品質管理者として10年間の試行錯誤で得た
様々な活動や分析結果を思い出しています。


製品の品質には、製造品質と設計品質があります。




製造品質は、
製品を、設計仕様を満足した状態に作り込み、
その状態が継続することです。

経営者の発言力が強すぎると、
コストダウン圧力が強くなります。

一般的に、製造コストが低くなると、
製品は安くなりますが、材料が粗悪になったり、
検査が緩くなったりしがちです。

その結果、
直ぐに壊れてしまったり、
付属品が不足していたり、
使う側の不満に繋がります。




設計品質は、
製品を使う人が、製品を満足して使え、
安全に使い続けられることです。

安全意識の低い経営者の管理下で、
経験の浅い設計者が製品を設計すると、
製品には危険性が残ります。

普通に使っている場合は、
危険になることはありませんので、

市場で大きな問題になることは稀で、
運が悪かったねと、済まされることになります。




リチウム電池の発火事故が話題に上がりました。

リチウム電池は、
過充電すると発火する可能性が高くなります。

設計者は、過充電防止回路を組んで設計します。

通常、回路部品の1箇所の部品が壊れても
過充電しない回路です。

殆どの場合、
この過充電防止回路を組んだ設計により
リチウム電池が発火することはありません。




しかし、
2箇所の部品が壊れた場合、
過充電防止回路が正しく動作するか?
まで予測した設計にはなっていません。

なので、
2箇所の部品が、たまたま壊れた場合、
リチウム電池が発火する危険性が残ります。

製品の安全度って、
段階があることが分かります。


リチウム電池充電回路の例を見ても
製品の安全性には、

経営者の違い、設計者の違いによって、
差があることが分かります。

この差って、使う側からは見えにくい差に
なっているのが実情です。

ある程度の安全度を見分ける方法があります。

安全認証マークの表示を確認することも
良いかと思います。