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スミスの図書館

情報と文化。正しい認識と知見を得るために本を読み、そして考える。


アゴラ研究所の運営する研究機関GEPRはエネルギーをめぐる、最新の知見を紹介してきました。現在「スマートグリッド」と呼ばれる、情報通信技術と結びついた新しい送電網の構想が注目されています。原発の停止による電力供給の不足の中で、需要に応じた送電を、このシステムによって実施しようとしています。

このスマートグリッドシステムは、エネルギーの使用情報をIT(情報通信)技術によって管理します。これを用いたエネルギーとITの融合によるイノベーションへの期待が高まっています。

エネルギーリサーチャーで、インターテック社代表の新谷隆之氏に「一般家庭への拙速なスマートメーター導入への疑問 ー日本に置けるスマートグリッドの現状」という解説コラムを寄稿いただきました。一般家庭への拙速なスマートメーター導入への懸念
-日本におけるスマートグリッドの現状

GEPR掲載記事

新谷 隆之 インターテックリサーチ株式会社代表

東日本大震災とそれに伴う福島の原発事故の後で、日本ではスマートグリッド、またこれを実現するスマートメーターへの関心が高まっている。この現状を分析し、私見をまとめてみる。

日本におけるスマートメーター、スマートグリッドに対する考え方の変遷

これまでのスマートメーター、スマートグリッドに対する日本政府及び業界の反応は、次の3段階に分けて考えることができる。

【第1段階:~2010年ごろ】

海外でスマートグリッドという言葉がもてはやされているが、日本の電力品質は世界一で、送配電網の自動化も実施済み。スマートグリッドなど不要、あるいは日本の送配電網はすでにスマートグリッド化している。発電予備力も十分あるので、米国で注目されているデマンドレスポンス(電力需要を抑制する仕組み。以降DRと略)は不要である。また、検針員の雇用問題や、検針員が各戸を訪問・検針しない場合の検針結果の通知コストを考えると、スマートメーター化は当面実現困難だ。このような意見が大勢を占めていた。

【第2段階:2011年~昨年3月11日の東日本大震災まで】

特異日(正月やゴールデンウィークなど、電力需要が少なくなる日)では、ベース電源(一定量の電気を安定的に供給する電源)である原子力発電でほとんどの需要を賄えている。この上に、政府が打ち出した2020年2800万kWの太陽光発電(以下、PVと略)大量導入目標が達成されると、特異日には各家庭内のPVが作り出した電気を家庭内で使い切れなくなり、逆潮流(電線をさかのぼって家の外に流れ出す)が発生し、電力系統に悪影響を及ぼす可能性がある。

したがって、日本型スマートグリッドとして何らかの対策が必要である。すなわち、PVの普及に伴って、ベース電源である原子力発電設備を減らすのではなく、大量の逆潮流を起こさないよう、PV側を制御する必要があるという方向に変化した。

一方、スマートメーターに関しては、2010年6月に改定されたエネルギー基本計画において、「費用対効果等を十分考慮しつつ、2020年代の可能な限り早い時期に、原則全ての需要家にスマートメーターの導入を目指す」ことが示された。

このため経済産業省と民間企業や研究者によるスマートメーター制度検討委員会で仕組みが検討された。30分検針値の発信(30分ごとに電力使用量を計測した値を保持し、まとめてデータセンター側に送信する)と遠隔開閉(作業員が出向かなくても、データセンターからスマートメーターに指令を送ることで電力供給開始/停止が行える)の機能に限定することでコンセンサスが得られ、DR機能や住宅向けエネルギー管理システム (HEMS)とのインタフェース検討は先送りとされた。

【第3段階:東日本大震災以降の電力需給の逼迫を背景に】

発電予備力が十分ではなくなってきたので、電力使用情報を「見える化」するだけでなく、ビルや住宅向けのエネルギー管理システムと連携させることにより、ピーク需要削減に貢献するDRを実現するツールとしてのスマートメーターを早期導入する機運が高まった。

