現代に通じる神話の象徴 symbolism | Yes, You Can.

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この間の神話の続き、その象徴するものについてご紹介します。

 

 

 

 

 

 

神話は、人間生活の精神的な可能性を探るかぎと言われます。

人間の内に潜んでいる精神的な限りない可能性を探るツールと言えます。

 

 

神話の物語には、私たち人間が共通して持っているものが描かれていて、こうありたいと望む人生と現実とを調和させる手助けとなります。

神話を読むことで、自分の内面に向かうチャンスが作られます。そして、様々な象徴を読み解いて行くことで、内なる声に気づくことができると言われています。

 

 

 

 

Two hardback books lying open on a table

 

 

 

 

私たちの学ぶヨガ哲学では、神話の中で個々のキャラクターが象徴するものは何かを考えます。山も巨大蛇も海も、もちろん神様たちも悪魔も。その一つ一つが、私たち人間の持っている側面、つまり読者である私たちというわけです。

 

受け止め方はそれぞれですから、もちろん ”これは絶対に〜を表している” ということはありませんし、考え方の可能性は無限大ですから、ここに書くことはほんの一例です。

 

 

 

 

 

 

 

神様と悪魔

 

the Devas 神様は、誠や前向きな気持ちや真実。

the Asuras 悪魔は、まやかしや嘘偽りや不義。

両方が、私たち人間が持つ性質です。人間は前向きで元気にいられることもあれば、嘘をついたり無視無関心であったりする一面もあります。開き直るのではなく、良いところもそうで無いところも両方踏まえた上で、どう生きるかをヨガ哲学では考えて行きます。

 

 

大海をかき混ぜるプロジェクトは、Devas & Asuras 神様も悪魔も一緒になって協力します(悪魔は騙されるんだけど)。このプロセスが象徴しているのは、良い部分悪い部分を全て認識し受け止めながら、さまざまの困難や挑戦に向かうことです。やっても無駄かもしれないという考えはありません。挑戦も、自分がさらに成長する最高のチャンスだと考える、そういう生き方です。

 

 

 

大海

 

大海はよく、私たちの心 mano sagaram に例えられます。人間の心や感情や考えは、いろいろなことに影響を受けて常に動いています。それは、海の波が気流や重力や風などの影響を受けて動き続けるのとよく似ています。

また波の動きは、Hinduism ヒンドゥに根付く samsara or reincarnation 転生の考え方を象徴しているとも考えられます。samsara  転生の考え方は、何千年前のVeda ヴェーダの時代からのもので、生と死を繰り返すそのサイクルが波のようだとされます。

輪廻転生という言葉は、日本人にとっては仏教の教えを思い出すかもしれません。そちらの方が馴染み深いかもしれませんが、このコンセプトは、Greek philosophy ギリシャ哲学でも出てきており、ピタゴラス、プラトン、アリストテレスなどの間で語られていたとされています。

 

 

 

Greek Mythology and Life after Death

(the collector)

 

 

 

 

山を支えた巨大カメ

 

大海かき混ぜプロジェクトにおける rod Mt. Mandhara かき混ぜ心棒の山が安定するように、Vishnu ヴィシュヌ神がカメのavatarに変身して山を支える役になりました。

カメさんといえば、とても固い甲羅を持っていますが、その固い甲羅の中ではとても柔らかい身体が守られています。同じように、私たちも、人生におけるチャレンジや難しいことへ向かっていける強さを持ちながら、内面の優しさや柔らかさを持ち続けます。

 

 

 

 

毒ハラハラ

 

海から湧いてきた Halahala 毒ハラハラが象徴するものは、私たちが生きていく中で心に湧いてくるあらゆるネガティブなものです。痛み、苦しみ、悲しみ、憎しみ、辛い出来事、醜い考え、無関心、無知、無視、嫉妬、そういったもの全てが Halahala ハラハラです。Shiva シヴァが Halahala 毒のハラハラを喉に押さえ込んでコントロールしたように、ネガティブな感情や考え方もコントロール出来るということが分かります。

 

 

 

 

 

海からのギフト

 

Halahala ハラハラをLord Shiva シヴァ神が処理してくれた後に大海から出てきたものは、たくさんの神聖で美しいものでした。これは、研鑽と努力(大海かき混ぜプロジェクト)を重ねていく人間へのギフト、真摯に生きていく人間へのギフトです。良きも悪しきも認めて行くことで初めてそのプロジェクトは身を結びます。様々なものが海から溢れ出てきたように、ギフトはありとあらゆる可能性に溢れます。そしてそれは、本来もともと生まれながらに持っている人間の素晴らしさであり、それを思い出すことです。全てが神聖で美しく、内なる輝きは、実はどこかに探さなくても自分の中にある、ということです。

 

ここで気がつくべきことは、ヨガ的には「〜したから〜をもらえる」「〜のために〜をする」というふうには考えません。悟りを開くためにメディテーションするとか(ナイナイ、できない)上の段階(どこ??)に行くために練習するのではありません。その練習そのものや努力そのものに、遥かに意味があるというふうに考えます。