新しい認知症病棟での初めての面会では、
夫は腰のベルトで固定されたリクライニングの車椅子を押してもらって
私のことを認識しているようには見えなくて、
そして昨日は娘たちと都合が合ったので3人で病院に行きました。
土日の面会は不可と聞いていたのですが、
面会室には入れないけれどガラス越しに会う?見る?
エレベーターを降りた病棟のエントランスからは、
その時は10数人の患者さんたちが、立っていたり座っていたり各々のやり方で、スタッフさんの声掛けに合わせて体操をしていました。
「お父さんいる!」
娘の声で中の様子をよく見ると、
体操している人たちの中に交じっている!
椅子に座っている!
少し前はベッドに拘束されていた夫が、
号令をかけられながら集団で何かをするなんておよそ考えられない
すんとした表情でそこにいました。
もちろん身体は一切動かしていないけれど
以前の夫なら不快そうな表情をして、
「部屋に帰る。」と病室に戻りそうな場面なので、
認知機能がすっかり落ちていることを再認識。
看護師さんが夫に近づき、
立ち上がってこちらに目を遣った夫の表情がぱっと変わったのがわ
スタスタとしっかりした足取りで歩いて近づいてきた夫は、
開かない自動ドアの隙間に手を入れ、
椅子を持ってついていらしていた男性看護師さん二人が慌てて
「開かないんですよ!」
「今日はここで見るだけなんですよ!」
と声をかけながら夫を止めて椅子に座らせようとするけれど、
夫は必死の形相でドアをこじ開けようとし続けます。
こちらからも長女が、
「お父さん!ここは開かないんだよ!今日は仕方ないんだよ!」
と声をかけるけれど、
看護師さんたちが声をかけながら、
夫の悲嘆に満ちた表情がみるみる崩れ、夫は
私たちが見えなくなった方がいいはず!と、
エレベーターに乗った途端涙が溢れました。
沈着冷静で、
自分の両親が亡くなった時も涙を見せなかったのに、一度だけ泣くのを見たのは夫が40くらいの時。
夫を可愛がり引き立ててくれていた先輩が、
それも一瞬感極まったように声を詰まらせたけど、
私には、何もかもがままならない、
私と同じ気持ちを夫も抱いているような気がしてしまうんだろうな
病気の進行によって、
あったとしても、すぐに忘れてしまうんだろうと思うのですが…。
というか、そうであってほしいと切に願っています。
ここにこうして出来事と自分の気持ちを書いているとまた泣いて
色んな場所で、
気を取り直してまた頑張ろうと思えます。