その後のスマートメーター、スマートグリッド導入具現化の過程

以上の通り、日本でもスマートメーター、スマートグリッドを推進する流れはできたものの、その具体化のために、これまでに次のような過程を経てきている。
昨年7月、国家戦略室エネルギー・環境会議において決定された「当面のエネルギー需給安定策」では、「スマートメーターの導入促進及びそれを活用した需要家に対するピークカットを促す料金メニューの普及」、「今後5年以内に高圧を含めた総需要の8割をスマートメーター化し、これによりスマートグリッドの早期実現」という方針が発表された。昨年11月、エネルギー・環境会議において「スマートメーターとHEMSとの情報連携に必要なインタフェースの標準化について、今年度中に行う」、「HEMSの導入を促進する」という方針が打ち出された。これを受けて、スマートコミュニティアライアンス(JSCA:官民一体となってスマートコミュニティを推進するため平成22年4に設立された組織)のスマートハウス標準化検討会の下に、HEMSタスクフォースおよびスマートメーター・タスクフォースができスマートメーターとHEMS間のインタフェースの標準を検討。今年2月、HEMSと接続機器およびスマートメーターとの間のインタフェースとしてECHONET-Liteを推奨することを決定した。また、電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議ができ、今年3月に「電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議報告書」がまとめられたが、その中で、「スマートメーターの早期導入に向けて規格の標準化を進めるとともに、効率的な調達の観点からオープンな形で実質的な競争がある入札を行うこと」が提言された。これに呼応して、東京電力は、スマートメーターの本格導入に向けた調達改革の一環として、スマートメーターの計器部分と通信部分のそれぞれについて、現行仕様に対する意見公募を行い、国内外の意見を反映して、仕様の最適化を図る旨をプレスリリースで公開している。そして、3月21日、スマートメーター通信機能基本仕様に関する意見の募集を開始。採用に当たって、スマートメーターが実現する機能に関する前提条件として、以下を提示している。
1.30分検針値(30分ごとの電力使用量)を収集できること。
2.電力会社のデータセンターからスマートメーターの設定・制御ができること。
3.検針員の持つハンディターミナル(使用電力量を計測する装置)を用いた直接検針もできること。
4.スマートハウス標準化検討会で取りまとめられたスマートメーターとHEMSのインタフェース表ジュン(ECHONET-Lite)に準拠し、通信ネットワークはIP(インターネットプロトコル)に準拠、伝送メディ アは920MHz帯特定小電力無線、無線LAN、PLC(電力線通信)の3方式のいずれか(あるいは、その組 み合わせ)であること。
5.通信傍受や「なりすまし」、「データ改ざん」、電波妨害などを排除し、確実なセキュリティー対策を施すこと。
6.運用保守機能として、スマートメーター自らが設備管理情報をセンターに自動送信し、遠隔から通信ネットワークを介して通信ソフトウエアを更新できること。

※このスマートメーター通信機能基本仕様を見る限り、東京電力としては、海外のDRで基本となりつつある自動DR(系統の電力逼迫時に「DRシグナル」を電力会社が送り、需要家側の機器の電力使用を自動的に抑制する仕組み)は考慮されていないことがわかる。
※ また、これに先駆けて東京電力は2月末にスマートメーター導入計画を発表したが、来年秋から家庭を中心に従来型メーターとの交換を始め、2022年度までに大規模オフィスや工場も含む約2700万件の全契約者に導入する計画とのことである。

単にスマートメーターを導入しても、ピーク需要削減や省エネは進まない

ここまで、日本におけるスマートメーター、スマートグリッドに対する考え方の変遷と、今後どのように具体化されそうかを見てきた。

東京電力は、スマートメーターの計器部分と通信部分の仕様をオープンにし、競争入札でスマートメーターの購入価格を1万円以下に抑えたいとしている。しかし、それでも全契約者2700万件にスマートメーターを導入するとなると2700億円。更に、スマートメーターとデータセンター間で検針データなどの授受を行わせるための通信インフラ整備コストが1000億円以上と言われている。

さらに、せっかく導入したスマートメーターを有効利用するには、検針システムの更改だけでなく、料金計算システムや停電管理システム、顧客管理システムなど、システム改変費用も必要になる。ざっと見積もって、2022年までの8年間に4000億円、年平均500億円の投資に見合う成果が期待できるのか、いささか疑問である。

電力供給においては、特定時間に需要が集中すること(ピーク)を抑制するために、負荷率の削減が必要になる。その方策はスマートグリッドを使った場合に「間接負荷制御」と「直接負荷制御」の2つの方向がある。電力会社から電気料金や使用情報などのインセンティブ情報を提供することにより、需要家自らが電気の使い方を抑制することが「間接負荷制制御」だ。一方で、電力会社から需要家の家電機器を直接遠隔操作する「直接負荷制御」という取り組みもある。

最もDRが進んでいる米国でFERC(連邦規制委員会)がまとめた2010年のDR評価報告書(2010 Assessment of Demand Response and Advanced Metering Staff Report)のDRプログラム及び需要家タイプ別ピーク抑制可能電力量比較グラフ(Reported potential peak load reduction by type of program and by customer class P33)が示されている。

