無庵日録 (1086) バッハを聴く心 | 無庵日録

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 会津八一先生の「学規」を規範としたい。▲ふかくこの生を愛すべし▲かへりみて己を知るべし▲学芸を以って性を養うべし▲日々新面目あるべし

2024/02/11

 日々の習慣で書斎で過ごす時間は必ずバッハを聴いている。

今もチェンバロ曲を繰返し聴いている。どれほど繰返し聴いてもなお繰返し聴きたくなる新しさの秘密を垣間見る。

 

 〇 バッハ聴く 日々繰返し 聴き果てぬ

              見果てぬ夢の 心なりけり

 

 昨日、心とは何かを考えていた。動けない植物の心は根にあるが動かざるを得ない人間の心は身体そのものに違いない。バッハの音楽は人間の心である身体が受けとめている。

 

 バッハの音楽は「人間は身体第一」という観方を証明するような感覚がある。身体が健全であればこそバッハの音楽を受けとめ得るように思える。

 

 バッハの演奏会が少ないのは、何度も繰返し聴かなければ受けとめられない人間の根につながっている。バッハの音楽を受けとめるとは人間の心の正常さを覚える。