無庵日録 (1287) 日本の仏像彫刻に | 無庵日録

無庵日録

 会津八一先生の「学規」を規範としたい。▲ふかくこの生を愛すべし▲かへりみて己を知るべし▲学芸を以って性を養うべし▲日々新面目あるべし

2024/08/30 (金)

 自分史の若い頃に古典音楽・仏像彫刻・絵画・東洋陶磁・等に惹かれた。中でも仏像彫刻との出会いに格別な思いがある。記憶忘れ多いのに出会った天平時代から平安初期(貞観時代)の仏像の全体像も名称も直ぐに浮かんで来る。

 

 最近の新聞で東京博物館で展示されている神護寺の薬師如来像が紹介されていた。この仏像に初めて出会った時、東大寺法華堂の不空羂索観音像に共通する仏像らしい和顔とは違った眼差しと全体像に強く印象付けられた。

 

 自己流に日本の仏像彫刻は、世界でも比類ない造形美術と受けとめている。そんな仏像彫刻との出会いから古建築や寺院庭園にも惹かれて奈良や京都や滋賀へよく出かけた。思い浮かべると直ぐにもその前に佇んでみたい仏像が少なくない。

 

 滋賀の渡岸寺には貞観期の十一面観音菩薩立像には久しく会っていない。融念寺の地蔵菩薩立像は奈良へ行くとその仏像に会いたいために安置中の奈良博物館に寄ったが今では融念寺に帰られている早速訪ねたことがあるが久しくお会いしていない。

 

 室生寺の十一面観音像は当時参加していた古典音楽サークルのIさんの影響でその和顔に強く惹かれてよく出かけた。このように思い出すと八十三歳の自分は、もはやいつ死んでも不思議でない年齢を自覚して出かけたくなる。