品質管理者として10年間の試行錯誤で得た
様々な活動や分析結果を思い出しています。
品質管理を担当することになって、
いっちばん嫌な仕事は、お客様苦情でした。
その他の仕事は、ストレスフリーでした(笑)
社内で怒られるのは受け流すことが出来ますが、
社外で起こられるのは、もの凄いストレスです。
会社全体のイメージを背負うわけですし、
大口顧客の場合は、注文が絡んでいますし・・・
誰もが嫌がる仕事のハズです。
世間でもモンスター・クレーマーの事例が
話題に上がりますが、他人事ではありません。
社内の決まりごとでは、
お客様との窓口対応は営業担当が行うと
決められていました。
軽微な苦情の場合、
営業担当がお客様に簡単なヒアリングを行い、
現品回収 → 工場へ直送 → 現品調査 →
結果報告・処置 → 営業担当からお客様へ報告
の流れで行われます。
モンスター・クレーマーが絡むと、
営業担当がお手上げ → お客様が品質担当へ突電
→ 1時間以上対応 → 多くの資料作成・提出
→ 営業担当はお客様側に立ち、品質担当へ督促
→ 追加資料作成・再提出 → お客様納得
→ 品質担当と営業担当間で大喧嘩
だいたい、こんな感じなることが多いです。
製品を設置した現場へ呼び出されることもあり、
製品を設置したヤ○ザ並みの業者の脅しにあったり
強いメンタルが必須な仕事でした。
そんな辛い思いをしたくないメンタルが弱い私は、
モンスター・クレーマー返しを編み出せないか、
考えました。
モンスター・クレーマーに対して、
普通に使い方が間違っていることを主張しても、
聞く耳を持ちません。逆上されるのがオチです。
そこで、製品の製造履歴データベースを使って、
対象製品の作られた検査履歴を分かりやすく
グラフ化して、見える化した資料を作りました。
その資料を見せながら、製品が正常に生産され
良品だけが出荷されていることを説明しました。
グラフ化手法は、良品が強調されるように
数字のマジックを駆使しましたけど・・・
モンスター・クレーマーって数字に惑わされ易い
傾向があるのか、逆上する燃料が中和するのか
不思議と逆上パワーは弱まりました。
ひょっとして不良品を流出させたか?って言う
一抹の不安に怯えることがなくなり、
お客様との力関係が有利になったと思います。
全部のモンスター・クレーマー事例が、
その方法で収まるわけではないでしょうけど、
品質担当のストレスは確実に減りました。
私のストレスを軽減してくれる
「モンスター・クレーマー返し」
を、数字が編み出してくれました。