「ぼくとロボダッチ」
第一話:宇宙人ロボを買った日
新発売の彼は輝いていた。迷わず購入し、家に帰り速攻で組み立てた。素晴らしい。
興奮冷めやらぬぼくは帰ってきたウルトラマンのレコードをかけ、音が飛ぶことも気にせず座卓に上がってはジャ~ンプ!座卓に上がってはジャ~ンプ!と繰り返した。そんなおかしなテンションになってしまうほど気に入ったのだった。
何度目かのジャンプの後、ボリッと言う音と共に足に激痛が走った。と、同時にすべてを理解した。やってしまった・・・。
そこには今でも修復不能ではないかと思われる程にバラバラになった宇宙人ロボが居た。悲しいやら痛いやらで泣きたいとこだが、さすがに自分のせい以外のなにものでもないので泣くに泣けずただただ落ち込むばかりだった。が、ふと冷静な考えが浮かぶ。買ったばかりのプラモをものの数分でバラバラに壊してしまったのがばれたら怒られてしまう。お気に入りを失った悲しみよりも母親に怒られる恐怖の方が勝ったのだ。お陰で悲しみも痛みも消え去り、無事に証拠隠滅を図り事なきを得たのだった。数日後、再入荷した宇宙人ロボと再会しようやくじっくり眺めることが出来たのでした。
こんなことがあったので、一番思い出深いロボダッチとなりました。
次回、第二話:激闘、つりロボ!に続く・・・の??