免疫力を高める健康法
ホメオパシーとは
Contents
◆ホメオパシーとは
◆レメディー
◆ポーテンタイゼーション(レメディーができる工程)
◆ポーテンシー
◆プル―ビング(実証)
◆マテリアメディカ、レパートリー
◆自然治癒力①
◆自然治癒力②
◆ホメオパシーとアロパシー
◆マヤズム
◆バイタルフォース
◆病気とは(急性病と慢性病)
◆病気の原因
◆好転反応
◆大切なこと(身体の声に耳を傾ける)
◆ホメオパシーとは
ホメオパシーとは、今から約200年前、ドイツの医師であるサミュエル・ハーネマンが完成させた自然療法です。
「ある症状を起こさせるものは、その症状を取り去るものになる」という『同種の法則』を根本原理としています。
日本にも古くから、喉が痛いときに喉がヒリヒリするしょうが湯を飲んだり、熱が出たとき布団をたくさんかけて体を暖めたりといった民間療法がありますが、これも同種の法則の一つです。
ホメオパシーでは、レメディーという砂糖玉(または液体)を使い、それをとることで、自然治癒力を刺激し、自らの力で治癒へと導きます。
たとえば、カンサリスというレメディーがあります。カンサリスは、英語ではブリスタービートルといいます(日本語ではスペイン蠅)。ブリスターとは水膨れという意味ですが、触れるとヒリヒリした炎症と水膨れを起こします。
ホメオパシーは同種の法則ですから、火傷や日焼けなど、ヒリヒリと赤く炎症を起こしているようなとき、このカンサリスというレメディーをとれば、ヒリヒリした痛みは速やかに消え、水膨れになるのも予防してくれます。
◆レメディー
レメディーとは治癒システムを起動させるスイッチのようなもので、通常、小さな砂糖玉のカタチをしていて、口に含んで使います。
植物、動物、鉱物など、地球上に存在するあらゆるものを原料として、それを、ポーテンタイゼーションという独特な方法で高度に希釈したものでつくられています。
高度に希釈してありますので、原物質はほとんど存在しておらず、たとえ原物質が毒物だったとしても、安全で、副作用がなく、赤ちゃんからお年寄りまで、また、植物や動物にも安心してつかうことができます。
電磁波や太陽光線、月の光、プリズムでできた虹色など、非物質のレメディーなどもあり、レメディーの種類は数千種類にのぼります。
◆ポーテンタイゼーション(レメディーができる工程)
ポーテンタイゼーションとは、「薄めて叩く」を繰り返すことをいいます。
新鮮な材料をアルコールに浸し、それをろ過した液体をもとにして、そこから1滴を取り出し、そこに99滴の水を加えて数回叩きます。これで100倍希釈です。
「命」という漢字には「叩く」という文字が含まれていますが、この工程を繰り返すことで、文字通り「命」が吹き込まれるわけです。別の言い方をすれば、水に原物質の情報を「記憶」させるのです。
一般によく使われる30Cというポーテンシーを例にとると、Cは100倍希釈を意味する記号なので、先ほどの工程を30回繰り返したことになります。それがどのくらい薄められているのかというと、10の60乗倍、つまりたった一滴が、
100000000000000000000000000000000000000000000000000000000000倍にまで薄められているということです。
これはよく「銀河系に涙の一滴を溶かした状態」にたとえられます。
◆ポーテンシー
ポーテンシーとはレメディーのはたらきの強さ(深さ)を表す単位のことです。
通常使われるもので、希釈レベルが低い順に、6C、30C、200Cなどのポーテンシーがあります。
一般に、ポーテンシーの低いものはより肉体に、高いものはより精神に作用しやすいと言われています。
真ん中の30Cのポーテンシーは、肉体、精神、どの領域にも作用するオールマイティーのレメディーとして使い道の幅が広いものです。
◆プルービング(実証)
健康な人に特殊な方法でレメディーを与えて、その人に現れた、精神的、身体的症状を記録することをいいます。
一つのレメディーに対して、たくさんの人でプルービングを行います。
『同種の法則』ですから、どんな症状が出たかによって、どんな症状に効果があるかが分かるわけです。
◆マテリアメディカ、レパートリー
プルービングで出た症状を詳しく書き取り、それを集めたものが、マテリアメディカです。
マテリアメディカでは、そのレメディーがどんな症状に適しているのかを知ることができます。
また、それを症状別にまとめたものが、レパートリーです。
レパートリーは、症状から適切なレメディーを探すために使います。
◆自然治癒力(自己治癒力)①
自然治癒力とは、異変を認識し治癒しようと自然にはたらく体の仕組みのことです。
