには
問題ありません。
製品が高温の環境で使われたときに、
異常な動作になってしまう危険があります。


半導体部品の選定には、
製品が使われる環境を考慮する必要があります。

一般家庭や工場で使用される製品の場合、
インダストリアル品や、コマーシャル品を
回路によって使い分けます。


オートモーティブ品や、インダストリアル品は、
コマーシャル品よりも耐環境性能が良いのですが、
注意点もあります。

コマーシャル品よりも、
スイッチングスピードが
速い傾向になる部品が多いので、
エミッション特性が変わります。

コマーシャル品よりも、
電磁放射強度が上がり易くなることに
注意が必要です。