“訴えるぞ!”という声には“どうぞ訴えを起こしてください”と毅然とした態度を取ることが重要です。
最近メディアでも数多く取り上げられている、SNSなどによる情報拡散でより悪質化している店舗等における悪質な行為。
店員の悪ふざけがSNS上で拡散されたいわゆるバイトテロや、飲食店や衣料品店などでトラブルになった際、店員に謝罪を要求したり土下座を強要したりする上、その様子を撮影するという事も起きています。
そんな迷惑行為による影響はイメージダウンだけでなく、来店客の減少まで起きかねないのですから、店舗経営者や企業にとっては非常に厄介な問題です。
100人いれば100の正義があると云われる程、人により正義の意味も道理も異なるので、一概にすべてが正しいとか間違っているとは云えませんが、少なくとも法令違反はダメですし、業務に物的・経済的な損失や支障が起きるような行為は認められないでしょう。
飲食店や衣料品店等の小売店で、顧客対応の不手際などが原因で起きた事であれば、損害を受けたとする金銭面での補償や、精神的苦痛を金銭に見積もって慰謝料として損害賠償請求をする事は可能ですし、裁判所に提訴する事も可能です。
むしろ損害賠償請求を起こされる事が周知された方が、バイトテロといった幼稚な行為は抑制されるのではないでしょうか。
ただし、請求する事自体は可能ですが、損害額の根拠が裁判官により認められ、請求額通り全面的な支払いを命じられるかどうかは分かりません。
今はPOSシステムで売り上げが分単位で把握出来る時代ですから、何かしらのトラブルで売り上げがはっきり落ち込んだとする数字を示す事は簡単です。
といっても、アルバイトや従業員に、あなたの動画が公開された事で売り上げが10億円減ったからと10億円の損害賠償請求をしたところで、請求は可能ですが個人でそれだけの賠償金を支払うことが出来る人はかなり限られますから、現実的に損失を補てんできるかどうかといえば難しいでしょう。
飲食店や小売店でお客と店の間で物的損害等が起きた際には、モノの損害に対する修理費用や買い替え費用を請求することが可能です。
ただし、購入してから時間が経っていると、経年劣化等による時価評価により、大抵は購入額より評価額の方が安くなります。
有名作家の絵画なら1号当たりの単価がありますし、金地金であれば1g単価の相場がありますから明快ですし、時間が経っても時価相場により値上がりをする事もありますが、
アクセサリー類やダイヤモンドの1カラット程度では、石だけの価値としては装飾品とは呼べるだけの価値はないので、購入額の1割程度の値段が付けばむしろ良いくらいです。
購入額を損害額と認められないところが調停や示談でも拗れるところですが、こればかりはお互いさまで仕方ないところです。
かえって有名ブランドで人気のデザインのバッグなどアクセサリー類を、リサイクル業者や質屋で買い取ってもらう方が、購入額との価格差は少ないかも知れません。
自動車事故で傷をつけた等の場合の賠償請求も同様で、購入して1か月も経つと査定価格は相当目減りしますから、車の所有者は買ったばかりだと思って傷がついたから新車に買い替えて欲しい、という要求をしても、その通りに認められる事はかなり難しいのです。
これが修理費用に関してなら、損害額が修理に要する費用ですから、比較的認められるケースも多いのですが。
これらの金銭・物的・精神的苦痛により被った損害を被害者側が金銭に見積もって損害賠償請求をするのですが、その金額をいくらで請求するかは請求する側の裁量で決められます。
したがって、加害者側となる賠償請求をされる側は、その金額が妥当であれば支払い示談する事になりますし、法外な要求や見積もりの根拠が不明確で承服しがたい場合は裁判等で争う事も可能です。
一番厄介なのは”誠意を見せろ”と云いつつ、請求しない場合です。
請求されないものに対しては、法律も損害保険も有効に作用しないのですから、非があるなしに関わらず、請求してもらうようにしましょう。
加害者・被害者の関係はそこからスタートです。
先日千葉県で起きた親子間のDVによる死亡事件でも、学校側が保護者の”訴えるぞ”という声に屈して、子どもを守るべき学校が守秘義務を破り、あってはならない情報開示までしてしまう事態を起こしてしまいましたが、言葉によるものでも強要や教唆は暴力行為として犯罪にもなる行為です。
根拠のある言い分であれば謝罪と賠償金が発生しますが、店舗を運営する企業であれば、通常は賠償責任保険に加入しているでしょうから、訴えられれば保険で対応が可能です。
公にしないで欲しいという後ろめたさから、現場対応で何とか収めようとするから、却ってこじらせてしまい、収拾がつかなくなり余計に大ごとになってしまうのです。
学校や行政の情報隠ぺいや不祥事なんて、現場判断だけでなく組織で情報共有して解決する方向へと尽力していれば防ぐことが出来たような事ばかりです。
法治国家を機能させる為には、違法行為や圧力に屈してはいけませんし、自分を守るためにする隠し事はないのです。
民亊訴訟や調停においては、裁判官が損害額を妥当と認定するか、
それ以前に調停委員がお互いの妥協案として調停額を提示したりもするのですが
飲食店などで起きている接客や対応に対する謝罪の要求や金銭等の要求など無理難題を押し付けてくるのには毅然とした対応が必要ですが、会社勤めの方なら承知のように、会社に承認なく、権限もない従業員が独断で金銭の支出等を行えるわけもないのですが、分かっていて要求しているかのような威圧的な行為は、起きてしまった不手際とは違う過剰要求ですから、速やかに脅迫されたと被害届を出すのも、警察や裁判所など公的機関を第三者に介入させる事で、過剰な圧力を抑制させる効果のある対処方法です。
客商売ではあまりやりたがりませんけど、みかじめ料などを要求するような団体に属する方が一般人に団体名を出しただけでも脅迫行為とみなされて逮捕される事もある位ですから、そんな方々に対しては有効だったりします。