ジャスト日本さんのブログ

【プロレス人間交差点 棚橋弘至さん☓木村光一さん対談「逸材VS闘魂作家」前編後編】を読ませていただきました。




まず初めに、10月に棚橋さんのとあるインタビュー記事に関して、SNSでざわついていた事があったそうです。9月10月は忙しくSNSに目を通す機会が減っていたので、まったく知りませんでした。


そして闘魂作家の木村光一さんは怒っていらっしゃる•••という流れで、どのような話になるのかとてもドキドキしながら熟読させていただきました。



私は映画「アントニオ猪木を探して」を観そびれてしまったもので、映画に関しては何ひとつ感想をのべられません。


なのでジャストさんのブログを読ませていただいた上で猪木さんと棚橋さんのことについて少し記したいと思います。


こんなにの中身の濃いお話はそう聞ける機会がないと思いますので、キッチリお読みになりたい方はぜひ、こちらのジャストさんのブログをご覧くださいませ。


〈前編〉


〈後編〉



木村光一さんの棚橋さんに対する言葉は、いちプ女子からするととても辛辣で読んで字の如くヒリヒリしました。

顔文字にすると((((;゚Д゚))))))) こんな感じです。



猪木さんの事業や政界の話は有名ですが、私もあやふやで•••。


○アントン・ハイセル

1980年代にブラジル政府を巻き込んで取り組んだ国際的事業。サトウキビから作るアルコールの精製後に残る大量の絞りカスをバイオ技術で飼料に変え、エネルギー不足と食料不足を一度に解決する大プロジェクト。


○永久電機

アントン・ハイセルから数十年後に手がけた「スイッチを入れたら永久に自力で駆動し続ける発電機」



ジャストさんの説明や自分で調べるとあらためて物凄い大事業だったのだなと想像し、

とくにアントン・ハイセルは猪木さんが生まれ育った環境の宿命もあったのだろうと思います。とんでもなくスケールが大きいですよね。



対談では木村光一さん、棚橋さんから繰り出される猪木さんや新日本の深い話ばかりでした。


猪木さんが総合格闘技をやり始めた頃「なんでプロレスを助けれくれないのか」、

対する格闘技界に接触していく猪木さんの本音は「プロレス界は俺をまったく尊敬していない」だったそうです。


どちらも悔しい想いをしまた猪木さんも寂しさを感じていたのでしょうか…。



猪木さんはアイデアマンで、普通の人では思いつかない切り口でやってきて猪木さんを理解することは並大抵のことじゃなかったそうです。



棚橋さんは自分が猪木さんに負けない影響力を持つレスラーになればいいじゃないか!

猪木さんの存在がいなければ「100年に1人の逸材」にはなれてなかった気がすると仰っています。


本隊にいながらブーイングを浴び続け、強烈に人に嫌われる経験をしたことが、レスラー人生にとって大きかったそうです。


著書「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」にも書かれていることですよね。




知らなかったのですが、長州さんは猪木さんと違うスタンスだったというところでした。

木村さんが仰るに猪木さんと現場トップの長州さんの対立も影響していたそうです。

そこから選手の大量離脱、経営危機に。


ただ棚橋さんは、選手たちが辞めていく中「これであっという間にトップに行ける!」と思ったそうです。

「誰かがやるのではなく自分がやればいいじゃないか」「どうにかならないかじゃなく、どうにかすればいいんだ」


そこから自分の信念を貫くように、寝る間を惜しんで新日本プロレスのために地方大会のプロモーションを懸命にしてきたことはご存じの通りです。



試合からプロモーションに至るまで奮闘する中、棚橋さんが「いける!」と思ったのは2012年オカダ・カズチカ選手の凱旋だったと言います。


IWGPヘビー級王座V11を達成したけど、あの時点でその先の展望があまり見えていなかったそうです。凱旋し24歳で王座を奪取して一躍スターとなったオカダさんの存在は大きかったと言います。



荒れ地を棚橋が耕し種をまいて芽が出始めた時にオカダという大雨が降って作物が育ち、

オカダから王座を取り返すことで棚橋という太陽によって作物がさらに大きく実った。

雨と太陽が繰り返されたことで一番作物が育ちやすい環境は何年も続いた。


中邑真輔のライバル関係がひと段落した時にオカダが現れ数年間は棚橋VSオカダの物語で新日本を引っ張っていったので、あんな敵対関係はなかなかない。

だからオカダには「同じ時代に生まれてくれてありがとう」と言いたい。




映画を観ていないので詳しく分からないのですが、作中で新日本道場に猪木さんのパネルを戻すシーンがあるそうです。


木村さんが仰るには唐突で違和感があったそうですが、棚橋さんが仰るにそれは映画の演出の一部でもあり嘘のない正直な想いだったそうです。


2020年からコロナ禍で落ち込み、そこからもう一度這い上がって盛り上げていこうという矢先に猪木さんが亡くなられた。


都合のいい話ですけど「猪木さん、もう一度、力を貸してください」と、素直にそういう気持ちになれたんです。


旗揚げしてスロレスブームを巻き起こしメジャー団体に成長させ、その一方で異種格闘技や総合格闘技の舞台で格闘技界全体を盛り上げ、国政にも出てあらゆることをやり尽くした上で自らが創設した新日本プロレスに帰ってきた。このシチュエーションはプロレスの領土をむちゃくちゃ広げた王が元にいた場所に帰還した「王の帰還」のドラマのエンディングだと僕は考えたんです。

