電子回路設計者として37年間の試行錯誤で得た
様々な経験や出来事を思い出しています。


世の中、景気が上向きな時があったり、
下向きな時があります。

上向きな時には、予算を貰いながらも、
直ぐには製品化に繋がらないこともさせて
もらっていました。

景気が下向きになり出すと、
そんなに甘えたことは、
許し難い空気感になります。




売れ筋製品のコストダウン化を進めることになり、
私も絡むことになりました。

私は、得意だったLSI化を担当しました。

製造先を海外へ移動して、製造コストを下げる
ことも同時に進められていました。


LSI自体は、部品単価が高めになるのですが、
LSI化のメリットを最大に出来るように
設計仕様の検討を進めました。

【設計仕様】
・部品点数の多い抵抗、コンデンサを使った
 アナログ回路を、デジタル回路内に置き換える。
・マイコン周辺の標準ロジックICを全て
 LSI内で回路化する。

【効果】
・部品点数が半減し、
 プリント基板の枚数を減らせた。
・調達部品点数が減って、
 工場での部品在庫数量を減らせた。
・工場での組立時間を短縮できた。
・製造ロスが減った。

多くの効果が見込めることなり、
設計を進めました。


国内工場の稼動が減るので、
気持ち的には、お勧めでは無かったのですが、
会社としては、コストダウンが期待通りに
出来ることで、即開始指示の高評価でした。


このコストダウン設計でのキモは、
抵抗、コンデンサを使ったノイズ低減回路を
デジタル回路に置き換える技術でした。




多くのアナログ部品で構成されていた
ノイズキャンセル回路を、
デジタル回路で最適化し、
LSI内で回路化できました。

この回路によって部品点数を半減出来ました。