父は90才、その年齢なりに老化は進んでいるが一日に三回歯を磨き、決まった時間に運動をし、新聞を隅から隅まで欠かさず読んでいる。 かなりしっかりした90才だと思う。
父は昔から生活に関してこだわると言うか細かいルールを決めていることがいくつかあった。
普通のことかもしれないが、たとえば食事に関してはおかずや刺身など買ってきたものは必ず皿に入れ替えて食卓に並べる。
小皿をたくさん用意して少しづつ色んなおかずを取り分けて食べる。(だから洗い物がすごく多くなる)
毎日夕方六時ころから九時か十時ころまでビールや日本酒とともにゆっくりテレビを見たり母と話しながら食事をするのだ。
そんな父だったのに今では茶碗蒸しの蓋を小皿として使い、コーヒーカップのソーサーだってもちろん普通の皿として使っている。
毎日朝食後に必ず緑茶を入れて飲むのだが、湯飲み茶わんもどこにいっちゃったのかわからないようでエスプレッソ用の小さい小さーいコーヒーカップ(そもそもなんでこんなのが実家にあるのか不明)で緑茶を飲んでいる父を見てさすがに悲しくなってしまった。
札幌に行って湯飲み茶わんや、よくビジネスホテルのバイキングの時に使う一枚の大き目の皿に仕切りがあるものなどを購入した。 (洗い物を少しでも減らしたいので)
プラスチックだとバイキング感があるが一応陶器なので大丈夫かなと思ったけど案の定、寮の皿みたいだと文句を言う。
エスプレッソのカップで緑茶を飲んでる父がこの皿で文句を言うとは思わなかった。
やっぱり何か父なりの基準があるのだろうか。 いや 無いな。