ガール・トーク/山本剛 | スロウ・ボートのジャズ日誌

スロウ・ボートのジャズ日誌

ジャズを聴き始めて早30年以上。これまで集めてきた作品に改めて耳を傾け、レビューを書いていきたいと考えています。1人のファンとして、作品の歴史的な価値や話題性よりも、どれだけ「聴き応えがあるか」にこだわっていきます。


疲れがどっと出ること、ないでしょうか?

今週、連日3~4時間睡眠で働き続けた私。

働いているときは、たまに急激に眠くなることはあっても、

基本的にテンションが高く、一気に走りぬくことができました。


しかし、休みのきょう、どうも調子が出ないのです。

さんざん働いた後なので、気晴らしにぱっと遊んだり、

我慢していたお酒でも飲めばいいのでしょうが・・・・

疲れてやる気が起きないのです。

平日に溜めていた疲れが出たのでしょう。

頭に重いものがのっているような感覚があり、

何をするにも力が出ないのです。

読書も中途半端、テレビ番組も最後まで見られない。

困ったものです。


実は音楽もなかなか聴く気になれなかったのですが、

こういう時のために(?)、ありました。

「重すぎず、軽すぎず」疲れた体に沁みてくるジャズが。

山本剛さん(p)の「ガール・トーク」です。


山本さんは1948年、新潟県生まれのピアニスト。

1974年に「ミッドナイト・シュガ-」でデビューして以来、

そのスイング感とメロディの歌わせ方に定評があります。

海外でも注目され、私が持っている

「ガール・トーク」のCDはドイツからの輸入盤(!)

山本さんのライブには一度行きたいと思っているのですが、

今のところ、どうしてもタイミングが合いません。

来年こそは・・・・


「ガール・トーク」はバラッドが主体のアルバム。

選曲も良く、夜が長いこの季節に

しんみり聴くには最高です。


1975年12月17日、東京での録音。


山本剛(p)

大由彰(b)

小原哲次郎(ds)


①The Way We Were

バーバラ・ストライサンド主演の映画「追憶」のテーマ。

非常に感傷的な曲を、スロー・テンポで

演奏しています。

甘いメロディにもかかわらず、

ピアノのタッチは意外に強い。

それが、この演奏全体に説得力を与え、

聴き手は胸を締め付けられるような

感覚をおぼえます。

ソロでは山本さんのブルース・フィーリングが

顔を出しますが、全体的にメロディに比重を置いた

美しい演奏です。


②Girl Talk

ニール・ヘフティ作曲の微笑ましいナンバー。

ここでもテンポはやや遅め。

曲の持つ楽しさをはじけさせるのではなく、

ちょっとこらえながら慈しんでいるのがグッド。

ソロの後半で盛り上がるまで

「我慢の子」でいるところが面白い演奏だと

思います。

最後もノリに任せず、

スローにまとめているのが

個人的に好きです。


⑤I Love You Porgy

これまで多くの名演がある曲ですが、

このアプローチもなかなかです。

まず、メロディを全く崩さない潔さ。

正面切ってメロディに挑めるのは、

自分の「歌わせ方」に自信がある証拠でしょう。

ゆっくりと主旋律が弾かれた後、

リズム陣が一瞬抜けて、ピアノのみとなります。

そこで生まれる緊張感と、

再びリズムが加わっての寛ぎ。

さりげないのですが、曲を理解しつくした

心憎い演奏です。


良質の音楽で少し気持ちが前向きになりました。

休みを無駄にしないためにも、

もう少しやりたかったことを進めることにしてみます。

最後は軽く一杯・・・