9話を見たら、最終回まで一気に見てしまいました。
オチは分かっているのに。
大人になってから見直してみると、いろんな人の立場で見てしまいます。
晃次の元カノ、光については
若い頃なら、嫌なオバサン!若い女の子に嫉妬してさーーー
としか思えませんでしたが
いまの年齢になってみると
寄りを戻したくなる気持ちも分かる・・・。
学生時代に自分を好きでいてくれた男性。
いまも独身のままだとわかったら。そして何かと自分を気にかけてくれるのなら
戻りたい!やり直したい!って思ってしまいますよ。
いくら、自分がその彼を、捨てて、別の人と結婚したとしても。
いま自分が離婚して幸せな状況ではないなら、若くて幸せだった頃に戻りたいと思ってしまう。
今ならお互いに大人になって、もっとうまくやっていけるはずだ、と思ってしまう。
ところがそんな上手くはいかない。
相手だって、離れていた間に年を重ね、その間に心情も変わってしまうのだから。
いつまでも「私をすきだった彼」ではないのだから・・・。
ましてや、10歳年下のかわいい彼女がいたのなら
余計にね・・・。と、光に心を寄せながら見てしまいました。
晃次と別れるときの麻生祐未さんの演技がとてもよかったです。
もう戻れないと理解して
じゃあね!と去って行っても、涙を堪えて前に向かって歩いていくしかない。
辛い・・・辛いよーーーーーと思いながら見ていました。
しかし「本当に私を愛していたなら、奪ってほしかった」というのはだいぶ無理があるなと。
それは晃次の台詞ですよね。
本当に好きならば、親を捨てて自分の元に来てほしかった!と、思ったはず・・・。
結婚しても、元カレからもらった刻印入りの指輪を後生大事に持っているって結構イヤだな💦
このドラマは、耳が聞こえない画家と、女優志望の女の子の恋愛ドラマ、なわけですが
今見てみると、年の差カップルの恋愛ドラマでもあったのですね。
設定としては、晃次32歳、紘子22歳、といったところでしょうか?10歳下の設定かな。
年上彼の、過去が許せない!知りたくないのに、思わず詮索してしまう、大人げない紘子。
紘子は、最後まで、晃次を信じ切ることができず、疑心暗鬼のまま、わーわー騒いで
挙句に、健ちゃんと浮気して、晃次と別れてしまう。
晃次は、浮気した紘子を受け入れ、やり直したいと思っていたのに・・・。
紘子も、妙なところはまじめで、浮気した自分には、晃次と結婚する資格はないと思ってしまう。
まあ、あの手紙を紘子が読んでいたら、また違ったかもだけど。
ケンちゃんが良い人すぎて、この場面くらいちょっと悪い事?してもいいんじゃないかと思いました。
晃次は一度も、別れようもう君とはやっていけない!とは言わないんですよね。
最初は紘子を拒絶したものの・・・。
紘子は、自分から、晃次の心の扉をこじあけ、好きだから!と晃次の懐に飛び込んでいったものの
いろんなことがきっかけで、不信感をぬぐい切れずいつも不安な気持ちに苛まれてしまう。
その原因のひとつが、やはり、言葉でのコミュニケーションが取れなかった、というのが挙げれれるのだと思います。
手話や表情で、好きだと言われても
やはりどうしても。。。。電話や口頭で、気持ちを聞かないと不安になってしまうのでしょう。
結局、お互いに好きなのに別れてしまう二人。
ドラマ通して、健ちゃんはイイ人すぎて可哀想になってしまった。結局、最後、紘子は健ちゃんを裏切るし!
このあたりは女性脚本家のドラマだなあ、という気はします。
少女漫画そのもの。ヒロインは男性に大切にされすぎていて、その愛に気づかない。
グッときたシーンはいくつかあったのですが、
晃次がお母さんと再会して、新幹線のガラス越しに手話で思いを伝えるシーンが
泣けました・・・。10年間育ててくれてありがとう!と・・・。
あとは、光が晃次から卒業するシーンも個人的にかなりグッときました。
ドラマのラスト、3年後に紘子と晃次はリンゴの木の下で再会するのですが・・・
その後はハッピーエンドに繋がるのかな。
紘子は少しは大人になれたのかな。
王子様すぎる豊川悦司と、美しすぎる常盤貴子にほれぼれするドラマでした。
名作だ・・・。90年代恋愛ドラマの金字塔といってもいいくらい。
相手と連絡がとれなくなったら、心配で家に見に行く。
なんて、令和の今では考えられないですね。
耳の不自由な彼と付き合ったとしても、LINEで気持ちは交換できる。
今だったら、こういうドラマは生まれない。
スマホの登場で、世の中は格段に便利になったけど、恋愛ドラマは味気なくなってしまいました。