11歳のころに後頭部にできた円形脱毛症はいつの間にか消えて治っていました。


それよりも、手湿疹や喘息がだんだんひどくなり


手には包帯、運動の中でいちばん喘息が出にくいと言われている水泳でさえ


25m止まらずに泳ぎきるとしばらくの間


ゼェーゼェーと喘鳴が続き息苦しかったのを覚えています。



その年の秋だったかな?


また後頭部に、場所は少し違いましたが円形脱毛症ができました。


でもまたすぐに治るだろうと祖母ももちろん私も誰も心配していませんでした。


が、大きさはそんなに大きくないものの数が増え始めたので慌てて


少し先の駅にある皮膚科へ受診することになりました。


診察の結果、塗り薬(軟膏だったと思います)を患部に塗り


錠剤(2~3種類)を2~3週間飲んで様子を見てくださいとのことでした。


その後2回ほど通ったところで、まだ完治はしてな方ものの


発毛が確認できるのでお薬はやめてこのまま経過観察に切り替わりました。


 家で妹ときょうだいゲンカになるといつも妹が負けるのですが


この時期は妹が私の髪を引っ張り引っこ抜くという荒業を習得し


抜いちゃダメーっと悔し泣きした私の姿をみた妹が


ケンカで初めてお姉ちゃんに勝った!!と大喜びしました。


それからしばらくの間はつかみ合いのケンカになると


妹が私の髪をつかんで引っこ抜こうとするので


その度に慌てて祖母が止めに来ていたのを覚えています。


それでもやはりこの時も忘れたころにはすっかり良くなっていました。


今思うと、アレルギー性鼻炎の治療でステロイド剤を断続的に飲んでいたので


幼児期は赤毛だ赤毛だと祖母に心配されていた髪も


すっかり黒くてコシのあるものへと変わっていました。


そのステロイド剤の内服治療と重なってうまく治ったのかもしれません。






  朝、学校へ行く前にドレッサー(というより鏡台)の前に座り


祖母に髪を結うのを手伝ってもらっていた時のこと


祖母がいきなり


おばあさん:あーっっ!ぎくっ


と声を上げたので慌てて何があったのか理由を聞いたのですが


見間違いだったと言うのでその場は何も疑わず信じました。



 それからどれくらいの日数が経ったのか…


あさりちゃん:おさげ髪にしたいから真ん中分けにしてー


と頼んだのですが何度やり直してもらっても


ど真ん中のラインがいつもよりずれているのです。


もうこれ以上、髪結いに時間を掛けてたら遅刻するで


アンタの座り方が歪んでるから(髪の)分け目もずれてるように見えるだけちゃうか


手鏡を持つ手が斜めになってるるからそう見えるだけ


お下げにするよりもポニーテールにした方が髪が早く伸びるらしいよ


…など、誤魔化し続けられたのですが


ついに根負けした祖母は私の言うとおりに、真ん中分けにしてくれたところ


そばにいた妹がくすくす笑い出し


半泣き状態で祖母に理由を問いただしたところ


きっちり真ん中分けにしてしまうとライン上に円形脱毛症ができているから


それが丸出しになってしまうので、真ん中分けはできないことを


やっとのことで教えてくれました。


祖母は私が円形脱毛症のことを気にして


学校でイジメられたら困ると気に病み登校拒否にでもなったらいけない


とそこまで心配してくれていたようですが


当の本人の私は


あさりちゃん:なーんや円形脱毛症ができてただけ?

   もう、大げさやなー。あ、でも、ハゲたところ触ってみたいから

   ハゲてるところまで指もっててー


初めて円形脱毛症の患部を触った時は


本来、髪が生えてるはずのところに髪がないわけですから


ツルツルしていて、指で押してみると“ふくふく”していて


触っていると幸せな気分になってくる気さえします(笑)


ちょっと大げさに言うと


猫や犬の肉球肉球をさわっている感じに似ていたとおもいます。


だからマイナスなイメージはまったくありませんでした。






2歳のころ 単発型で発症。

以後、本人の知らないところで治癒と再発を繰り返す。

16歳の夏 単発型で再発。

16歳の冬 多発型(中等度)で停滞。

17歳の春 1週間ほどで一気に全頭脱毛に。

17歳の夏 光線療法の為

      病院で外出時は必ず帽子着用と指示が出る。

18歳の春 進学活動の為

     不本意ながらオーダーメイドのカツラ発注(家族が支払い)。

19歳の夏 接客系のバイトを始めるのをきっかけに本格的ウイッグ・デビュー☆

21歳の夏 脱毛症専門医の先生の診察を受けその場で治癒の確立について訪ねる。
        「君の場合は治癒の可能性は限りなく0%に近い」と
        本当のことを教えてもらいすごくスッキリする。

21歳の秋 自分から出向いて自らの意思で聞いたにもかかわらず
        今さらながらショックに打ちひしがれしばらくはウダウダとした気持ちで過ごす。

23歳の秋 円形脱毛症が縁となり主人と出会う。

23歳の冬 主人と付き合い始める。

33歳の初夏 約10年の遠距離恋愛を経て入籍。

34歳の冬 1年数ヶ月の遠距離通い婚の末同居開始。

現在 ツルツル頭をふたつ並べて都内某所でひっそりと生活中