発熱や発疹、鼻水や痰などの分泌物なども、体を本来の健康な状態へ戻そうとするために治癒力がはたらいて現れる自然な現象です。
症状が出るということは自然治癒力がはたらいていますよという証拠であり、体内の滞りを溶かしゴミを外へ出してくれるわけですから、「症状はありがたいもの」だと言うことができます。
◆自然治癒力(自己治癒力)②
今から500年ほど前のヨーロッパに、パラケルススという錬金術師がいました。パラケルススは医師でもありましたが、自己治癒力のことを「治癒の達人」として、次のような言葉を残しています。
「われわれが外側から体内へと注ぎ込めるような治療薬や治療力というものは存在しない。
治療できるのはただ一つ。それは、われわれのなかにいる想像もつかないほど練達の、そして限りなく有能な治癒の達人である。
その達人はあらゆるものを治療することができる。
もしも人間が病気になったならば、それはただ、内部にいる治癒の達人が、間違った生活によって衰弱させられ、妨害されたからにすぎないのである。
もしも私たちが治療しようとするのであれば、私は達人を助けて力を得させる意外にすることはできない。それはまさに、半ば消えかけた残り火を再び燃え上がらせようとするのと同じである。
そのために、私が必要とするのは火ではなく、ごく小さな火花にすぎない。森全体を燃やすのにも火花で十分である。あなたの中で、あなたの治癒力の火を起こす火花を探しなさい!」
(引用:『痛みを癒すホメオパシー』ベルント・リーガー著ホメオパシー出版より)
◆ホメオパシーとアロパシー
ホメオパシーは、日本語では「同種療法」といます。同種の法則に基づいて、病気と類似したレメディーを用いて、不要なものを外へ排出し心身を浄化します。
それに対して、アロパシーとは、ギリシャ語で「異種療法」を意味します。現代医学がその代表的なもので、主に、薬の服用や手術などのような、対症療法が中心となっています。
たとえば、頭が痛いときに頭痛薬を飲むというのがそれにあたりますが、薬を飲んで一度緩和されても、しばらくするとまた同じ症状が戻ってきます。これは症状の原因がまだ残っていることを意味しています。
アロパシーによって抑圧された不要物は、排出を妨げられて、行き場を失い、より大切な器官へと居場所を移していきます。症状を抑圧するたびに自己治癒力は弱まり、押し出す力が失われていきます。
そのため、症状が出なくなることと治癒とは別物だということを心得ておくべきでしょう。
よく「私は健康だからもう何年も風邪を引いていない」という方がありますが、抑圧によって、風邪さえひけないほど治癒力が弱ってしまっている可能性は否定できません。
アロパシーは、対症療法であり、病気の原因を取り去る目的のものではありません。
ホメオパシーは、原因にはたらきかけることで、治癒力を高め、根本からの解決を目指すものです。
◆マヤズム
ホメオパシーには、マヤズムと呼ばれる病気をつくりだす土壌があり、全ての病気はここから芽を出しているという独特の考え方があります。
マヤズムとは、恐怖、執着、葛藤、絶望、罪悪感、無力感、無価値観など、私たち人間の歴史の中で、先祖代々受け継がれてきた負の記憶のことです。
私たちは成長の過程において、ショックな出来事や、肉体の傷など、何らかの刺激によって、それまで眠っていたマヤズムが目を覚まし、そこからさまざまな病気が芽を出します。
そこで治癒力として現れた症状を出し切ることができれば、マヤズムはまた眠りにつくことができます。
ただ、症状に対する恐怖心などから、症状を抑えてしまうことが少なくありません。症状の抑圧を繰り返すと、やがて、その上に別のマヤズムが形成されてしまいます。
そのうちに、バイタルフォースの歪みはさらに複雑になり、自然に治癒するどころか、汚れた土壌からは病気の芽が出続けることになると考えられています。
ホメオパシーの最終的な目的は、このマヤズムの大本を眠りにつかせることにあります。
◆バイタルフォース
バイタルフォースとは、生命エネルギーの流れのことで、ホメオパシーでは、そのバイタルフォースが、私たちの生命の現れだと考えられています。
バイタルフォースは、本来のその人にとっての最善の状態を知っており、絶えず本来の自己へ戻ろうとバランスをとろうとしています。
バイタルフォースそれ自体は目で見ることはできませんが、何かの原因でバイタルフォースの流れに滞りができたとき、肉体的、精神的な不調となって現れるとされています。
◆病気とは(急性病と慢性病)
ホメオパシーでいう病気とは、バイタルフォース、すなわち、生命エネルギーの流れが、何らかの原因で滞り、スムーズに流れなくなった状態のことです。