時間帯別料金(TOU:Time-of-Use Rate)や、事前通知型の時間帯別料金(CPP:Critical Peak price)などのDR(下図右側のTime-based Programs部分)よりも、直接負荷制御(DLC:Direct Load Control)など(下図左側のIncentive-based DR Programs部分)の方が一般家庭(Residential:下図中で青の部分)のピーク需要削減に貢献すると予想されている。また、それよりも大口需要家(Commercial and Industrial:下図中でオレンジ色の部分)のDRプログラムの方が大きなピーク削減効果があるとみなされていることがわかる。



出典:2010 Assessment of Demand Response and Advanced Metering Staff Report

また、昨年度、関東・関西合わせて900戸を対象としたデマンドレスポンスの実証実験が行われているが、その結果は、下図の通りで、劇的なピーク需要削減結果は得られていない。

※図中、グループ1は時間帯別料金(TOU)でピーク時間帯の単価は2倍。グループ2は 事前通知型の時間帯別料金(CPP)でピーク時間帯の通常単価は2倍、CPP発動日の単価は3倍。グループ3は事前通知型の時間帯別料金(CPP)+エアコン直接制御で単価はグループ2と同じ。グループ5は比較対象のためのグループで、一律料金、見える化のみ。




提言-本格導入前に効果を検証するべき

せっかく盛り上がっているスマートメーター導入機運に水を差すつもりはないが、このままスマートメーター導入に突き進むより、実証実験モニター家庭の選び方、グループの分け方、CPP発動時の単価設定の仕方など、さらに工夫し、かつ、ピーク需要削減目標を立てて実証実験を行い、目標をクリアできるかどうか(自動DRの仕組みを用いなくとも期待した需要削減効果が得られるかどうか)を確認してからスマートメーターの本格導入を考えても遅くはない。

昨年11月、平成23年度経済産業省関連第三次補正予算の一環として、エネルギー管理システム(BEMS・HEMS)導入促進事業費補助金300億円が認可されたが、米国の資料を参考にするなら、現時点では一般家庭へのスマートメーター導入を急ぐよりも、まずは大口需要家の100%スマートメーター化をめざし、エネルギー管理システムとの間で自動DRによるピーク需要削減の仕組みの完成と実展開に予算を集中させた方が良いのではないだろうか?

新谷 隆之(しんたに たかゆき)
エネルギー・リサーチャー。インターテックリサーチ株式会社代表
スマートグリッドを中心に、標準化から最新技術その他、国内外の動向を調査研究、ブログを通じて情報提供活動を続けている。

(アゴラ編集部)
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米国 IBM は2012年4月2日(現地時間)、オランダの電波天文学研究機関 ASTRON と、国際プロジェクト「Square Kilometre Array」(SKA)向けのエクサスケール コンピュータ システムを共同で研究する、と発表した。当初予算は32.9百万ユーロで、5年にわたり行う。ASTRON は主要科学パートナーの一員として SKA 開発に携わっている。

ASTRON と IBM の科学者は、オランダのドレンテに新設された「ASTRON & IBM Center for Exascale Technology」で共同研究を行う。

SKA は、世界最大の高感度電波望遠鏡を建設する国際的なコンソーシアム。2024年に完成予定の望遠鏡は、銀河の進化、暗黒物質、また130億年を超える昔にさかのぼる宇宙の起源に関する研究に使われる。この望遠鏡を運用するには、今日の最速コンピュータ数百万台に匹敵する処理能力が必要になる、と推測されている。

SKA のような次世代の大型科学機器には、既存の最先端技術をはるかに超える容量の高性能コンピューティング アーキテクチャとデータ転送通信リンク容量が必要。オランダとスイスにいる ASTRON と IBM の科学者は、「DOME」と名づけられた当初5年間の共同プロジェクトを立ち上げる。プロジェクト名の DOME は、望遠鏡の保護カバー、そしてスイスの有名な山の名前に由来しているそうだ。

DOME は、オランダ・ドレンテ州およびオランダ経済・農業・イノベーション省からの助成金で実現した。

DOME では、毎日集められる生データすべてを読み込み、蓄積、分析するのに必要な、大規模で効率的なエクサスケール コンピューティング、データ転送、ストレージのプロセス、ストリーミング アナリティックスに関する新たな技術を研究する。
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就職白書2012 Vol.01
アイリスオーヤマ株式会社 倉茂基一さん


