無庵日録 (1195) 愛しい老年時代 | 無庵日録

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 会津八一先生の「学規」を規範としたい。▲ふかくこの生を愛すべし▲かへりみて己を知るべし▲学芸を以って性を養うべし▲日々新面目あるべし

2024/05/30 (木)

 七十代後半で先に逝った友人知人が少なくない。しかし自分は八十三歳で一応元気に生きている。かって出会った川柳に老年の思いを受けとめている。「老年を 嘆くな成れぬ 人もいる」

 

 顧みていつ死んでもおかしくない歳に成っているというより、もう死んでいてもよい歳を愛しく思える。家訓に掲げた會津八一「學規」の第一項にある「ふかくこの生を愛すべし」を眺める。

 

 生きるとは喜怒哀楽、元気な時も元気でない時を受けとめながら長生きしたいと思う。老年らしい楽しいことがある、有縁の人と会うことも、好きな読書や好きな音楽を聴くことも。

 

 そんな楽しみを見い出した老年も過ぎてしまえば、きっと思うに違いない「あっという間に過ぎてしまった」と。そんな愛しい老年時代も「日々新面目あるべし」と受けとめたい。