湯たんぽは使わなくなりました。


今ではスイッチポンのエアコンか
灯油やガスが主流で
わざわざお湯を
沸かすこともなくなりました。

電気がない時代には
水を上手に使いながら
生活していたようです。

水の不思議第2弾です。



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Q君たちがお正月休みに、
いなかのおばあちゃんの所へ
行った時のことです。


おばあちゃんは寝る時お湯を沸かして
湯タンポを作って寝ていました。


「おばあちゃん、
 電気毛布にしたらどう、
 毎晩お湯を沸かす手間がいらないよ」


 とQ君が言うと、
 おばあちゃんは


 電気を抱いて寝るなんて
 恐ろしいこと言わんでおくれ。

 お湯を沸かすことくらい、
 なんのことはないのに」

と笑いました。




でもKちゃんとQ君は、
今度おばあちゃんの誕生日のプレゼントに、
電気毛布をあげよう、
と相談しました。

しかし、
すこし小遣いが足りないので、
お父さんにカンパを頼みました。

お父さんは、

「お父さんが気がつかなかったことを、
 おまえたちで考えてくれてありがとうよ。

 でもお父さんが思うには、
 おばあちゃんは電気毛布なんか
 使わないと思うよ。

 前に羽根ぶとんを買ってあげた時も、

 これだけの羽根をとるには
 たくさんの鳥が死んだんだろう。

 そんな恐ろしいもの、
 私はうれしくないよ、
 と言って喜ばなかったもの。

 やっぱりおばあちゃんには
 使いなれた湯タンポがいいのだよ」


「それよりねお父さん、
 ぼく鉄タンポにしたら
 いいと思うんだけど。

 湯タンポは湿っぽいし、
 第一100℃以上には
 あたためられないでしょう。

 鉄タンポにしたらもっと熱くできて、
 長持ちするんじゃないかなあ」


「おもしろい話になったぞ。

 そのQ君の鉄タンポと、
 おばあちゃんの湯タンポの効用を
 比べてみようではないか。


 水1gが1℃冷えたら
 何カロリーの熱を出すか知ってるか?」


「私知ってる。
 水1gを1℃上げるのに
 必要な熱量を1カロリーと
 きめたんだから、
 出る熱も当然1カロリーよ」


「そうだね。

 ではQ君、
 湯タンポの中に90℃のお湯を
 1kg入れたとして、
 それが体温に近い40℃まで冷えたら、
 何カロリーの熱が出るか計算してごらん」


「えーと、
 1gの水が1℃で1カロリーだから、
 1kgなら1000カロリー。
 温度変化は


 90℃-40℃=50℃

 だから、

 50×1000=50000カロリー


 でしょう」


「そうだね。
 では、
 同じく90℃の鉄のかたまり1kgが
 40℃まで冷えたら、
 どれだけの熱が出ることになる?」


「よし、えーと・・・・・・
 鉄も1℃冷えたら
 1カロリーの熱が出る・・・・・・
 んじゃないよねえ?」


「そうだ。
 物質1gを1℃あたためるに
 必要な熱量を、
 その物質の比熱という。

 さあ、
 この比熱の表〈2-④〉を見てごらん」



「あれ、鉄の比熱は0.108しかないの?

 そうすると

 50×1000×0.108
 =5400カロリー、

 水の10分の1くらいしか
 熱を出さないの?!」


「そういうこと。
 水と同じ熱を出させようとすると
 500℃にも熱しなくてはならん。

 500℃といったら、
 くるんだ布もこげてしまう。


 とても抱いては寝られない」


「そうするとぼくの考えた
 鉄タンポはだめかあ」


「ねえQ、
 この表(液体の比熱)を見ると、
 水より比熱の大きいものというと、
 液体アンモニアしかないわ。

 あの臭いアンモニアで
 とても湯タンポには使えないわね。

 やっぱりおばあちゃんには
 湯タンポが最高なのよ」


「うーん、
 湯タンポって、
 だれが考えたのかたいしたもんだね」


「Q、われわれも湯タンポを抱えて
 暮らしていること知っているかね?」


「え、ぼくらが?」


「あ、わかった。
 海洋性気候のことじゃない?

 海の近くでは、
 冬と夏の気温の差、
 夜と昼の気温の差が小さいって、
 社会科で習ったわ」


「それそれ。

 赤道付近の大陸内部の平均気温は
 34.6℃なのに、
 海上では
 26.1℃。

 極地でも大陸は
 -26.1℃なのに
 海上では
 -8.7℃と、

 大きな差があるという。


 それからソ連のシベリアに
 バイカル湖という大きな湖がある。

 最も深い所は1620mもあるという。

 そのバイカル湖の付近は、
 気温が冬はシベリア地方より
 平均12℃高く、
 そして
 夏は8℃低い、
 という。


 これらも水の比熱が大きくて、
 熱しにくく冷めにくいためだね。


 日本も、
 黒潮という赤道付近から流れてくる
 暖流のおかげで、
 おだやかな気候なのだ」


「じゃ、
 ぼくらは黒潮という湯タンポを
 抱いて寝ている、
 というわけ」


「そうだ。
 これも、
 水の特異な性質のおかげだ」


「でも、
 どうして水は
 そんな特別な性質があるのかなあ」

「それを考えていくのだが、
 今の比熱のことをもう少し。


 上の〈2-④〉の表を見てわかるように、
 ほとんどの物質の比熱は、
 温度とともにわずかだがふえている。

 ところが水の場合、
 この〈2-⑤〉のように
 U字形のグラフになる。



 こうしてみると、
 一見一様に見える水の中に、
 なんらかの構造があって、
 その構造が温度が上がると
 変化するのではないか、
 と考えられるだろう」


「そうだねえ。
 早くその秘密を教えてよ」


「あわてるな、あわてるな」


ということでその夜のお話は
終わりになりました。


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省エネで暖かい「液体暖房」

即暖の「固体燃料」


液体と固体で、
熱の蓄えやすさに差があることを
経験的に理解して
状況によって使い分けていたのは、
昔の人の知恵ですね。

水の構造が温度変化で不思議に変わる仕組みは、

水分子の水素結合の様子が、温度変化によって変化するのですが、微妙な力関係で起きていることが不思議な水の性質が現れているようです。


第3弾は純水と美味しい水の違いです。