そしてその帰還した王が戻る場所はやはり新日本プロレスの道場しかない。「ここに戻さないでどこに戻すんですか」というのが僕の偽らざる心境でした。


ここの流れを読んで鳥肌が立ちました。


そういえば2019年秋、台風により新日本道場が床上浸水の被害に遭いました。道場改修工事の時清掃局に出されてしまったパネルを間一髪で救出したのも棚橋さんでした。


この出来事は猪木さんへの思い入れがないとできない行動だと思うのです。




木村さんが猪木事務所のブレーンをされていた頃、格闘技アリーナ(猪木記念館)を作ろうというプランがあり企画書を作成したことがあったそうです。


その話の流れから、プ女子が驚く夢を棚橋さんは語るのです。


新日本にはずっと温めているアイデアがあるんです。東京都内に2000〜4000人くらいのキャパの後楽園ホールに代わるような常設会場を作りたいという夢があるんですよ。もし実現したら、僕はその施設を「イノキアリーナ」と名付けますよ。そうすれば大きな話題になりますし、世代を超えてプロレスファンが集える場にもなる。そしてプロレスが未来永劫、続いてくのならこんなにいいことはないですよ。

僕が新日本の社長になったら「イノキアリーナ」を作ります。


棚橋さんの語る具体的な話。こんなにはっきり語ることって今までなかったように思います。

もしかしたら今後、棚橋さんも関わるのかもしれない夢だと思うとゾクゾクしました。




そもそも猪木さんは最初からプロレスと格闘技は同じものだったから分けたことがない、という背景などを木村さんがお話されています。

またお二人はストロングスタイルについても述べています。


とても強いワードとして今もなお語られている「ストロングスタイル」


ぜひとも後編をお読みになってください!





そしてお二人が考える新日イズム、猪木イズムについても。


木村さんは新日イズムとは「どんな手を使ってでも客を入れてやるという意気込み」

猪木イズムとは「できない、やらないは絶対に言わない決意」


棚橋さんは新日イズムを「昔も今もマイノリティーなジャンルだと思っているので、世間や物事に対する反骨心」

猪木イズムとは「成功するかどうか分からないけど、やってしまえ」


どちらも覚悟が伴いますしビクビクしていたら気持ちが負けてしまいそう。どちらのイズムも持っていて新日本のプロレスラーという気がします。




そしてお二人が語るこれからのプロレスについてのところで、棚橋さんが仰っていたことに触れたいと思います。


僕が新日本のエースだった時に、団体がV字回復と言われて、みんなに「ありがとう」と言われましたけど、実は僕のレスラー人生は一度、そこで終結していたんです。「もうやり切ったな」という想いがありました。でもコロナ禍があって、せっかくみんなで盛り上げてきたプロレス人気が下がってしまったので、もう一回コロナ前以上にみんながプロレスを楽しめる状況を作って役目を終えたいというのが今、僕にとって一番のモチベーションです。


プロレス界で成し遂げたいことは、先ほどちょっと触れましたけど常設会場を作ることですね。そういう突飛なことをやって、最後に僕なりに猪木イズムと決着をつけて終わりたい。


読んだあと悲しみとかそういうものではなく、言葉にしたということは、コロナ禍を経てすでに決めていたことなのだと感じました。今後のビジョンが棚橋さんに見えているのだなと。





木村さんは「WWE的なやり方は日本のプロレスには馴染まない」とずっと感じているそうです。


この言葉に対して棚橋さんは、


プロレスで盛り上がる状況というのはタイトルマッチ、世代闘争、団体対抗戦と限られたものしかないので、だからそういう自然発生的に生まれる選手の感情を大戦カードに落とし込んでいく方が、日本のプロレスには合ってるんじゃないかなとずっと思ってます。


盛り上がった試合が見たいというのはもちろんあると思いますけど、それ以前に「応援している選手に勝ってほしい」「この試合に負けてほしくない」という勝負論がないと駄目で、なんで俺が勝ちたいのか、こいつには負けたくないという想いとか、闘う理由を後付けするのではなく自然に理解してもらえたらプロレスがもっと盛り上がるし、もっと外に伝わるんじゃないかなと思います。


世代闘争や団体対抗戦は世間に置き換えると会社に嫌な上司がいたり、競合相手に負けたくないというリアルな実感にも通じて落とし込みやすい。


自己投影や感情移入がしやすいところもプロレスの魅力なんです。


自己投影しながら感情移入しながら、でも私たちが日常で味わうことのできない空間がプロレスですよね。音楽や舞台や団体競技で味わえないものがプロレスにあります!



そうしてお二人の対談もエンディングを迎え、木村さんもお互いに腹を割って話し合うことができて本当に良かったと仰っていました。

前編の緊張感たるや•••。プ女子もホッとしました。



読み応えのある対談を、木村さん、棚橋さん、ジャストさん、ありがとうございました。




【追記】
と、少しづつ書いていたブログだったんですが2023年12月23日、棚橋さんが新日本プロレスの新社長に就任しました!!!

対談での「もう一回コロナ前以上にみんながプロレスを楽しめる状況を作って役目を終えたい」が響いてきますし腑に落ちます。



私が思ったことは、この対談をより多くのみなさんに読んでいただきたいと感じたことです!


知識の浅い者ではありますが、プロレスファン歴の長い方や棚橋さんのファンの方はもちろんのこと、ファンになったばかりの、どんな方にも読んでいただきたいと思っております。

「棚橋さんは今こういうことを思っている」ということが少しでも多くの方に伝わるといいなと思っております🙏


どうか、よろしくお願いいたします🙇‍♀️