絵のお手入れ・保存方法 | 50代からのスローライフ〜癌サバイバーが描くヒーリングアート        

50代からのスローライフ〜癌サバイバーが描くヒーリングアート        

 2015年悪性リンパ腫ステージ4から生還し、健康の大切さを痛感しスローライフを始めました。講師業から絵描きへ
 薬草を育てながら天使画・曼荼羅・点描画等を描いており販売もしています。アートや薬草、健康に関することを
 発信しています。

絵は決して安いお買い物ではないので

なるべく長く飾っていたいですよね。

お気に入りの絵であれば尚更。

 

10年、20年、30年・・・

できれば50年以上楽しみたい

と思いますので、そのための

お手入れや保存方法をシェアしますね。

 

目次

・湿気対策

・日焼け対策

・ガラスとアクリル板のメリット、デメリット

・まとめ

 

✼湿気対策

日本は梅雨があるので、パステル画に限らず

どんなジャンルの絵でも、

湿気対策は必須ではないかと思います。

 

わたしの失敗談ですが

 

これは、箱が湿気を帯びて

ボコボコになっています。

 

 


 


原因は・・・・

 

長いこと押入れの中に

しまい込んでおいたことです。

 

たまには箱から出して

空気の入れ替えをすればよかったのですが

個展に使ったまま後からしようと思って

そのまま忘れていました。

 

未開封の物は大丈夫だったのですが

一度使用した物は、手垢や汚れがつきますから

カビの原因にもなりやすいですね。

 

対策として

定期的に箱から出して換気をしたり

押入れの中に炭を置いたり

梅雨時は除湿剤を置くなどするといいですね。

 

 

梅雨対策は、絵だけではなく

そこに住んでいる人にも必要になりますよね。

 

理想的な室温は17~25度

    湿度は44~55%

 

だそうです。

 

そこでお勧めなのがこちら
               ↓

「ZHOU」デジタル温度湿度計

 

Amazonで買いました。

 

 

 

 

壁掛け、卓上兼用になっていて

差ほど大きくなく手の中にすっぽり

収まりますので、押入れの中にも入ります。

 

湿度の状態を顔のマークで教えてくれるのが

何ともユニークで可愛いです。

湿気は絵だけではなく、そこに暮らす人に

とっても影響がありますし、

赤ちゃんの健康管理や熱中症対策にも

いいですね。

健康的に過ごすためにも

湿気対策は必須かと思います。


絵にも人にも優しい室内環境を

整えたいですね。

 


✼日焼け対策


この薔薇の絵は仕事部屋に

飾っておいたものなのですが。

しかも、窓辺に・・・


そうしたら、それはそれは薄くなって

はかない感じになっています。

 

 

 

 

原因は

①  窓辺に飾って置いた

②  定着スプレーをしていなかった


詳細と対策は後述しますが

直射日光を避ければOKではないんですね。

窓辺の日光も禁忌なのです。

ガラスはアクリル板と違って

紫外線を通しやすいので。


ちなみに同じ部屋に飾っているこちらの絵は

10年前に描いたものですが

描いた時と同じで全く退色していません。

亀さん達も元気です。

 

 


窓辺から離れた所に置いてあります。

そして、定着スプレーをしっかりしていました。


薔薇の絵に何故、定着スプレーを

していなかったかと言うと

後から加筆しようと思っていたのです。


一度スプレーをしてしまうと消しにくいので

そのままにしていて、その内

スプレーしたかどうか忘れてしまって

飾ってしまったのですね。


もう一度加筆します。

やれやれ・・・


でも、失敗したお陰で大切な教訓を得ました。


さて、長くなりましたがその教訓を活かして

更にパワーアップ日焼け対策です。


わたしが普段からしていることですが

効果絶大ですのでシェアしますね。


・ガラスとアクリル板のメリット、デメリット


絵を押さえたり日焼けから守るために

額縁の中にガラスもしくはアクリル板が

使われるのですが、それぞれメリット、

デメリットがあります。


一覧表にしてみました。
 

  

        メリット

          デメリット

 

ガラス

・耐光性がある

・透明度が高い

・アクリルに比べると

   手入れがしやすい

・アクリル板より安価

・衝撃に弱いので割れやすく

飛散しやすい

・紫外線を通しやすい

・重い

・大きな絵には使えない

アクリル板

・耐久性がある

・軽い

・紫外線を通しにくい

・大きな絵にも使える

・紫外線カット90%

・埃やゴミが付きやすい

・静電気が起こりやすい

・ガラスより高価

UVカット

加工

 

