"生命保険が貯蓄代わりになりますから"
なんていう売り文句 バブル時代ならともかく、今そんなことを言って保険を売る人などいないでしょう?と思っていたら、そうでもないところが恐ろしい。
お盆シーズンなので、自分や家族の保険を点検してみては?
貯蓄性が高いかどうかは、支払う掛け金(保険料)の総額に対して、どれだけ運用益が出るか、または貯蓄や年金と比べてどれだけお得かを考えるとしたら、せめて普通預金より利回りが高くないと魅力は薄いと思います。
生命保険の場合、契約内容によってその期間は異なるものの、契約後何年もの間は中途解約すると、それまでに支払った保険料総額に対して大きく下回るという解約リスクがあるので、単純に預貯金と比較するのは危険です。
特に金利や証券債券市場低迷の影響を受ける保険業界は、低利運用が長く続いた影響で保険料に占める運用益の割合が少ないからです。
数十年もの長期間にわたって保険料(掛け金)を支払い続ける生命保険は、契約者に将来保険金や給付金、満期金等の支払いを確保するために預かっている準備金をなるべく安全に運用するため、国内外の債券や証券等で運用しているのですが、利回りの高い外国債でも満期時の為替相場次第では、運用益が無くなるどころか元本の確保さえ危うい状況です。
しかもここ数年の金融不況の中では、その国が発行する債権の存続自体も危ない状況ですから、とても深刻な状況です。
例えば、割引国債は満期時の額面から利息分を差し引いて売り出すので、金利が高くなるほど安く購入できます。
単純に単利で10万円10年満期、年1%(10年で10%)だとすると、9万円で購入できることになります。
これが金利低迷で発行時の金利が年0.5%(10年で5%)になれば、購入価格が大きく増えて95,000円になりますので、発行者である国などの売る側はより多くの現金が手に入る代わりに、購入側は利益が少なくなります。
こんな運用を何百億円何千億円といった単位で運用しているのですから、金利1%の差が大きく経営にも保険料にも響いてくるのです。
利回りが大きく運用益が確保できれば、その金利差分を保険料から差し引くことができるので、金利が高い時の保険料は割安に設定できるのです。
この20年余り、ほぼ右肩下がりで金利は下降していますから、長く加入していた生命保険の方が金利は高く設定してあると推測できます。
なので、長く続けている生命保険、特に終身保険・養老保険・年金保険で10年以上支払っているのであれば、すぐに解約したり新しい商品を勧められたりしたからといっても、すぐに下取りや転換をするのは待った方が得策です。
*基本的に解約した一時金を新しい保険に充当という仕組みですから、予定利率という保険料から金利運用分を差し引く利率は、新しい保険の利率になります。
本当に貯金代わりになるほど保険料が貯まるとしたら、解約返戻金に反映されますので、まずは、「10年後・20年後の解約金はいくらになるの?」と尋ねてみると、支払保険料の中で積立運用になる貯蓄性が高い保険料の割合が大体わかります。
以前は保険証券に解約返戻金の経年推移まで記載されていましたが、最近は載せていない保険会社が多いようです。
もっとも、あまりの少なさに見るとがっかりしてしまいますけど。
終身保険・養老保険(学資保険を含む)・積立年金保険であれば、長期間支払い続けると支払保険料と解約返戻金がリンクしてきます。
予定利率(運用利回り)が高い契約であればより早い時期に払込保険料に近づきますので、長期間支払い続けると損か得かが一目でわかります。
ただし、前述の保険も特約が多ければその部分は掛け捨てなので、種類や保障金額によってはほとんど貯蓄性がなかったりします。
貯蓄と保障を得ることを考えているのであれば、保障重視か貯蓄重視かなど、保険で一つにまとめない方が見直しも簡単で分かりやすいと思います。
もし、貯蓄代わりの保険に加入するなら、特約などの掛け捨て保障をなるべくつけないで契約するか、貯蓄は分けておくことをオススメします。
生命保険は加入時の健康状態で契約できるかどうか左右されるので、貯金と同じ扱いにするのは危険です。
むしろ、貯蓄以外の様々な家計費の支払いを一斉点検して、無駄な支払方法や安く済む方法を選択することで得られる利益の方が、貯蓄や積立保険等で預けるよりお金が増えるかも?