前回の記事で、バイリンガル育児において
英語力だけでなく
言葉の配慮も大事にしたいと書きました
(前記事『語りかけ: 英語とマナー①』)。

について考えたいと思います。
娘は普段、親参加型のプリスクール(cooperative preschool)に通っています。
日本では「自主保育」とも呼ばれるかもしれません。(娘のプリスクールについてはコチラ)。
親が交代でお当番となり、
2歳から6歳までの子どもたちの面倒を見たり、
モンテッソーリのカリキュラムを教えるのです。
プリスクールには色んな国の子が来ます。
英語を話さない子もいるし、
英語が母語の子もいます。
そんな子たちがプリスクールに入ってまず教わるのは
丁寧な言い方。
May I〜?(許可を求めるとき)
Could you〜?(依頼するとき)
No!に代わる丁寧な言い方(断るとき)
大きくこの3つを言えるように練習します。
慣れない子はプリスクールに着いて早々、
I want water! (お水が欲しいの!)
I want to draw!(絵を描きたいの!)
I need scissors!(ハサミがいるの!)
という要求から始まります。
でもプリスクールでは こういう要求は
丁寧に言い直すように促します(英語が分からない子には日本語で促します)。
Can you say it nicely?(丁寧に言える?)
Can you ask nicely?(丁寧に聞ける?)
英語圏では、
What's the magic word?(魔法の言葉は何だっけ?)
という言い方もしますね(magic word= please)。
我が家でも、
I'm thirsty!(喉が渇いた!)
Water!(水!)
なんて言われても飲み物は出てきません
普段は自分で水を注いでいますが、娘もお願いするときは下のように言います。
May I have water, please?
日本語環境でも同じです。
お水ください。
でもいきなり丁寧な言い方を子どもにしろと言われても難しいですよね
なので 年齢に合わせて、
あるいは言語成長に合わせて
丁寧な言い方を導入してあげればスムーズだと思います
第1ステップ
Water!
Here you go.
第2ステップ
Water!
Water, please.(正しい言い方を提示)
Water, please.
Here you go.
第3ステップ
Water, please!
May I have water, please?(正しい言い方を提示)
May I have water, please?
Here you go.
初めは発話しただけでも たくさん褒めてあげて
その発話が安定すると共に きちんとした表現を
言えるように促すと習慣づくんじゃないかと思います
断るときも、単に
No!(やだ!)
I don't want it!(いらない!)
と言うだけじゃなく、
No, thank you.
もう少し丁寧に言うならば、
Thank you. But I'm okay.
などの少し柔らかめな表現も教えてあげると
接している相手も気持ちがいいもの
もう一つ、子どもが何かをできなくて よく言うセリフが、
I can't do it!(できない!)
そういう時は、「できない!」と投げやりにさせたままではなく
Help me, please.(手伝ってください)
Could you help me, please?(手伝っていただけますか)
周りの大人が手伝いを提案してみるのもいいかもしれません。
I can't do it!(できない!)
Can I help you?(手伝おうか?)
Yes, please.(お願いします)
こんな風に問題解決の表現も教えてあげると
子どもも感情的にならずに
言葉で表現できるようになるんじゃないかと思います。
① 要求に対しては 丁寧な依頼を教えてあげる
② イライラ感情に対してはイライラ感情を解決できる表現を教えてあげる(イライラの原因を言葉にするなど)
・・・など ここまで色々と書いてきましたが、
初めは発話があるだけでも嬉しいこと
言葉のマナーは 子どもの成長を見ながら
意識し始めるといいかもしれません