みなさんは初夢を見たでしょうか?
お正月の間、私は熟睡してしまい、
夢を見ませんでした。
そろそろジャズカフェの店主になっている
初夢を見てもいいはずなのですが・・・・
明日から仕事ということもあり、
現実が次第に近づいてきています。
ぎりぎりまで夢見心地でいたいということもあり、
LPを中心に音楽三昧と決め込みました。
その中の一枚がアーマッド・ジャマル(p)の
「アルハンブラ」だったのですが、
偶然にもこの作品は「夢」と関連していました。
ライナー・ノートによると、「アルハンブラ」というのは
1961年にジャマルがオープンさせたクラブのこと。
店を持つことが彼の長い間の夢で、
内装にはツアーで訪れた極東~中東の影響が
見られたそうです。
当然、クラブのオープニングを飾ったのは
ジャマル・トリオの演奏でした。
このアルバムは、トリオのライブを収録したもので、
「ホーム」でのリラックスしたプレイを聴くことができます。
ジャマルの基礎データをちょっとだけ紹介しましょうか。
1930年7月生まれで、80歳になった今も
精力的に活躍しています。
シカゴを拠点に活動していた彼を有名にしたのは、
50年代にマイルス・デイヴィス(tp)の
「バンドに入らないか」という誘いを断った(!)ことです。
「シカゴを離れたくなった」というのが理由とされていますが、
実際はどうなのでしょう?
いずれにせよ、絶妙の「間」を生かすジャマルのプレイが
マイルス好みだというのは納得できます。
「アルハンブラ」でもトリオの一体感、
そして「さっぱりとしながら、艶がある」独特の
音世界を聴くことができます。
1961年6月、シカゴ「アルハンブラ」でのライブ録音。
Ahmad Jamal(p)
Israel Crosby(b)
Vernell Fournier(ds)
A面-⑤Snowfall
クロード・ソーンヒルの作曲。
静寂の中、雪が降る様子を描写した名曲だと
私は思っています。
そして、この曲の意図を汲んで見事に「音」にしたのが
アーマッド・ジャマルなのです。
ベースとドラムが落ち着いたリズムを刻む中、
ジャマルは必要最小限の音しか奏でません。
時に弱く、時に強く・・・・
その展開は全く「読めない」もので、
粉雪の舞い方が予見できないのと良く似ています。
あたかも星の光が瞬くかのように、強い印象を与えたり、
突然消えてしまう音の群れが、
全体を通して聴くと「雪の姿」に結びついていくのです。
2分30秒に満たない演奏ですが、「素晴らしい!」の一言。
なお、「スノーフォール」の名演についてはこちらもどうぞ
↓
http://ameblo.jp/slowboat/entry-10204135925.html
B面-③Autumn Leaves
「スッスッ」と進むブラシの上を、ピアノが駆け抜けるように
「枯葉」のメロディを奏でます。
急速調から次第にスピードを落とす展開にスリルがあり、
一気に引き込まれます。
続くソロでは、再びリズムのテンポが上がり、
低音が強調された抽象的な音列が提示されます。
この「壊れそうで壊れない」ギリギリのセンスが
ジャマルのすごいところです。
うまく言葉に表現できず、ごめんなさい・・・
B面-④Isn't It Romantic
ジャマル得意の「節約型ソロ」が展開された演奏。
こちらはメロディ~ソロに至るまで、
完全に統一されたムードで展開されているのですが、
使われる音数が少ない。
それでも、飽きることはありません。
トリオの息が完全に合っており、
ジャマルが強いコードを弾くところは、
ドラムもちゃんとアクセントをつけているからです。
トリオのまとまりがいかに良かったのかを窺えるトラックです。
他にも、A-④Love For Sale などの快演があり、
店を開いたジャマルの好調ぶりが伝わってきます。
やはり、夢を実現した人のパワーってあるんですね。
新しい年の仕事を前に、「自分がやりたいこと」
(ジャズカフェ開店?)を考えさせる
きっかけとなった一枚でした。