■被災後も計画通りの採用を実施。東北から日本を元気にしていく

2011年3月11日の震災では、当社の仙台本社や近郊にある主力工場が被災した上、電力の供給停止による影響も受け、一時的に操業がストップ。が、全国8つの工場と補完し合うことで早期に通常操業に戻れることが予想されましたから、採用の縮小など考えもしませんでした。何より、東北の一企業として、被災地である地元はもちろん、日本全体に元気を与えたいという思いがあったので、いかに早く採用活動を再開し、通常サイクルに戻すかを考えていましたね。

とはいえ、震災直後には電気などの生活インフラや交通機関が止まってしまったため、地元の学生が動くことはままならず、一方で当社の人事担当が東京や大阪に行くこともできない状況に。約1カ月半は採用活動を停止せざるを得ませんでした。それを不安に感じる学生もいると考え、被災から1週間後、電力環境が復旧した時点で、エントリーしていただいたすべての学生に「アイリスオーヤマは被災したけれど大丈夫。選考は順次スタートするので、もう少し待っていてください」という内容のメールを送ることにしました。後日、内定した学生から「本社に電話が通じない状態で不安になりましたが、メールのおかげで安心して待つことができました」と言ってもらえましたね。

採用活動を再開できたのは4月下旬。毎年、宮城県からの応募者数が多いのですが、やはり震災の影響のためか辞退者もいて、離脱率は平年よりも高かった。エントリーする学生の総数も、例年より300名程度減少しました。社員の中にも「両親から東京に帰ってきてほしいと言われた」という者がいたくらいですから、東北の企業で働くことに本人が迷いを感じたり、家族が不安を抱くケースもあったのではないかと思います。しかし、「それでもアイリスオーヤマで働きたい!」という強い思いを抱いている人たちが来てくれた。結果的に、選考を受ける学生たちの意欲は非常に高く、熱意ある人材を採用することができたと感じています。

学生の中には、被災地の企業に対して将来の不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、当社はLED照明事業や幅広い生活用品の商品企画事業など、続々と新たな事業展開をしており、2011年度の売り上げは1000億円を達成、2012年度の事業計画では1350億円の売り上げを目指しています。それにともない、採用数についても2013年卒は大卒のみで100名、そこに高卒、中途採用を合わせてトータル230~240名という、大規模な採用計画を予定。さまざまなピンチをチャンスに変えてきた当社にとって、被災の影響は事業計画や今後の展開においてまったく関係のないものと考えています。

アイリスオーヤマは、かつてオイルショックによる打撃を受け、経営危機に陥ったこともあります。それでもなんとか乗り越えて、新たな事業を展開し、インテリア、園芸、ペット用品の市場において企業ブランドを確立してきました。そして、これらの市場が飽和状態になることも見越し、2010年の時点でLED照明市場に本格参入、現在は業界トップクラスのシェアにまで成長しています。また、2011年からは家電や飲料などの新規事業にも力を入れ、新たな顧客層をつかみつつあります。つまり、当社には「常に変化に対応し、チャレンジしていく企業体質」がもともとあったのです。

これからの時代はグローバルな規模での競争や変化が起こり、多くの企業がその対応に直面するものと予想されます。10年、20年先に会社を取り巻く状況がどうなっているのかは誰にもわからない。当社社長の大山は、「変化をいち早く察知し、変化の先頭を走る」という考えを持っています。「これでいい」と思うことはなく、もっと上を目指していくのが当社のスタイル。今後も新しい事業にチャレンジし、イノベーションを続ける会社でありたい。そして、この考えを共有して一緒に突き進んでいける人材を集めていきたいと考えています。まずはLED照明事業で世界ナンバー1のメーカーを目指し、東北の地から日本全体を元気にしていくことが、私たちの使命です。



■仕事を通じてどう生きたいか。自分の本質を育て、企業を見極めよ

今の時代は、大手企業であっても世の中の変化に対応しきれず経営破綻に陥るケースがめずらしくありません。学生には、企業のブランドや話題性に注目するのではなく、その企業が変化への対応力を持っているか、数十年後にも存続できるのかどうかを見極めてほしいですね。また、多くの企業がグローバル採用に動き出している状況ですが、海外の学生は日本の学生に比べて意欲も能力も高く、何よりハングリーさを持っています。人材採用が完全にグローバル化したら、日本の学生は生き残れないかもしれない。学生の皆さんには、そうした危機感を持ってほしいと感じています。

