本日開催させていただきましたスマイルサロン(座談会)は、初産で4か月前に自宅出産された、のぞみさん&としやさんご夫妻をお招きして、「私の出産ストーリー」をテーマに、参加くださった4組の親子さんと、出産について語り合いました。
参加くださった皆様、素敵な時間をご一緒させていただき、ありがとうございました。
皆さんの自己紹介のあと、早速、自宅出産にいたった経緯からご夫妻に聞かせていただきました。
印象的だったのは、のぞみさんの言葉。「消去法での選択だったんです。自宅出産は主人のほうが積極的でした」。
10年のお付き合いを経て、結婚にこぎつけた(?)としやさんが、出産をひかえるのぞみさんと出産方法を模索するなかで、ドキュメンタリー映画「玄牝(げんぴん)」の吉村先生の講演会に出席し、出産に対するイメージががらりと変わったのだそうです。
「ぱくぱく、びくびく、ごろごろしない(食べ過ぎない、怯えない、ぐうたら生活をしない)。」と説く吉村先生。
としやさんは、安静にしていなければならないと思っていた妊婦さんたちが、ドキュメンタリー映画のなかで、大きなおなかを抱えて、どんどん薪割りをしている姿にも衝撃を受けたそうです。としやさんはにこにこと、持っていらした布袋から吉村先生監修の写真集「世界を変える!」や、出産や誕生にまつわる本をたくさん出して、皆さんに紹介してくださいました。
その冊数から、「出産は産む女性だけが考えればよいこと」とせず、ごく自然に「自分たち夫婦で迎える大切なこと」として捉え、一緒に向き合ってこられた姿勢が、温かく伝わってきます。
のぞみさんの妊娠中に、出産にむかう準備を真摯に一緒にされていたことが感じられます。激務と思われるお仕事をされながら、その姿勢は、あっぱれ、、、と、ここ日本では評価される現状は残念ですが、いつか、としやさんのように、パートナーのサポートが「あって当然」と言われる日本になる時代が近い未来にくることを祈ります。
初めておふたりがご自宅に助産師さんを迎えた日のお話しも感動的でした。
「心配していた猫のことも『だいじょうぶですよ。だって猫ちゃんも家族でしょう』と助産師さんに言ってもらえて、自宅出産ができるって決まって、助産師さんが帰ったあとに、ふたりで、『やった~!!』って喜びました」とのぞみさん。
おふたりが、同じ価値観で、同じ方向を向いて出産に向かっていく姿が目に浮かぶようで、本当に素敵だなあと思いました。
自宅出産を考えながらも、ご家族の理解をえられず断念した、という参加者さんからは、としやさんに「自宅出産することに不安はなかったですか?」という質問がとびました。
「ないです。医療機関で産むことのほうに不安を感じてましたから。」ときっぱり。
のぞみさんが続けて
「今回自宅出産して学んだのは、『あきらめること』でした。陣痛が始まって5日間苦しんで、助産師さんからは、朝までに産まれなかったら、病院にいくリミットだと言われて。」
「ぼくも、自分を納得させるために、部屋に敷いていたビニールとか出産のために準備していたものを全部片づけちゃったんです。そうやって、家で産むために用意したものを片づけながら、自分のなかでケリをつけてたんです。」
おふたりの悔しさが、なんだか少しわかる気がして、みんな前のめりになって、「うんうん、それで
」。
「そしたら、赤ちゃんってわかるんですかね。夜から陣痛がおさまらなくなってきて。声がでそうになるんだけど、起こしちゃわるいな、と思って我慢して。みんな疲れ切って寝てるわけですよ(笑)朝6時になったら起きるかな。・・・起きないじゃん!、みたいな(笑)」
いよいよ迎える出産のそのときにむかって、お話しの内容は緊迫度が増していく一方、なぜか、どっと笑いがおきるシーンも増えていきます。つづきは、後編で。