現代医学で使われるような病名はなく、ただ「急性病」と「慢性病」の二つがあるだけです。
「急性病」とは
子どもの急な発熱などのように、突然発症し、急激に熟し、適当な短い期間で進行を終えるような場合です。
風邪、インフルエンザなどの流行病、子どもの罹る病気、また、重いものを持ち上げて体を痛めたとか、ひどい身体的な外傷、心の動揺や激情により起きた心身の問題も急性病に入ります。
「慢性病」とは
はじめはわずかな変化なので気づかないまま放置されたり、急性病として出た症状をアロパシーなどの薬で抑圧を繰り返したりして、バイタルフォースが弱められ、出し切ることができずに、滞りを抱えたままとどまっている状態のことです。
やがて、アレルギーや臓器の問題、自己免疫疾患などへと進行していくこともあります。
◆病気の原因
病気の原因は、生命エネルギーの流れを滞らせるもの全般、その人本来の生き方と調和しないものが、病気の原因になる可能性があります。
主なものには、農薬、化学肥料、食品添加物などの化学物質、抗生剤、抗菌剤などの薬の使用、電磁波、偏った食事、過剰な飲食、運動不足、睡眠不足、働き過ぎなどの生活習慣、そのほか、事故や怪我のショック、精神的ストレスや感情の抑圧などが挙げられます。
細菌やウイルスなどの病原体など、病気はどこか外からやってくるものだと思いがちですが、少し考えると不思議なことに気づきます。
菌やウイルスがたくさん飛び交う中、どうして、罹る人と罹らない人がいるのでしょうか?
それは、その人が持つバイタルフォースの滞りが、それに似たものを引き寄せていると考えることができます。たとえば、ゴミが捨てられている場所には次々とゴミが集まってきますが、清潔な場所にゴミが捨てられることがないのを見たことがあるでしょうか。
精神面でも同じことが言えます。
自らの生活習慣や、ものの見方、考え方を見直し、本来の自分を取り戻すよう不要なものを手放すことで、バイタルフォースがなみなみと流れる状態をつくり出すことができます。
◆好転反応
ホメオパシーのレメディーをとると、自己治癒力が触発され、滞りを抱えていたバイタルフォースが一気に流れだします。
そのため、蓄積された不要物を外へ押し出そうとして、一時悪化したような症状が現れることがあります。
これが好転反応といわれるものです。
鼻水や下痢、咳や熱、皮膚湿疹、以前抑圧した症状が戻ってくることもあります。また、精神面でも、忘れていた過去の感情が甦ってきて、むしょうに悲しくなったり、怒りが込み上げてきたりすることがあるかもしれません。抱えていた荷物が大きかったり、長年抑圧してきた場合には、好転反応が激しく出たり、長引いたりすることもあります。
これは、本来の自己を取り戻そうとする浄化のプロセスですので、自然にまかせて出し切らせることが、治癒への大事なポイントでもあります。
好転反応をうまく乗り越えて、不要物を出し切ることができれば、輝くエネルギーに満ちた新しい自分に出会えることでしょう。
◆大切なこと
(身体の声に耳を傾ける)
ホメオパシーは現代医学を否定するものではありません。
骨折したときには病院へ行かなければなりません。また、事故で血を流して死にそうなときにレメディーで様子を見ていたのでは命を落としてしまいかねません。
なかなか症状を出し切れない弱った状態のときには薬が必要ですし、長年薬を飲み続けてきた場合は自己判断で勝手に薬を止めてしまうのは危険です。
ホメオパシーに傾倒するあまり、現代医学の治療をすべて否定してしまう方もあるようですが、それは間違いです。
医師などの医療機関への受診が必要だと判断された場合には、ムリせずに病院を受診されてください。
健康に生きるための選択肢は、現代医学、ホメオパシーや、さまざまな療法健康法がありますが、どれも間違いではなく、それぞれの中に真実のかけらが在ると考えています。
問題の焦点は方法ではなく、「自分自身の健康を他人まかせにしてしまう」ところにあるのではないでしょうか。
病気を癒してくれるのは、医師や薬ではなく、内にある自然治癒力です。
それはホメオパシーでも同じで、ホメオパスやレメディーがあなたのかわりに治してくれるわけではありません。
自身の体の声に耳を傾けてみましょう。
あなたの人生の主役はあなた以外ではありません。心身ともに健康に生きるには、まず、自らをよく観察し、大切に扱うとことから始まります。
そして、ホメオパシーを上手に取り入れ、一人ひとりが自分らしく健やかに生きられることを心から願っています。
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