追憶-就職活動ー
2006年7月に約2年半の海外生活の後、ついに僕は帰国した。
その後約3ヶ月就職活動をしながらたくさんのものを見た。
時に本当にやりたい仕事につけるのか不安になりながら、
先が見えない中戦っていた。 3年半前に卒業してオーストラリアに行くために捨てた
「新卒」の壁。 覚悟はしていた。
しかし、想像以上に高いその壁は この1年間目の前に立ちはだかり続けた。 しかし、今年タイで就職活動をしていた時
ある出会いで何かが弾けた。 僕を認めてくれる会社があった。 「自分であっていいんだ」と「飾るな」と
そう言われている気がした。 帰国し面接が始まると経験者たちに混じって選考を受けた。
ハードルは高かった。 新卒でもなく、経験があるわけでもない男。 戦い方を考えるうちに、一つの結論にたどり着いた。
何もないなら、「何もない。」と言えるのを のを武器にしようと。
ありのままの自分自身がすべてなのだと。 すべてを伝えることにした。 海外で何を見て、感じて、得てきたのか。
どれだけ自分の出会った人は素晴らしく 人生は美しいのかと。 そして、ありのままの私を見てくれと。 自分はそれ以上でも、それ以下でもない。
ただ、ありのままを伝えた。 好きな言葉がある。
「Be just the way you are.」
「ただありのままでいればいい。」 いつもそう思っていた。
いつもそう感じていた。 日本に来て仮面をかぶろうともした。 「企業にとって雇いたい」と思われるような仮面を。
何か企業のためにできることを考えて言えばいい。 そう思っていた。 論理が大事だと。 けれど、何かが足りなかった。
その何かが欠けていた。 そんな時、友人がこんなことを言った。
「そうゆうんじゃねーんだよ。企画なんていくらでもできる。最後に企業が雇いたいって思うのって気持ちじゃねえかな?ただ入りてえんだっていう強い気持ち。そういうのが人の心を動かすんじゃねえの?」
心の中何かが弾けた。
「やべえ俺、自分であることを忘れてた。
企業にとって魅力的な奴?なんだそれ? 誰だよそれ?’いまの’俺じゃねーじゃん。」 そう思った。
僕は決めた。 今一度自分の積み上げたすべてと、
出会った人々のおかげで得たこの心を信じようと。 「Never lose sight of the big picture. Don't miss seeing the forest for the trees.」 (決してその心に描いた大きな絵を見失うな。
局部を見て大局を見失うなと。) 僕の好きな言葉。
いつもAussieの兄貴Dallasがくれたこの言葉をかみ締めてた。
その初心を思い出した。 いくら何があろうと自分は自分。
あるがままの姿であり続けようと。 必ず夢へとたどり着く道はあるから、と。 今、人生の岐路にいる。 もうすぐ就職活動を終わらせようとしている。 僕はこれからどこに向かうのかくっきり見えている。
やっと繋いで来たこの道が、先へとつながるのが 見え始めている。 まだ答えは出ていない。
けど、1日1日を大切にしようと思う。 オーストラリアでそうしていたように。
アジア中を旅していたときにそうしていたように。 ただ一生懸命やりながら、笑いながら、楽しみながら。
「何とかなるっしょ?」って。
だっていつでも誰より笑って、楽しんでる自信はあるから。 素敵な仲間に囲まれてる限り、俺は負けない。 未来は見えない。 けど、いつでもそれは「そこ」にある。
届きたい場所がある。
背負ってきた、運びたい想いがある。 叶えたい夢がある。 だから、この命輝かせたい。 一度きりの人生だから、挑戦こそ、自分にとっての生き甲斐 。
だから、この〝いま〟を〝明日へ〟。
自分が自分らしく自分であるために。 |
「いま」 @バンビエン
バンビエン(ラオス)の川
エメラルドグリーンの美しいラグーン
今日はバイクで山中を周った。
ラグーンで泳ぎ、飛び込み。
自然の中、目を閉じ瞑想し。
人々と語らい、挨拶を交わし。
川で体を清め、自然を再び感じる。
視線の先に移る、そんな美しいラオスの人々の生活を、この胸に少しずつ流れ込ませる。
美しい瞬間。
自然は何よりも暖かく大きい。
そして、言葉にならないほどに美しい。
この豊かな自然を見るたびに、目を閉じて感じるたびに、
自分は間違いなく自然に一部なのだと、そう感じる。
そして過去に過ごした日々は、自分の心の中に生きていると、そう強く感じる。
どんなに余裕を失おうとも、その熱く優しい日々に得たものはすべてこの胸の中にある。
出会った人々の笑顔はこの胸に残り続け、友の心と言葉はいつでも共にある。
だから、今はこの身を流れに委ね、ただ航海の帆を進めよう。
生きる
都会で忙しくしていると他の人に気づかない。
いや気づかないフリをしている。 時間がないから?
それとも面倒くさいから? 不思議に思う。
きっとみんなが不安に怯えてる。 先の見えぬ未来を怖れてる。 それでも僕らは生きていく。
人間は弱い。 その心は簡単に折れる。 だからこそ人は人を必要とする。 それは決して悪いことではなく、当たり前のこと。
僕もまた心の弱い人間だ。 けど、だからこそ助け合いたいと思う。
そして、毎日を必死に生きたいと思う。 それが何でもいい。 バスケでも、仕事でも、勉強でも、恋愛でも。 僕は「生きて」いたい。 最近よく海外に住んでいた頃を思い出す。 あの頃は輝いていたなって。 きっと生涯最高の輝きをしてたとか。 でも、気づく。
目の前にあるのは、ただただ時を刻み続ける「いま」。 それ以上でもそれ以下でもない。 そして、今年の4月から仕事が始まって、普通の生活をしている。
これまでのように度々海外へ飛ぶこともないだろう。 それでも、このワクワク感はとまらない。 いつでも未体験は最高のアドベンチャーだ。 僕はたぶんこんな生き方しかできない。 今は、昔のように悟りを開いて、 「内なる心に身を任せな」
なんて言えない。
少しずつ自分を失っていく感覚かもしれない。 けど、それでもかっこ悪くただもがきたい。
今の自分はガキだ。 旅の時の「静」の部分は「動」に覆われている。
けど、それでもいいと思う。 すべての物事は0に収まるから。
その中で心を少しずつ「静」の方向へ、 そして、「自然」に向かって解放できたらいいと思う。 どんなに不安でも、どんなに辛くても光は常にこの心に差している。 だから、僕は安らぎを心に生み出したい。
大切な人を落ち着かせられるように。 その不安を取り払えるように。 そしていつでも笑っていく。
出会った時のみんなの笑顔のように。 僕は変わらない。 |

