英語の絵本や歌の

音源をCDなどで流す、

 

かけ流し

 

 

という方法、

 

 

バイリンガル育児(英語育児、おうち英語)

取り入れている家庭は

実践されている方も多いと思います。

 

 

個人的には かけ流しの方法は

使い方によっては

とても高い効果を期待できるもの

思っていますが、

 

 

では、

 

 

かけ流しだけで英語耳が育つか?

 

 

 

と聞かれたら、

残念ながら、そうならない可能性は高いです。

 

そもそも「英語耳」とは何でしょう・・・?

あまりそう言った表現は言語習得で耳にしませんが、

英語の音を聞き取る力かなと推測しています。

 

 

 

かけ流しの効果が発揮されるのは

以下のような場合が考えられます:

 

 

丸ブルー ある程度の英語の土台ができている

丸ブルー 子どもの英語レベルに合っている

丸ブルー 音を聞いてイメージできる

丸レッド 実生活と連動している

 

 

 

最後の丸レッドは、特に重要な点。

 

もし、英語の土台ができていなくて

この部分が抜けている場合は

 

 

どれだけ かけ流しをしても

子どもが英語を話し出したり、

 

 

英語を聞き取れるように

なるとは考えにくいです。

 

 

なぜでしょうか?

 

 

言語習得には、

 

 

インタラクションを伴う

インプットが重要

 

 

と考えられているからです(Lightbown & Spada, 2000)

 

 

相手がいて、その人とのやり取り

言語は習得されやすくなると考えられているので

 

 

音源のみのインプットで

習得に繋がるとするならば、

 

 

それは、土台がある程度できていて

インプットの要素に気が付けるから

ではないでしょうか(Schmidt, R, 1990)

 

 

 

そうでない場合は

インプットの要素にすら

気が付くことは難しいのです。

 

 

 

 

 

娘が3歳の頃、大好きだったアニメ、

ペッパ・ピグの動画で

説明してみますね。

 

 

下の動画の最初の30秒くらいを

見てみてください。

 

 

あの有名なペッパ・ピグの

ヒンディー語版です。

 

 

 

 

これを、ヒンディー語の土台が

全くできていない状態で

 

 

音声だけが流れると考えてみてください。

 

 

 

果たしてそれが

 

 

意味のあるインプット

 

 

となるでしょうか?

おそらく ならないと思います。

 

 

 

子どもにとってみれば英語でも

ヒンディー語でも全く同じことです。

 

 

別ブログにも以前書きましたが、

インプットの要素に気が付くためには

ある程度の言葉の引出しが必要です。

 

 

  • 基本的な名詞(「お父さん、お母さん、弟、恐竜」など繰り返し出て来るもの)
  • 基本動作を表す言葉(「座る、立つ、寝る、出掛ける」など)
  • 基本的な形容詞(「大きい、小さい、疲れた」など日常会話で出て来るもの)
(過去の記事『意味のあるインプット』)
 
 
 
 
もしくは流れている音源に
連動するようなインタラクション
実生活であったときやその光景をイメージできた時。
 
 
 
たとえば、お母さんが
"Water? Yes, please? "というセリフを
 
 
コップに入った水を差し出しながら言い、
 
 
 
"No, thank you?"と言いながら
コップを引っ込める動作を
子どもにしたとします。
 
 
 
そして その後 かけ流した音源に
"Mommy, can I have water, please?"と
出てきたら、
 
 
「あ!お水が欲しいんだ」
 
 
と何となく気が付くわけですニコニコ
 
 
 
 
ディズニーの英語システムや
その他の英語教材も、
 
 
 
見るだけ、聞くだけよりも
 
 
教材に連動した
参加型イベントに参加したり、
 
 
 
教材で流れるインプットを
 
お母さんが
実生活でインタラクションを
交えて取り入れてみるだけでも
 
 
 
インプットは一方向ではなく、
 
インタラクティブ(双方向)になり、
 
 
 
英語を聞き分ける力が付いたり、
発話に繋がる可能性も高くなります。
 
 
 
 
「そうは言っても
かけ流しだけで英語耳ができた」
 
 
と思う方もいるかもしれません。
 
 
でも、それは どこかで
インタラクティブなインプットが
あったと考えられます。
 
 
英語イベントだったり、
海外に住む経験だったり、
英語話者との交流だったり、
 
絵本の読み聞かせで耳にしていたり。
 
 
 
なので、
 
 
 
「かけ流しだけで英語耳が育つ」
 
 
 
という主張をたまに目にしますが、
それだけでは 十分とは言えません。
 
 
 
それよりも
 
「かけ流しをする → 実体験に繋げる → かけ流しをする」(もしくは実体験→かけ流し)
 
このサイクルでインプットが吸収されやすくなる
 
 
と考えることができます。
 
 
 
それが結果的に「英語耳」、
つまり英語を聞き分ける力を育てることに
繋がるのではないでしょうか。
 
 
 
 
 
【参考文献】
・Lightbown, P.M. & Spada, N. (2000) How Languages are Learned. New York: Oxford Press
・Schmidt, R. (1990). The role of consciousness in second language learning. Applied Linguistics, 11: 129 - 158. 
 
 
 
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