街道をゆく40台湾紀行。 | ブログ移転→【Place In Taipei 】

ブログ移転→【Place In Taipei 】

中国語、英語に囲まれながら海外生活のこと
読書感想、映画レビュー、旅先のこと、
海外おすすめカフェやバーなど広く浅く語っているブログです。

15年63冊目の本は、ずっとずっと読みたかった司馬遼太郎さんの『街道をゆく40 台湾紀行』

{1D051704-D50C-4459-ADDA-1F7606398131:01}



このシリーズの存在は、もちろん存じ上げていたのですが、

シリーズで読んだのは、今回が初めて!

感想としては、クリーンで考察が多く、文学的な『深夜特急』というところでしょうか。笑

読みたいと思ったのは、李登輝さんが台湾人の悲壮については、司馬さんとの対談で語っているといっていたのをどこかで読んだから。

それがきっかけで読み始めたんですが、すごいです、この本。

台湾の事を、全く知らない人でも、この本を読めば、古代から現代の(この本が書かれたのは1993年なので台湾の高度経済成長期の真っ只中。)台湾史が読めます。

台湾の事を知らない人は、これだけ読めば良いです。

中華民国より前の中国歴史から、孫文、蒋介石、国民党がそのまま台湾へ逃げてきた歴史まで

全てこれ1冊にわかりやすく、詳しく載ってます。

そして台湾に対して、なんともいえない温かい感情や、自然と涙が溢れてきます。

400数ページあるうちの、100ページくらいにフセンをつけてしまうほど、どこの箇所も新しい発見や感動でいっぱいだったのですが、少し引用させていただくと、

「続・李登輝さん」の84ページ、台湾に対する日本の植民地時代に言及した李さんが「植民地に対しては、宗主国というのは、自国のいいところを見せたがります。シンガポールに対する英国もそうでしたし、台湾における日本もそうでした」と語っており、、、

日本統治時代を、台湾では本当にインフラ整備など具体例を用いて評価してくださっているのですが、

それは台湾統治を任された児玉、後藤、新戸部が偉大な方々だったからで、シンガポールにおける日本植民地時代は黒歴史でしかなかったと、、私は別の書籍を読んでからまた植民地について深く考えてしまいました。

まだまだ、引用したい箇所だらけですが、また一つ心に残り、涙が出てしまった箇所。

1980年バブル時代に、司馬さんは台湾紀行をしたそうですが、いわゆる日本語世代のお年寄りが

また70代、日本語が話せる人たちが大勢いる中での台湾で、中国共産党と、日本の「日中国交正常化」に対し、

台湾の昭昭さんが二度も、ゆっくりと司馬さんに尋ねた「日本はなぜ台湾をお捨てになったのですか」という言葉が衝撃で。

日本人なら台湾の事を愛さずには、懐かしいと思わずにはいられない、

そんな気持ちにさせてくれる本です。

日本現代史の教科書には、もっとこういう事をたくさん、書いて欲しかったですね。

とにかく読んだことない方、日本史に興味がある方、台湾に興味のある方には読んでいただきたい本です。

街道をゆく 40 台湾紀行 (朝日文庫)


では♪