品質管理者として10年間の試行錯誤で得た
様々な活動や分析結果を思い出しています。


作業現場で使われている裏帳簿的な裏手順書を
作業者から取り上げてしまうと、
製品は作れ無くなってしまいます。

どうにかして、裏手順書のノウハウを
正式に発行してある手順書に
盛り込む必要がありました。




チューブファイル100冊以上もある手順書の
全てを見直して、変更するにはパワー不足でした。




既存製品の手順書を変更する手間と、
お客様苦情の撲滅可能性との
費用対効果を考えた結果、

変更するには膨大な手間が必要で、
お客様苦情の撲滅には時間が掛かりすぎました。


いろいろな意見が出ましたが、結果的には、

 類似製品の違い箇所を明示し
 最終出荷状態を画像化した出荷検査手順書

を作成・追加発行することで、

先ず、お客様苦情が増えないよう、
出荷検査を強化しておくこととしました。

これは、
類似製品での間違いが、多発傾向のまま
改善し難い状態のままだったことから、

作業手順書の変更中に起きる
予期せぬトラブルで、
類似製品の間違い出荷を
増加させない為の処置でした。


その後、裏手順書の始末を粛々と進めました。

作業者が使う裏手順書はそのまま使用することで、
工程内のトラブルは起きませんでした。


新規で作成した出荷検査手順書には、
作業者が個人的に書き留めていた注意点を
盛り込みながら作成していたので、

他の作業者が気付いていなかった注意点も
共有できることになりました。


この情報の共有化は、
作業者の中で、思いのほか好評でした。




個人個人でメモっていたことで、
他の作業者が知らなかった注意点等を知れて、
作業者のスキルによってバラバラだった検査精度を
全体で底上げする結果となりました。

また、作業者とのコミュニケーションが増え、
新製品導入時に、作業者目線での意見を
吸い上げやすくなって行きました。

設計担当への生産側意見も、
新製品導入初期から盛り込むことに繋がりました。
新製品の製造品質確保も
レベルアップして行きました。




裏手順書の始末を粛々と
進めることとしていましたが、

新製品の導入もあり、次第に新製品の作業手順書
への改善にシフトして行くこととなりました。

大量にあった既存製品の廃止を、
経営効率化の目的で、
トップ指示により始まった時期にも重なりました。

裏手順書の始末に手をが付ける時間が
なくなってきたのも正直なところでした・・・


ドミノ倒し的に、
裏手順書使用へと向かってしまった悪循環を、
使いやすい作業手順書へと変える為に、
見えないリスクへの対策も必要と思います。

懸念されるリスクの予防策を取っておくことって、
無駄に思えるかも知れませんが、
経験上、大丈夫と思うことに限って何か起きます。

結果的に、お客様苦情が増えなかったとしても、
誰からも評価されない悲しさは残りますけど・・・