電子回路設計者として37年間の試行錯誤で得た
様々な経験や出来事を思い出しています。


電子回路の設計を始めたのは、
28歳の頃でした。

初めての設計は、
プリント基板の銅線で、部品同士を接続する
配線図の設計でした。




部品データと配線データを整理して、
電算室にある汎用コンピュータにデータを投入し、
夜間の軽負荷時にプログラムを動かして、
自動的に配線設計を行うものでした。




汎用コンピュータって、夜にしかプログラムを
動かせないので、1日に1回だけ配線設計を
することが出来ました。

定時間内に部品データと配線データを整理して、
帰り際に、端末からプログラムを投入しておき
翌日の朝に設計結果を確認しました。

時々、データに間違いがあり、プログラムが
エラーとなってしまうことがありました。

その時は、1日無駄になってしまいました。


汎用コンピュータは、Basicプログラムを
実行出来ることが分かり、
整理したデータの間違いを
見つけるプログラムを作りました。

そのプログラムで事前チェックすることで、
1日無駄にすることが無くなりました。

注意して整理すれば防げるミスでしたけど、
その後は、1日無駄にしてしまう不安も無く。
気分にも仕事にも、余裕が出来ました。


仕事に余裕が出来たので、
先輩達が残している
回路図などの沢山の資料を眺めながら、

小学生の頃に描いていたロボットの設計図を
思い出していました。

本当に好きな仕事って
特急ツバメの運転手では無く、

ものを作ることだったことを
見つけることが出来ました。