民主、社民、国民新の3党による
連立内閣が発足しました。
初閣議が夜、新閣僚の会見が深夜というのは
極めて異例のことでしょう。
このブログを書いている今も、
閣僚の会見がテレビで生中継されています。
閣僚の会見は、官房長官の後、
民主党の菅さん→社民党の福島さん→国民新党の亀井さん、
という順番で続きました。
普通なら「消費者担当」とか「金融 郵政担当」の閣僚が
総務大臣や外務大臣の前に会見することはないはず。
やっぱり連立政権ということで、党の代表クラスには
敬意を払ったのでしょう。
印象的だったのは、こうした「代表クラス」が
今のところ「大人の対応」をしていたことでした。
福島さんは「脱原発を目指す社民党の政策は変えない」
と会見で言っていました。
これなど、今すぐ連立政権で実行に移そうとしたら、
大混乱をもたらす政策でしょう。
ですが、当面はこの政策にはこだわらず、
連立政権でできることをやっていこう、
という態度が窺えました。
今回の会見を見て、「世の中変わったなぁ」
という感慨を覚えました。
私が学生だった20年前、
まだ「イデオロギー」という言葉が力を持っていて、
政治では「保守か革新か」という対立軸が
(弱まってはいたものの)あったのです。
原発や防衛では革新勢力が絶対に妥協しないという
姿勢を貫いていて、「原発の棚上げ」などというのは
あり得ないことでした。
今回の自民党敗北という千載一遇のチャンスを前に、
昔の革新勢力も変わらずにはいられなかったのでしょう。
3党の連立政権が吉と出るか凶と出るかは、
今のところ全く分かりません。
うまくやっていけるかもしれないし、
何かが火種になってバラバラになるかもしれない。
でも、4年間はやってくれないかな、と個人的に思います。
それぞれの党の個性を生かしつつ、
妥協や知恵出しを繰り返すことが、
多様な意見を吸い上げることにつながる、と考えるからです。
もう巨大政党が圧倒的な多数を制する時代ではないはず。
様々な「連立の訓練」が行われるべきでしょう。
政治の「3党協力」はひとまず置いて、
ここからは個性が強い3者の共同作業が実を結んだ
ジャズに耳を傾けましょう。
タル・ファーロウ(g)の「タル」。
リーダーのタル・ファーロウは1921年生まれで、
このアルバムを吹きこんだ1956年は
若手ギタリストとして注目されていました。
当時、クラブ出演のため率いていたトリオでの録音です。
よくよく聴くと、それぞれの奏者は個性派ぞろい。
硬質で、スピード感あふれるタルのギター。
低音部を打楽器的に響かせるのが得意という、
変わったピアニスト、エディ・コスタ。
快調なウォーキング・ベースで煽るヴィニー・バーク。
ちょっと調子が外れれば、
3人がバラバラになりそうなスピード感がありますが、
そこは名人たち、お互いを立て合って名演にしています。
1956年3月、NYでの録音。
Tal Farlow(g)
Eddie Costa(p)
Vinnie Burke(b)
①Isn't It Romantic
有名スタンダード。
あえて急速調の曲を冒頭に置かず、
ミドルテンポで余裕たっぷりに始まるところが良い。
タルのソロはコードで流すことをほとんどしません。
短音をつなげてフレーズを作っていくのですが、
今の耳にはそんな音作りがかえって新鮮に聴こえます。
ここではソロの後半になると超絶技巧フレーズが
どんどん出てくるのですが、リズムのテンポは変わらず。
「ゆったり急速フレーズを味わえる」不思議な曲で、
個人的にお気に入りです。
④Anything Goes
まだ10代のころ、この演奏には圧倒されました。
ベースがグイグイ引っ張るリズム。
急速フレーズをこれでもかと繰り出すギター。
特に感心するのはコスタのピアノ。
自分のソロの出番ではない時は、
しっかり硬いリズムを刻み、グルーブ感を出す。
ギターソロが終わると、おもむろにゴツゴツした
フレーズで登場。
地鳴りを響かせるような独特のスタイルで
スイングします。
こんな重いピアノ、なかなかいません。
ベース・ソロをはさんでギターとピアノが
スリリングなコール・アンド・レスポンスを
繰り返すのも聴きもの。
3者の一体感を楽しんでください。
この他、⑤Yesterdays
⑥You Don't Know What Love Is
でも3者の渾身のプレイが聴けます。
この息の合い具合、どうやって可能になったんでしょう。
やはり毎夜クラブで切磋琢磨した結果なのでしょうか。
いや、それだけではなく、
「求める音楽がどんなものか」、
どこかで合意を得たから、
ここまで完成度が高くなったのでしょう。
政治家にも見習ってもらいたい・・・・
いや、あまり期待が大きくなってはいけないか。
まずはできるところから・・・・
