少し前にきもののイベントで
ご一緒したある方が
このように仰っていました。
「こういったイベントで
いいものをたくさん見ておくと
だんだんいいものとそうでないものが
わかってくるようになるから」
・・・私はこの言葉に
ちょっと引っかかってしまいました。
この方の仰る
「いいもの」って何だろう?
反対に
「そうでないもの」って何だろう?
それは単に
金額的に高級なものと
リーズナブルなもの
という区別なのでしょうか?
・・・そんな風に考えていたら
数年前のある出来事を
思い出しました。
それは私が
普段着きものに目覚めて
夜な夜なネットで着物や帯を
検索していた時期(笑)のこと。
お気に入りのネットショップで
購入したばかりの博多織の帯と
全く同じものを
近所の呉服屋さんで
見つけたのです
…でもお値段は
ネットショップの
三倍くらいの価格が
ついていました。
似たような別の帯じゃないのか
と思い、手に取って
よくよく見てみましたが
全く同じものでした
ネットショップと対面のお店で
コストが違うという差は
もちろんあると思いますが
それにしても・・・と
とても驚いた経験でした。
・・・本当のところ
そのイベントでお会いした方の仰る
「いいもの」とは
単純に価格のことだけでは
ないのだろうな、とは思います。
高い技術と
多くの人の手を経て出来上がる
素晴らしい作品というのは
とても素敵だと感じるし
そういうものに多く触れることも
貴重で大切な経験です
そして実際に
本当に「いいもの」は
やっぱり見たらわかります
だけど「いいもの」と区別した
「そうでないもの」なんて
基本的にはないんじゃないかなと
私は思うのです。
その着物や帯を
好みだなと思ったら
それが高級かどうかなんて
関係ないですよね
高級ないいものだから欲しい!
と思うことが間違いだと
言うつもりはないけど
ただ、きもの初心者さんには
そういった基準よりも
自分が好きかどうか
自分に似合うかどうか
そんな基準でワクワクと
自分にとっての
「いいもの」に
出会っていって欲しいな