品質管理者として10年間の試行錯誤で得た
様々な活動や分析結果を思い出しています。


生産工場内の、物を作る流れの中で、
検査が正しく行えないと、不良品が流出します。

自動検査器で完璧に、検査が可能な部品・製品なら
自動検査器をメンテナンスしていれば

不良品は自動的に排除されるので楽ですし、
人の検査時間を削減することも出来ます。

しかし、
、完璧に検査する自動検査器を作ろうとすると、
とんでもなく高価になります。
ベンツ1台買えるくらい高いです。

なので、人の判定に頼る検査は無くなりません。

検査する人(検査員)には、
正しく判定・処理する能力が不可欠です。
たとえば、

 検査の後、良/否を判定する能力や、
 検査の後、識別したり隔離する手順の知識

です。


人の能力や知識は、その人の経験してきたことや、
性格によって様々で、苦手・得意があります。


検査する為に、最低限必要な能力や知識は、
検査員教育を定期的に行って維持します。

知識の維持なら、教育によって容易に維持できます。

しかし、
検査能力は、人の性格に左右されやすく、
教育によっては維持できませんでした。

 思い込みミス(情報不足)
 うっかりミス(注意力)
 確認ミス(甘くなる)




これらのミスは、教育では改善・維持できません。

検査は、まだまだ人に頼っている状態で、
検査する人の違いで、検査結果に差が出ました。


この問題は、
ミスをし易い人/し難い人を、見える化し、
適材適所で配置を最適化し、作業や検査を
行うことが出来ればクリアできそうです。


先ず、ミスのし易さをキーワードにして、
検査員の性格診断を行いました。

その診断結果は、ミスし易い人/し難い人を
数値で表せるように工夫したものでした。


一番の工夫箇所は、診断結果を偏差値で
表したことでした。

この工夫は、
ミスを起こしやすい検査員集団が見えたり、
どのようなミスが起き易いかが見えたり、
作業や検査を適材適所化する糸口になりました。


診断結果は見易くまとめた上、
各検査員に個別にフィードバックしました。

個別に渡された診断結果には、
注意すべきミスの種類が書かれていました。


検査員が一番注意するべきミスを
予防することにも役立つこととなり、
検査員にとても好評でした。


余談ですが、3年後に全く同じ診断を行いました。
結果は、なんと3年前とほぼ変わりませんでした。

人の性格って、変えられないんですね!!