最も重要なことは、「仕事を通じてどう生きていきたいか」という明確な軸や、自分なりの価値観を持つこと。就職活動は学生と企業のお見合いのようなものですから、そこがブレていたら良い結果にはなりません。当社社長の大山は「面構えを見れば、どう生きてきたかがわかる」とよく言っています。今のうちから目に輝きを持てるような生き方をして、自分の本質を育ててほしいと思います。そうした人物こそが、オフロード(舗装されていない道)を自ら突き進んでいける人材になると考えています。
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 全国の中小企業経営者が自治体首長、学識経験者らとともに脱原発を目指す「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」が2012年3月20日、東京都内で発足した。エネ経会議には北海道から九州・沖縄まで全国9ブロックの経営者387人が集まった。

 「経済人としてエネルギー問題を正面からとらえ、地域で再生可能エネルギーの自給体制の実現を通じ、持続可能な地域社会を目指す」という。既に神奈川県小田原市、富山県南砺市などで自治体と組んだプロジェクトが始動しており、企業経営者と自治体の協働モデルとして具体的な成果が期待されている。

■アドバイザーに河野太郎氏ら

 エネ経会議は、世話役代表を務める鈴木悌介氏(鈴廣かまぼこグループ副社長、小田原箱根商工会議所副会頭)が全国の経営者に呼びかけ、若手を中心に賛同者が結集した。

 経団連など大企業は原発の再稼働を求めているが、鈴木世話役代表は「どんな商売でも、普通に屋外を歩けて、普通に水が飲めて、深呼吸ができるからこそ、おいしいものを食べに行こうとか、新しい服を買いに行こうとか、旅行に行こうとかなるわけで、経済活動の前提条件は世の中が安全、安心であることではないか」と強調。脱原発と再生可能エネルギーの導入促進を訴えた。

 エネ経会議のアドバイザーとしては、国会議員では河野太郎衆院議員(自民党)、浅尾慶一郎衆院議員(みんなの党)、県知事では平井伸治・鳥取県知事、鈴木英敬・三重県知事、阿部守一・長野県知事、市町村長では加藤憲一・神奈川県小田原市長、田中幹夫・富山県南砺市長、桜井勝延・福島県南相馬市長ら6首長、学識経験者ではNPO環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長、NPOガイア・イニシアティブの野中ともよ代表、日本総合研究所の藻谷浩介主席研究員らが参画した。

■小田原市は官民いっしょに取り組む

 アドバイザーのひとり、米倉誠一郎・一橋大教授(イノベーション研究センター長)は「原発は人類が手を染めてはいけないテクノロジーだった。経営者が立ち上がってくれたのはうれしい。もしここで日本が原発を脱することができたら、日本はありとあらゆるイノベーションを世界に売っていけるということだ」とエールを送った。

 神奈川県小田原市の加藤市長は「原発事故で地元名産の足柄茶は出荷できなくなった。原発は安全という触れ込みでエネルギーをふんだんに使ってきたが、天が下した警鐘と受け止めたい」とあいさつ。「官民がいっしょになって再生可能エネルギーに取り組んでいる。様々な資源を活用し、地域のエネルギー自給を実現したい」と述べた。

 小田原市では市民、企業、行政が連携し、小学校の屋上など公共施設に太陽光発電のパネルを設置する取り組みが始まっている。担当者は「事業計画が厳しいものになるのは分かっていたが、どうにもならないものではない」などと述べ、コスト面で課題が多い再生可能エネルギーだが、取り組み方しだいでは採算を含め実用可能性があることが報告された。
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2012年4月2日、新華社によると、中国科学技術部の曹健林(ツァオ・ジエンリン)副部長は、武漢で開催された「全国ハイテク産業発展・産業化工作会」で、中国の鉄道技術はいまだ世界トップクラスの水準にあると述べた。

昨年7月23日に起きた温州高速鉄道衝突事故後、国民からは高速鉄道の技術と安全性に対する大きな疑問の声が上がっているが、曹副部長は「事故発生時の速度は時速約99キロと、高速運転状態ではなく、事故原因と速度に直接の関係はない」として、「中国の高速鉄道技術はいまだ世界トップレベルにある。新中国成立後、工業分野で世界をリードできる数少ない技術であり、優れたイノベーションの成果」と述べた。

中国は高速鉄道技術の海外輸出を模索しており、09年には米国ゼネラル・エレクトリック社と、時速350キロ以上の高速鉄道プロジェクトでの提携覚書を取り交わしている。

現在、数十カ国が中国からの高速鉄道技術導入を求めており、米国、英国、ロシア、ブラジル、中東などと鉄道分野での協力が実施、検討されている。(翻訳・編集/岡本悠馬)

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