・紫外線カット98%

 

・アクリル板より更に高価

・薄く黄色味がかってる

 


以上の結果を踏まえて

アート・ガーデンでは

アクリル板、アクリル板UVカット加工の

額縁を取り入れることにしています。

 


お客様のお手元に絵が届いたときに

最優先すべきは「安全性」なので

ガラスは避けました。


わたし自身が、操作しているときに

ガラスで手を切りそうになりましたし

日本は地震大国なので、絵が落下して

飛散した場合のことを考えたとき

アクリル板一択だなと思いました。


そして、アクリル板のメリットを活かし

デメリットをメリットに変える対策を

取ればいいのではないかと思いました。


デメリットをメリットに変えるための対策として

・埃やゴミが付きやすい

       ↓

静電気が起こりやすいことと

リンクするのですが、その特性上

埃やゴミを引き寄せてしまうのですね。


そういうときには、アクリル板の表面を

傷つけないように

この刷毛と、眼鏡拭きで拭くといいですよ。


特別な物でなくても

家にある物で代用できると思います。

 


・静電気が起こりやすい

       ↓

アクリル板の表面だけではなく裏にも

静電気スプレーを使っています。

 

 

マット紙と絵の間には2mmほどの隙間が

あるのですが、アクリル板がパステルの粉を

吸い寄せててしまうのを防ぐためです。

 


そうならないように

絵には定着スプレーをかけるのですが、

推奨されているスプレーと

こちらの日焼け効果のあるスプレーとで

二重対策をしています。
 

 

 


二重にしても絵には影響ありませんので

大丈夫です。


ただ、日焼け対策効果の実験が微妙だったので

そこまでしなくてもいいかなと思ってはいます。

これは、今後検討していきます。


・ガラスより高価

     ↓

ガラスのほうが安価なので

ガラスを使う業者さんは多いのですが

わたしはアクリル板の

UVカット加工を指定します。


ただ、最近はアクリル板とか

UVカット加工の額縁を販売してくれる

業者さんも増えているので助かります。


多分、そういう要望が

多くなっているのでしょうね。

 

たまに、変更ができない場合があって

特に額縁が大きくなると指定できなくて

そのときにはアクリル板を使いますが


極力UVカット加工を使うようにしています。

 


・アクリル板UVカット加工は高くて

アクリル板より更に高価

       ↓

そうなんです。高いのです。

悩ましいところです。

日焼けの悲しい思い出がありますので

高くても使いますが


・アクリル板紫外線カット90%


・UV加工の紫外線カット98%


この8%を、差があると見るのか

あまり変わらないとみるのか微妙ですが


90%以上あれば紫外線カットの役目は

充分果たしているのではないかと

思うので、そこまでUVカットに

こだわらなくてもいいのかもしれません。


・UVカット版はうっすらと

黄色味がかっている

      ↓
加工の特性上

ほんのり黄色味がかっているのですよ。


肉眼で見てもよくわからないのですが

これをどうするかですよね。

天使画は透明感が命なので

原画の色を美しく保ちたい。


点描画のように作品にあまり影響されない

絵の場合は使ってもいいと思うのです。


なので、作品によって使い分けて

いこうと思っています。

 


・その他の注意点として

日焼けは窓から入る紫外線だけではなく

蛍光灯にも若干入ってるそうです。


あう!!

今までの検証は何だったのかと思いますが

そうなるともう、LEDライトを点けるしか

ないじゃないですか!


気を取り直してまとめに入ります。


✼まとめ

今まで書いてきた湿気・日焼け対策を

していれば日焼けや色の退化を

遅らせることはできると思いますが、


どの技法の絵でも経年による風化は

避けられず、ゴッホなどの名画も

修繕しながら受け継がれています。


100年楽しめる絵を、と思ったら

遮光カーテンをしてLEDライトを点けて

時々箱から出して換気する。

もしくは収納しておく・・・


ですが、絵は飾って置きたいから

購入するのですよね。

部屋に飾ってながめていたい

癒されたい


ずっと収納しておくなら

購入する意味があるのかと思ってしまいますが

ここまでストイックにならなくても


今まで書いてきた

「湿気・日焼け対策と窓辺は極力避ける」

これだけでも経年風化を遅らせることは

できます。

 


定期的なメンテナンスと飾る場所を

決めておけば後は楽なので、

是非取り入れてみてくださいね。


ステキなアートライフをお楽しみください。


長くなりましたが、参考になれば幸いです。