パクチーは、英語では「コリアンダー」。
日本では生の葉っぱはパクチー、乾燥させたスパイスはコリアンダーという使い分けがされています。
その「コリアンダー」。語源はギリシャ語の「コリン」。これが昆虫という意味で、カメムシ的な臭いを出す虫のことだったそうです。パクチーはその語源通り、匂いが強いですよね。
パクチーの歴史は古く、古代エジプトでは、調理や医療に用いられていました。古代ギリシャや古代ローマでも、特によく用いられた薬草のひとつであり、あのヒポクラテスも推奨していたとのことです。
日本の料理では用いられる食材ではありませんでしたが、タイ料理をはじめ、中華料理、インド料理、ベトナム料理、メキシコ料理、ポルトガル料理などに広く用いられている食材です。
葉をハーブあるいは葉菜として、果実をスパイスとして用い、煮込み料理などでは茎や根も使用されることがあるのがこのパクチーです。
そんなパクチーはビタミンがとても豊富です。
以下のようなビタミンが含まれています。
ビタミンA …抗酸化作用が強い
ビタミンB2…疲労回復、粘膜などの保護
ビタミンC…抗酸化作用が強い、美肌、免疫力UP
ビタミンE…抗酸化作用が強い
抗酸化作用が強い=体の酸化(サビつき)を抑えるということです。酸化作用の強いビタミンA、C、Eを合わせて、ビタミンACE(エース)と呼ばれていて、いい働きをしてくれます。
アスリートは、運動量が多い分、体への酸素供給量が多いです。体に酸素が送られる量が多いということは、体の酸化もしやすいということ。体の酸化が進むと、病気の原因になったり、いわゆる老化が進むことにもつながります。
人間には本来、活性酸素を有効に利用して、余った分は消去する機能が備わっているのですが、あまりに活性酸素の量が増えて、そのバランスが崩れないように、抗酸化作用の強い食材を意識的に摂ることは、アスリートにとって大切なことなのです。
とはいえ、激しい運動をしているからといって、無理にパクチーを食べる必要はありません。匂い、味によって、パクチーは好き嫌いがあるからです。緑黄色野菜や果物など、ビタミンAやCの多い食材は他にもたくさんありますので、そちらから摂ることもできますよね。
また、パクチーには、水銀、鉛、アルミニウムなど、飲料水や食品添加物、化学肥料、排気ガスなどから体に入った有害重金属(有害ミネラル)を体外に排出する働きがあります。これを「キレート作用」と呼びます。
キレートとは、元々ギリシャ語で「カニのハサミ」という意味。カニがハサミで獲物を捕獲する様を例え、有害重金属をしっかり包み込み、尿や便などで体外へ排出するためです。
アメリカ化学会の第246回学会国際会議で発表された研究によると、パクチーの微少細胞の外側の壁は、重金属などの有害ミネラルを吸着するのに、理想的な構造になっているようで、パクチーと同じようなつくりをしているパセリなどでも同じ効果が得られる可能性があるということです。
それらの有害な重金属は体内の酵素と結び付き、酵素の働きを阻害してしまう性質があります。さらに有害重金属に抵抗するため、体内で活性酸素が盛んに働こうとします。活性酸素は過度に発生すると血管や細胞を傷つけてしまい、老化現象を招くことになります。
そういった意味でも、抗酸化作用の食材を摂ることもスポーツ選手、アスリートにとっては大切だと言えます。
パクチーのキレート作用で有害ミネラルを排出し、パクチーの抗酸化作用で身体の錆つきを抑える。
ぜひ、積極的に選びたい食材ですね。
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