最近、ブログを書いていて実感したのですが、
秋の夜にジャズって本当に合いますね。
「湿りすぎず、重すぎない」夜の雰囲気の中で、
インドア系の私はますますジャズに聴き入ってしまいます。
きょうご紹介する作品は、この時期におススメのバラード集です。
テナーサックス奏者のチコ・フリーマン。
1949年、父親や叔父もジャズ・ミュージシャンという音楽一家に
生まれた彼は、76年からニューヨークで活躍、
尖鋭的なプレイで話題を呼びます。
そんな彼が79年にいきなり発表したのがこのバラード集で、
多くのファンはコルトレーンが「バラッズ」を出した時のように
「何で・・・?」と思ったことでしょう。
しかし、もともと親から引き継いだスタイルがあり、
前衛的なプレイの中にも伝統的な部分を交錯させていた人なので、
ここでの演奏には全く違和感がありません。
むしろ、激しい演奏で聴かせていたパッションを秘めていることで、
ストレートに胸に響く演奏となっています。
サイドを固めるミュージシャンも、この当時絶好調だった人たちばかり。
Cecil McBee(b)
John Hicks(p)
Billy Hart(ds)
Don Moye(ds) ※トラックにより、ハートと交代
Jay Hoggard(vib) ※一曲のみ参加
私が持っているのは、未発表トラックが収録された日本盤CDですので、
その曲順に従ってご紹介します。
①オータム・イン・ニューヨーク
うーん、いきなりきたか、という感じのトラック。
なんとテナーとベースのデュオ。
ストレートにメロディーを吹くチコのバックで、
ものすごく図太い音を響かせるマクビー。
いや、これはもう「バック」ではなく、対等な関係です。
最初にソロを取るのがマクビーであることからも、
それは明らかです。
こんなに「攻撃的」でありながらバラード演奏として
聴かせるベースは滅多にありません。
実はベースが主役?の一曲です。
②ピース
ホレス・シルバーが作った名曲。
チコのテナーはここでも飾ることなく、ぐっと迫ってきます。
メロディーで盛り上がって、ミドル・テンポのソロへ。
適度に抑えながらもエモーショナルなソロで、
チコのリーダーシップを感じさせる演奏です。
マクビーが後半、またも図太いソロで切り込んでくるのも
すごいです。
⑦イット・ネバー・エンタード・マイ・マインド
ジョン・ヒックスの美しいイントロで始まる、おなじみのスタンダード。
チコはメロディーの途中から加わるのですが、
その入り方が無理なく、かっこいい。
ソロではかすかにビブラートをつけた音色でスローに吹いていきますが、
若い演奏者ゆえ、やや生硬な感じもあります。
しかし、音に力強さがあり、そこが魅力でもあります。
後半、ピアノをバックにしながらソロを吹くところでは
「爆発しそうでしない」感じがあり、
彼のあふれ出るパッションを想像することができます。
⑧クロース・トゥー・ユー・アローン
セシル・マクビーによるオリジナル。
スタンダードに負けない美しい曲です。
ここでのチコはソロで若干テンポを上げながらも、
曲の雰囲気を大切して突っ走りすぎないようにしているように
感じられます。
そんな彼を見て、まわりも「はやし立てすぎず、見守るように」
寄り添っているかのようです。
ジョン・ヒックスのソロが光っています。
ちなみに、このCDの裏ジャケットは
↓こんな感じです。
インディア・ナビゲーションというマイナーレーベルの雰囲気が感じられ、
私は好きです。
また夜遅くまで聴いちゃうな・・・・

